電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

ニコラス結婚、ん。

2006-09-30 20:07:57 | Weblog
ニコラス・ツェーの極秘結婚記事が向こうの芸能ニュースをにぎわせてますが、モノがたまりすぎの私の部屋をごそごそしていたら、『ジェネックス・コップ』で取材したインタビュー記事の切り抜きが出てきましたので、近日中に写真アップしたいと思います。ファンの方々はお楽しみに。

東京国際映画祭チケット

2006-09-30 12:50:38 | Weblog
本日は東京国際映画祭のチケット売り出し日でした。先週、先行リザーブの登録したのですが、あえなく抽選ではずれ、例年のように某駅前のチケットぴあに並ぶことにしました。業界関係者でありながら、毎年パス申請をしないので、(申請してもチケットが取れない場合が多い)、皆さんと同様にチケット確保のために並ぶわけですが、今回も9時すぎに着いたところ、20人近く並んでおりました。といっても映画祭購入者だけではないので、ゲットできるかどうか、かなり不安です。
昨年は韓国映画が多かったので、わりと取れたのですが、今回はせいぜい『王の男』ぐらいなので、香港映画はわりと早くなくなるだろうと予想しておりました。
今回の私にとっての目玉は、パトリック・タム監督の『父子』です。10時の発売から10分後に私の番がきました。で、ラッキーなことに前から4列目の真ん中の席がゲットできました。(圭仔、タム監督来たらかぶりつきだよ^^)で、次のチケットを買うためにまたもや列に並んだものの、次の時間はすでに10時30分。その段階では、『イザベラ』や『ドッグ・バイト・ドッグ』などは完売。また一般招待作品などは、電話販売とか、店頭での発売なく、結局、見たい作品を3枚、それからうちのスタッフ用に売れてなさそうな邦画のチケット3枚を買ったのみでした。
昨年は一般、マスコミ両方からチケット入手に関して非難を浴びていた映画祭ですが、今年は苦情なく収めることができるかどうか、静観したいと思っております。

明日30日のアジア作品

2006-09-29 13:03:40 | Weblog
明日30日(土)公開のアジア作品です。

『愛さずにいられない』中国作品
監督:ジャン・チョン 出演:ロザムンド・クァン、ウォレス・フォ
以前はその美貌から数々の男性遍歴を重ねていたが、今では慎ましい結婚生活を送っている人妻が、単調で退屈な毎日に疲れ、なじみの美容院で出合った若い美容師と愛欲に堕ちていく、というストーリーです。ロザムンド・クァンは私とほぼ同世代の女優さんなのですが、今なおその美しさをみせてくれる香港女優です。フランシス・ンも出演しているということで、気になる作品ではあります。
東京:渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトロードショー

明日の公開作品は邦画がすごく多く、人気上昇中の若手女優さんの作品が数多く登場します。『涙そうそう』は長沢まさみ、『オトシモノ』は沢尻エリカ、『夜のピクニック』は多部未華子、『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』は松浦亜弥とそろい踏み。東京では明日、これらの作品で舞台挨拶が行われるのですが、いちばん大変なのは宣伝マンと取材側のマスコミ。宣伝はマスコミを連れてこなければいけないし、取材のほうは時間帯が重なっているとどうしようかというのもあるしで、きっと現場は混乱しているでしょうね。個人的には『スケバン刑事』が観たいなあ。女性がアクションするって、香港映画の伝統的なものを感じて、気になるところなのです。

「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」その4

2006-09-27 19:32:31 | Weblog
映画のヴィジュアルは何にしようか?これは初めて映画を見たときからイメージは固まっていました。彼女が初めて登場したときの、あの風に髪がなびきながら見つめている表情がしびれるほど美しく、そして幽霊の美しさを感じたので、これをなんとかしたいと思っていました。しかしながら、香港から来ている写真というのが数少ない、というか、なんと、普通版の写真プリントできているという信じられないものでした。普通、海外から写真が届く場合、ポジフイルムといって、普通見かけるネガの状態ではなく、すかしてみるとちゃんと写されたものがわかるフイルムのことです。
これではしょうがないと、香港で写真を見せてもらうのと、キャンペーン用に衣装を借りるために、香港へ飛び立ったのです。それが以前、ブログに書いたレスリー衣装を借りた話です。
香港から戻り、デザイナーとポスターの打ち合わせが始まりました。イメージから女性のデザイナーにお願いしました。いろいろと話をしたうえで、私がイメージしていた写真を映画フイルムから抜き、そして作られたのが、皆さんがご存知のあのポスター絵柄なのです。そしてキャッチコピーは「私が幽霊でも愛してくれますか?」幽霊と人間との恋の純粋さを出そうと考えたコピーなのですが、これもふっと思いついたコピーで、すぐに決まりました。
そして、東京国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品に決まり、ツイ・ハークを呼ぶ話が出たのでした。

11月下旬~12月上旬発売のアジア作品

2006-09-26 22:13:25 | Weblog
11月下旬~12月上旬にかけて発売のDVDアジア作品(セルorレンタル)の一覧です。
※エロスのぞく
なお、メーカーの都合で変更になる場合があります。
中国(香港/台湾/大陸)作品
11/22『ウォ-・アイ・ニ-』
   監督:チャン・ユアン 出演:シュー・ジンレイ、トン・ダウェイ
   『緑茶』
   監督:チャン・ユアン 出演:チャン・ウェン、ヴィッキー・チャオ
11/24「さよならバンクーバー」DVD-BOX
   監督:チャン・バオガン 出演:チェン・クン、チャオ・リン
11/25『冬冬の夏休み』
   監督:ホウ・シャオシェン 出演:ワン・チークァン
12/1「恋する爆竹」※レンタルのみ
   出演:フ-・ピン、チェン・ハオ
12/8『エンター・ザ・フェニックス』
   監督:スティーブン・フォン 出演:ダニエル・ウ-、カレン・モク
   『愛さずにいられない』
   監督:ジャン・チョン 出演:ロザムンド・クァン、ウォレス・フォ
   『金城武 スクール・デイズ』
   出演:金城武
   『金城武 チャイナ・ドラゴン』
   出演:金城武
   『金城武 フォーエバー・フレンズ』
   出演:金城武

韓国作品
11/17「あの青い草原の上で シーズン2」DVD-BOX
監督:パク・チャノン 出演:チェ・スジョン、ユン・テヨン
11/22「ホジュンBOX3~宮廷医官への道~」
   監督:イ・ビョンフン 出演:チョン・グァンリョル
11/24「Song Seung Heon Love Letter」
   出演:ソン・スンホン、ユン・ソクホ
11/29『サプライズ』
   監督:キム・ジンソン 出演:シン・ハギュン、イ・ヨウォン
   『青春漫画~僕らの恋愛シナリオ』※レンタルのみ
   監督:イ・ハン 出演:クォン・サンウ、キム・ハネル
12/1「心ふるわせて」DVD-BOX 
   出演:ペ・ドゥナ、キム・ドンワン、チソン
12/2『鬘かつら』
   監督:ウォン・シニョン 出演:チェ・ミンソ、ユ・ソン
12/8「愛するまで パーフェクトBOX2」
   監督:ヨム・ヒョンソブ 出演:リュ・シウォン、チョン・ドヨン
   「男女6人恋物語9~13」※レンタルのみ
   出演:ソン・スンホン、イ・ウィジョン
12/19「あの青い草原の上で シーズン3」DVD-BOX
監督:パク・チャノン 出演:チェ・スジョン、ユン・テヨン

タイ作品
11/24『アフロサッカー』
監督:ソムチン・スィ-スパープ 出演:ポンパット・パチラバンション

「グエムル漢江の怪物」

2006-09-25 12:33:51 | Weblog
ここのところ仕事の山積で、土日も資料作りに勤しんでいたために、まったく新作映画を見に行けない状況が続いていたのですが、昨日の日曜は久々に劇場へ足を運びました。
鑑賞したのは『グエムル漢江の怪物』です。うちの女性スタッフ陣が早々とこの作品を観ていて、「面白いから早く観に行ってくださいよ」と言われていたので、有楽町のスバル座に夕方向かいました。
マスコミ評価もすごく高く、業界鑑賞率もすごく高い作品なのですが、どうも怪獣映画のイメージでしか一般の方にはとらえられていないようで、客層も9割が男性、それも3割程度の入りでしか入っていませんでした。
うちの女性スタッフは、「なんだかわからないうちに、あっという間に話が進んで、気がついたら、映画が終わっちゃうんですよー」と意味不明なコメントを残していたのですが、その意味、よくわかりました。冒頭は米軍基地内での危険薬品を大量に流すシーンがあって、その2年後に漢江で釣りをしている人たちが奇形の生き物を見つけ、そして月日が流れて漢江沿いで売店経営しているソン・ガンホの一家の簡単な家族紹介をしていたら、いきなり怪物登場。で、娘がさらわれ、後は中だるみなくどんどん話が進んでいきます。びくっと驚かされるシーンが2箇所ありますが、あっという間に終わってしまうというのは本当でした。
韓国で爆発的な大ヒットをしているのもよくわかりますが、こういった映画ではヒーローイズム爆発となるのですが、そうではなくて、何してもだめだめな家族が怪物に立ち向かう姿が身近に感じられて、それがこの作品のよさをかもし出しているのです。それがポン・ジュノ監督作品に見られる面白い部分なのだと思います。
個人的には、最近、萌えー状態になっているぺ・ドゥナが出ているのでかなりうれしい悲鳴ですが、ここのところ、『吠える犬は噛まない』『子猫をお願い』と立て続けに観て、なおかつこの作品を観て、韓国女優の中で個性的、かつ演技力のある女優だと感じたのでした。
なかなかこういった作品は女性が避けやすいジャンルですが、ぜひ見ていただきたい作品の一本です。もうすぐ終了となる前に、ぜひ劇場で堪能してみてください。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその3

2006-09-24 11:57:47 | Weblog
8月を過ぎた頃、私はベストロン映画に顔を出し始め、題名が『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』と決定された、この愛すべき作品の宣伝プランを考え始めました。ベストロン映画はこれと『上海ブルース』も同時に買い付けていました。『上海ブルース』は映画評論家の小野耕世さんが海外の映画祭でご覧になられており、朝日新聞で書かれていたその映画祭レポートで高く評価されていたことがあったので買い付けたと聞きました。
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の公開時期は1989年初春の渋谷東急系チェーンということで、あの『男たちの挽歌』と同じ劇場に決定しました。かなり大きな公開規模です。9月に入るとこの映画のポスターやキャッチコピーのイメージを決め始めます。なにぶんにも日本でほとんど知られていないキャスト、スタッフです。ツイ・ハークは『皇帝密使』『蜀山奇伝天空の剣』が公開されているものの、今だ知られていないのが現状でした。そこで彼の経歴、趣味を聞いて閃いたキャッチコピーが「香港映画界のスピルバーグ」でした。香港との付き合いがある井関さんが向こうでツイ・ハークのことを聞いていて、彼は映画のことしか考えていない映画バカである、ということと、彼の作品がファンタ系の作品、パリ・ファンタで賞を受賞している等々、いろんな要素を絡めて考えた結果、かのキャッチコピーにすれば日本でも彼のイメージがわかるだろうと考えたのでした。これをある宣伝会社の社長に話したら、「そんなの安っぽい感じするぞ」と忠告されたのですが、今においてもツイ・ハークのキャッチコピーとして使われていることからみても、この戦略は成功したと私は思っています。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその2

2006-09-23 16:29:59 | Weblog
『倩女幽魂』は値段の問題でどこも手が出ない。それに会社の某部長が「これ、たいしたことない」なんて言うので、ますます何とかしたいと思い、国際部の担当部長の世良田さんに「どうなんでしょうか?」とお話をしてみると、私の熱心さが伝わったのか気にかけてくださり、なにかとこの作品の買い付け情報を教えていただくようになりました。
そんなある日、世良田さんからちょっと来て、と社長室に行くと、そこに香港からお客さんが来ておりました。紹介されたのがシネマシティの海外販売の担当部長をしていたウェリントン・ファンという方でした。世良田さんは「彼がすごくこの作品を気に入っているんです。」といって私のことを紹介してくれ、「今度香港に来た時は会社に来て下さい。」と言われたのでした。
私はちょうどこの頃、『スーパーマン4』『ジミー』『ラスト・エンペラー』と3本の作品のパブリシティを担当しており、毎日が戦場のようにいそがしく、心の余裕があまりない頃でした。そしてこの作品の公開の初日が終わった頃あたりから、仕事に対しての意欲が失いかけていた時期でもありました。そんなときに、仕事の部分で憤ることがあり、やめようという気持ちが高まっていったのです。
そして『倩女幽魂』の買い付け話もある程度の値段まで落ちたのですが、結局この作品を買ったのがベストロン映画なのでした。そんないろいろなことが起こった3月、転職話などが起こるのですが、自分の気持ちを確かめるために休みをとって、香港に行くことにしました。ちょうど香港国際映画祭をやっている時期に合わせ、私はマスコミの親しい人間と一緒に香港へ旅立ったのです。
1988年の香港国際映画祭は、まだ日本ではそんなに知られていなくて、前年、映画祭に行ったマスコミの方から「面白いよ」と聞いていたので、行ってみようということになったのですが、国際部にお願いしてパスを申請してもらい、また、松竹の窓口となる香港の方を紹介してもらい、香港に旅立ちました。
映画祭では『秋天的童話(誰かがあなたを愛してる)』『人民英雄(野獣たちの掟)』『地獄無門』などを見て、これらの作品の面白さに興奮、コーズウェイベイの映画館で見た『老虎出更(タイガー・オン・ザ・ビート) 』では、初めて香港の観客のうるささ?を体験し、楽しいひとときを過ごしました。この時、松竹の香港窓口の方に連れられて、シネマシティに行き、ウェリントン・ファン氏に会い、フイルムワークショップやマグナムの部屋を案内してもらったのでした。
そしてこの香港旅行にはもうひとつの目的がありました。それは『倩女幽魂』を買い付けたベストロン映画の社長の井関さん、そして宣伝部長の寺尾さんと密談をすることでした。この密談で私は『倩女幽魂』をやるために、転職を決めたのでした。そして7月、松竹富士をやめ、2ヶ月、出版社でセルビデオの宣伝の手伝いをした後に、『倩女幽魂』の宣伝準備を始めるのでした。



明23日公開のアジア作品

2006-09-22 13:25:06 | Weblog
明日23日(土)公開のアジア作品 です。

『紅蜘蛛女』香港映画
監督:ン・マンチン 出演:坂上香織、トニー・ホー
日本女性と知り合ったカメラマンが、一夜を過ごしたものの、彼女に監禁されて性的強要を強いられる異常恋愛劇。監督のン・マンチンは『インファナル・アフェア』シリーズなどのカメラマンを担当しています。ま、女優が日本人であるように、この作品は日本出資の香港映画であります。
東京:銀座シネパトスにてレイトロードショー

『西瓜』台湾映画
監督:ツァイ・ミンリャン 出演:チェン・チャンシー、リー・カンヨン
水不足で市民が西瓜で喉を潤している街のあるマンションで、一組の男女が出会うものの、男はAV男優で撮影中という秘密をかかえていた・・・・。あいかわらず奇抜なテーマを送り出すツァイ・ミンリャン監督の最新作。
東京:渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

『天軍』韓国映画
監督:ミン・ジュンギ 出演:キム・スンウ、パク・チュンフン
北朝鮮軍に持ち出された核弾頭を取り戻すために、韓国軍が追跡し、好戦しているうちに16世紀にタイムスリップしてしまう。なにやら日本の『戦国自衛隊』のようなSFタイムスリップものですが、主演はぺ・ヨンジュンの兄貴分ことキム・スンウ。
東京:シネマート六本木にてロードショー


明日は私の担当しているフランス映画『奇跡の朝』も初日を迎えます。(劇場は渋谷のユーロスペース)ある朝、ここ10年間に死んだ人たちが蘇って町に帰ってきた(ゾンビではなくちゃんと人間の姿をして)。さて、生きている人たちは彼らをどうしよう?という、SFっぽい内容の作品ですが、3組の人々に焦点をあて、一組は老夫婦、一組は子供が帰ってきた夫婦、そしてもう一組は死んだ彼氏が帰ってきた恋人。死ぬときまでの記憶しか持っていない彼らとどう対応していくか、という話なのですが、死生観やフランスでは社会問題になっている移民のことをテーマにもしている作品です。ちょっと小難しいテーマですが、興味のある方はぜひご覧くださいませ。

GHクンフー

2006-09-21 02:25:41 | Weblog
このDVD時代において、日本でまだ発売されていないのが、ゴールデン・ハーベスト初期の一連のクンフー映画です。ブルース・リー作品はビデオ、DVDと何度も発売され、その他でいえばスパイクが出した『片腕ドラゴン』ぐらいで、それ以外はどうなってるのかまったくわからないまま、今にきています。とはいうものの、権利を管理しているのは全てフォーチュンスター(スターTVの関連会社)で、そこの担当に聞いたところではこれらの作品はリマスターする予定はない、と言っておりました。といいながらも見てみたいのはファン心理、ということで、某社が交渉して日本で出すことがまとまりました。
発売される作品は、フォーチュンスターがリマスターをすると決めている『片腕ドラゴン』『アンジェラ・マオの女活殺拳』が来春までには発売できそうです。で、私もうちの資料をごそごそしてなんとか協力体制をとろうと考えておりますが、メーカー名はまだふせておきます。(まだ社内調整中のようなので)
他の作品は『電撃ストーナー』『カラテ愚連隊』『いれずみドラゴン』『冷面虎』『海員七号』『鬼怒川』『テッコンドーが炸裂する時』など、15本ほどになりそうです。お楽しみに。

東京国際映画祭

2006-09-20 14:36:30 | Weblog
昨日、東京国際映画祭の一部作品の発表があり、コンペ部門にブログで紹介していた『狗咬狗』が『ドッグ・バイト・ドッグ』の題名で出品されます。かなりバイオレンスな映画ですよ~と前々からお伝えいたしましたが、香港ではそのバイオレンスさに成人指定となり、エディソン・チャンがかなりの汚れ役を演じているので、女性ファンはびっくりするかもしれません。
今の段階では、アジアの風は正式に作品発表していませんが、なんかいろいろあるようです。ただ、最近は映画祭で上映してしまうと、ファンが皆そこで見て満足してしまうという状況になってしまい、それで終わってしまう可能性が高いので、その後の公開等が決定した場合は応援してほしいと思います。これは関係者として切に思うことです。東京国際映画祭ホームページ

ちなみに大阪でも、大阪アジアン映画祭というのが開催されますが、そこでは『玉観音』が出品されるようです。こちらは東京国際映画祭の直後に開催ですので、アジア映画ファンは、東京・大阪と忙しい1ヶ月になりそうです。大阪アジアン映画祭ホームページ

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその1

2006-09-19 21:55:28 | Weblog
1987年11月。国際部から観といてくれと言われ、何も資料も渡されずに松竹の試写室に入りました。もちろん日本語字幕はなく、香港と同じ英語と中国語のサブタイトルのフイルムです。
映画が始まり、びっくりしました。まず、女幽霊の女優の美しいこと。そして相手役が『男たちの挽歌』に出ていたレスリー・チェンでした。あとわかった俳優は、ジャッキー・チェン作品でおなじみのウー・マくらいです。ワイヤーワークを使ったアクション、女幽霊の美しさ、そしてあっと驚く演出等々、こんな香港映画、初めて見たわけです。幽霊といえばキョンシーしか思わなかった私にとって、この作品はまさにカルチャーショック。映画を見終わると一緒に見ていた宣伝課長と顔を見合わせ、「これは面白かった~」と意見が一致したのでした。
香港ノワールで新たな香港映画の面白さを感じていた私は、この映画をなんとか会社で買ってもらうべく、アピールし始めました。『倩女幽魂』、この映画との出会いが香港映画、いや自分の人生を賭けた作品になるとは、この時点では思っていませんでした。しかし、この映画に対してのアピールは半端ではなく、国際部の部長だった世良田さん(実は香港映画ファンでもおなじみの世良田のりこさんのお父さんです)にアピールしたのでした。しかしその段階では、香港からのオファー金額が、当時では1億円近い金額で、とてもじゃないけど買えないとのことでした。そしてこの作品は、日本ヘラルド、東宝東和、ジョイパックといった当時のインディペンデント配給会社全てが選定試写を行っていたのですが、値段が見合わず皆お断りしていたのでした。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー序章

2006-09-18 16:41:13 | Weblog
1986年11月のある日こと。会社に出社すると、毎日の日課である新聞各紙の記事チェックを行うのですが、スポーツニッポンに芸能面を読んでいたら、ある記事を見つけました。「香港ノワール日本上陸」。その記事には、香港で今年大ヒットを記録している日活アクションのような映画が日本で公開されるという記事でした。「香港の小林旭といわれるチョウ・ユンファ~」などなど、写真入りで紹介されているその記事に心が奪われました。それは私自身、日活アクションが大好きで、石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎と、彼らの作品は子供の頃から慣れ親しみ、大学時代には、文芸座のオールナイトや六本木の俳優座劇場で行われた日活映画の連続上映にはほぼ毎日通うほどのファンだったからです。『男たちの挽歌』と付けられたその題名に興味が強くなるばかりでした。
それから1ヶ月経った12月のある日、国際部の映画の買い付け担当の梅原さんから1本のビデオを渡されました。「これ、うちにも話きてたんだけど、見るか?」そのビデオのラベルの題名は「英雄本色」と手書きで書かれていました。「あれっ、この題名どこかで見たような」その日、家に帰ると、さっそくそのビデオを見たのでした。「あ、あの記事の作品だ。」そう、1ヶ月前にチェックを入れていたあの作品だったのです。普段は字幕が入っていないビデオを見る時は早回ししたりして見ていたのですが、この作品は食い入るように見ました。この段階では出ている俳優陣などまったく知りません。唯一知っていたのは、エミリー・チュウのみ。でも映画を見るまで彼女が出演していることなどまったく知りません。しかしその内容はといえば、料理店での殺害シーンや、屋上での壮絶なリンチ、男の友情や兄弟愛と、はずかしくなるくらいかっこいい!そしてクライマックスの派手な銃撃、爆発のオンパレード。見終わった後は興奮しっぱなしで、香港映画にこんな凄い作品があるんだ、と思ったのでした。
翌日、さっそく梅原さんにビデオを返しに行き、「なんでこれ買わなかったんですか?」と毒付いたのでした。その頃からでした。なにやらいろんな香港映画が国際部にいろいろ持ち込まれていて、87年に入ってからは試写室で買い付け選定試写があり、時々宣伝部にも見ておいてくれと言われていたのでした。その中には『男達の挽歌』に出演しているチョウ・ユンファの『英雄好漢』(のちに大映が『愛と復讐の挽歌』で公開)や、早見優主演の『用愛促伊人』(その後『恋のカウントダウン』で公開)など、またアラン・タムとエリック・ツァンが設立したA&Eのプロモーションリールとかも見せられたりしました。
しかし松竹富士では、これら香港映画には目もくれず、『コットンクラブ』や『アマデウス』といったハリウッド大作や邦画製作に力を入れていました。「うちでは香港映画はやらないんだなあ。」と私は思っていました。時が過ぎ、ある日、1本の香港映画を選定試写で見ることになったのでした。