古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ピエーロ師

2010-05-13 09:56:47 | ルネッサンス・バロック音楽
昨日合わせたリコーダー3本の曲Con Dolce Brama((甘き望みを持ちて)
に興味を惹かれたので古い本を取り出してきて少し調べてみた。
14C・ Caccia  と書いてあったのでCaccia は作曲家の名前
と早とちりしたら、そうではなかった。
「初期音楽の宝庫」によると
・・14世紀イタリアの作曲家に好まれた3つの世俗形式の一つで
他の2つは 「バッラータ」と「マドリガーレ」である。カッチャは
音楽的見地からも文学的見地からもこの時代のもっとも興味のある
作曲形式であるが、、、カッチャはわずか20曲しか残存していない。
「カッチャ」の歌詞の主題は狩りの情景であり、、特別な音楽構造を
持っており、厳格なカノンをなす2つの上声部に対し、長い音価の独立
したテナーから成っている・・

確かに上の2声はカノンになっていて、低音部は和声的な支えだけ
の長い音符になっている。

この曲の作曲家はマギステル・ピエーロ(ピエーロ師)ということも
判明。詳しいことは分からないが、ミラノのヴィコンティの宮廷で
活躍したらしい。
「イタリア音楽史」によれば作品はわずか9作が残るのみのようだ。
でも考えようによってはよく残っていたものだと思う。

ルネッサンスよりもさらに前の時代の曲は単純な中にも音楽への素朴な
希求のようなものを感じる。ちょっと雲をつかむようだけどこの辺まで
遡るのも面白そうだ。
コメント
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