古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

メロン&アンサンブル・バルカローレ

2012-02-27 22:30:00 | ルネッサンス・バロック音楽
朝の6時台「古楽の楽しみ」や「クラシック倶楽部」を聴いていた
のが日常であったのも もう過去のこと。あの頃は贅沢な時間とは
これっぽっちも思っていなかったのだが・・・。

今朝の「クラシック倶楽部」は超有名なバロックソプラノ歌手
アニュエス・メロン女史のコンサートの録画だったので母には
朝食を遅らせてもらい必死に聴いたのだが・・(尤も日課のテレビ体操の
時間はチェンネル替えいつも通りに母と2人で体操をしたので(笑)
10分の空白があり、モンテヴェルディ、フレスコバルディは聴けず)

昨年12月「メロンが仙台に来る!信じられない」と期待していた人が
仙台には沢山いらした。東日本大震災のチャりティコンサートだった。
ところが聴きに行った友人の一人が予想に反し
「・・・○△◇×!」と言っていたのでどういうことかなと思っていた。
仙台では弟子というソプラノ歌手も出演されたそうなのでプログラムも
違ったのだろう。

さて最初のパーセルの歌でこれ英語?と気になってしまい、表情の豊かさ
にも目を奪われ、なんだかよくわからないうちにダウランドの歌曲
になった。この種のリュートソングやパーセルは我が国にも素晴らしい歌手
がいてかなりいい演奏を聴いているのでやはり物足りなかった。より
ドラマチックなイタリア歌曲はイギリス歌曲に比べ合っているような気がしたが、
美しい声を聴きたいという望みはかなえられなかった。年のせいにするのは
嫌なのだが声に潤いが欠けるのはやはり年のせい?それともそういう声なのかしら?
そういえば番組の冒頭でメロン女史が「バロック音楽の時代には歌い手ではなく、
歌を歌える役者が求められました。」とのコメントがあったのだった。
最後のマリーニの「恋をした老女」などは役者的要素も強く、盛り上がったようだったが。

率いるアンサンブル・バルカローレのメンバーのソロもあったが、チェンバロソロの
「落ち葉」はこんなに崩してロマンチックに弾いていいのかと思って
しまったし、他のソロ曲(チェロ、テオルボ)も特に熱くなるような魅力を
感じられなく・・というわけでいささか興ざめ。やはり私も「○△◇×!」。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また上野へ  

2012-02-26 20:22:26 | 展覧会
昨日はまた上野へ。
上野公園は雨模様なのにかなりの人出だった。上野の森美術館で
知り合いの染織家の作品を観て、ついでに美術館付近を散策。
ここが寛永寺だっけ??と思ったところは本堂ではなく清水観音堂という建物だった。
なるほど小規模ながら清水の舞台があった。それにしても寛永寺の境内は
随分と広かったのだ。
観音堂近くに紅梅の樹があったがまだ一分咲き。雨にぬれて綺麗だった。


身体が冷え切ってしまったので文化会館へ。チケット窓口で3~4月上野公園内で
行われる「東京・春・音楽祭」の古楽系コンサート(西洋美術館でチェンバロと
都美術館でバロックヴァイオリン)のコンサートチケットをゲット。もう売り切れ
ているかと思っていたので良かった。これでまた近いうちに上野へ。

向かいの西洋美術館へかねてから気になっていた「スターバト・マーテル」と


オランダの静物画を観に行ったら丁度無料観覧日(第2第4土曜日)にあたった、ラッキー。
へ―ラルト・ダウとコリールのヴァニタス画に対面。18世紀以降の絵は又の機会に。




この後、友人のお母様の先生の個展の「人形展」を観に今度は日本橋三越へ。
母が地震が心配なので地下鉄には乗らないで、と言っていたのだが、
そうもいかず、地下鉄で「三越前」へ。
店員も黒いスーツの制服でさすが老舗の貫禄。美術工芸品売り場で
目の保養をして帰途へ。門限には十分に間に合った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「さわり」

2012-02-23 14:00:40 | 本・雑誌
武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」の初演で琵琶を弾いた、鶴田錦史
の一代記。題名の「さわり」は三味線や琵琶演奏の際、駒にかけていない
弦が自ら振動して出る、いわば「うなり」のような響きで、普通使われる
肝心な見せ所、聞かせどころという意味ではない。

多分日本初演かどうか定かでないのだが、かつて上野の文化会館の最上席
(天井に近いという意味)で「ノヴェンバー・ステップス」を聴いたことが
あった。小澤征爾も若くエネルギーに満ち満ちていた・・・。今の姿は
あまりにも痛々しく音楽の持つエネルギーに辛うじて支えられているか
にみえる。

尺八は伯父が吹くのを聴いたことがあったが琵琶の音はその時、生では初めて
聴き、ずいぶん力強い音が出るものだと思った。琵琶の演奏者がロイドメガネを
かけた男装の婦人(麗人ではなく)であるのも何やら謎めいていた。

あれから40年(笑)、地味なイメージだった邦楽のうち今や尺八や三味線の
若手奏者には伝統にとどまらずに活躍する人が増えた。私もリコーダーを
吹くようになってから尺八が身近に感じられるようになったが、琵琶となると
相変わら遠くに感じる。

琵琶はよくリュートの楽器説明の時にルートはいずれもアラビアのウードであり
云々で必ずといっていいほど名前は出てくるのだが、演奏となると平家物語
の伴奏という固定したイメージしか持てないでいる。リュートの方が私にとっては
ずっと親しみがある。
鶴田錦史が若いころは今と違って琵琶人気があり愛好者もも多かったようで、母の
世代などは琵琶の音になじんでいたようだ。

私が興味を持ったのは侠客の親分みたいな感じの鶴田と武満徹との出合いと
一時琵琶の世界から遠ざかり、実業家(水商売の)として財をなしたらしいこと。

著者は特に音楽の畑に詳しくなさそうだが、時間をかけて取材し、波乱万丈の
私生活にも踏み込んで、読み応えのある労作になっている。それにしても
「ノヴェンバ―・ステップス」の演奏回数も数百回というから、驚く。
尺八の横山勝也も亡き今、これからもずっと続けて演奏されるのだろうが
お2人の強烈な印象があるだけになかなか難しいものがあるのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また横浜へ

2012-02-20 19:10:35 | その他
昼間7-8時間の外出OKになったので行きたいと思う所にも
行けるようになり、まずはめでたい。
昨日は友人が横笛の発表会に出るというので応援に行って来た。
横笛といってもフラウト・トラヴェルソではなく日本の笛、篠笛。
ちゃんと聴いたことがないので楽しみだった。

会場は横浜能楽堂という。先週行った横浜にまたも行くことになり、
今回は東京駅から京浜東北線にし桜木町まで行った。地図で調べると
神奈川県立音楽堂の近くだった。
友人の出番は3時前後というので2時過ぎに会場に入った。能舞台を
観るのも久しぶりで、「和」の心が蘇ってくる。
舞台には和服姿のご婦人がきちっと正座して一人横笛を吹いておられた。

出演者の皆さんは和服で舞台に正座、ここ10数年長く正座などしてない私は
吹き終わって立つときにこける人はいないかなと余計な心配をしてしまった。

無伴奏ソロ、無伴奏デュオ、三味線付、尺八とのデュオなどいろいろの
編成があり、鯉沼廣行作曲の曲が多かった。(この方のリコーダーの教則本
を持っているが、リコーダー奏者から横笛奏者に転向されたとか)

横笛のことはまったくわからないが初心者の方に見られた息が漏れて
音にならないのはトラヴェルソと同じだった。バロック音楽を聴きなれて
いると拍感がなく始まりや終りがないような、どこまでも延々と続く
感じに最初は戸惑ったがだんだん慣れてきて、会場の暖かさも相まって
心地よさにすっかりリラックスして聴けた。プロの演奏はさすがに素晴らしく
こういう機会にちょっと敷居が高かった邦楽に触れられて良い経験をした。

開演中に地震もあり、帰宅時間も予定より30分遅れてしまったら、やはり
母が心配して兄に電話をしていた。門限厳守しないと・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本「スターバト・マーテル」

2012-02-16 22:37:00 | 本・雑誌
大島真寿美さんの「ピエタ」については昨年拙ブログに書いたが、
http://blog.goo.ne.jp/euterpeparnassus/e/00411cbb0852929cd9a53ddc205bb852
今年の本屋大賞にノミネートされている。ということはヴェネチアのピエタ慈善院
(養育院)の存在も広く知れ渡ったことだろう。

イタリア人の作家のヴィヴァルデイを扱った、「スターバト・マーテル」の
翻訳本がでるのを期待しないで待っていたのだが、既に昨年秋に出版されて
いたのを最近知った。しかもアマゾンの中古でも売りに出されていたので即決。
新品に近いものが届いた。

「ピエタ養育院」で育ち、ヴァイオリンの才能のある、17歳の少女チェチリアが
養育院での閉ざされた生活の中で絶望しながら自分を深く見つめ、考えたことを
自分を捨てた母親に宛てて決して投かんされることのない手紙を綴る。

ヴィヴァルディがなかなか登場せず、前任者のジョルジュ神父がはやくいなく
ならないかな・・と願いながら読んで行ったらようやく半ばを過ぎてから大物は
登場し、長い冬が終わって春が来たようにテンポアップし気分もアレグロに。

「あとがき」によれば著者が生まれたのはかつてピエタ養育院のあった産院
であり、ヴィヴァルデイも大好きということから養育院とヴィヴァルデイを
扱った小説の構想を温めていたという。題名になっている「スターバト・マーテル」
は曲としては出て来ない。

印象的な描写がいたるところにあるが、

「わたしのヴァイオリンには殺された森(共鳴胴)と潰された動物(羊腸弦)との
声があるのです。わたしたちは自然の葬送を奏で、その亡骸を腕に乗せるのです」
などは優雅なヴァイオリンのイメージが忽ち一変してしまう。

ヴィヴァルディがかの名曲「四季」を作曲するにあたり、チェチリアのアイデアを
真似たということにし、
「四季なんて!春夏秋冬を楽器で猿真似しただけ。仮面をかぶった音楽。なんて
恥ずかしい。」と言わせているところなどはユーモラス。

著者いわく、「バッハに向けられる物々しいまでの敬意の、ほんのひとカケラでも
抱いて演奏すれば、ヴィヴァルデイはその可能性を広げてみせるのだ。」
といって著者推奨の厳選されたディスクが紹介されているおまけもある。
コンチェルト・イタリア―ノの演奏を聴かねば、、、。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横浜のコンサートへ

2012-02-12 23:14:30 | クラシック音楽

横浜のイギリス館での古楽のコンサートに行って来た。
早めに家を出て渋谷から東横線に乗ったら35分で元町中華街に着いた。
こんなに速く行けるのだったらあまり億劫にならずに横浜でのコンサート
にも行けそうだ。

さて横浜は何年ぶりだろうか?横浜美術館にダ.ビンチの「白テンを
抱く貴婦人」を観に行った時以来のような気がする。あの時は観終わって
足早に夜遅く仙台に帰ったのだった。

今日は快晴で暖かく「海の見える丘公園」からの眺めも壮大だった。
せっかくだから西洋館めぐりもしようと思ったが、時間も限られている
のでコンサート前の2時間ほどを歩き回った。

まずコンサートの会場へ下見をかねイギリス館に。リハーサルの音が
聴こえてきて気分が盛り上がった。



山手111番館ではやめの アフタヌーンティ。スコーンがイマイチ。



イギリスに来たような錯覚におそわれる石造りの教会、山手聖公会。



近くにはレトロな公衆電話があり目をひいた。「自働電話」とある。


まだ時間があったので
岩崎ミュジアムでガレのガラスコレクションや西洋衣装の変遷の展示を観る。
左の2つはルネッサンス時代、右の2つはバロック時代の衣装。


さてイギリス館に戻り、クラシカルチェロ=エマヌエル・ジラール
            フォルテピアノ=渡邊順生
両氏の演奏でベートーヴェンのチェロソナタ3曲(2,5,3番)
                +アンコール(1番の2楽章)
を聴いた。チェロは1750年製、フォルテピアノ(ホフマン)も18世紀、の
オリジナルということだった。チェロは実にのびやかで楽器が良く鳴っていたし
弓使いが巧みなのか音の表情も豊かだった。

フォルテピアノは弱音は綺麗だったが強打すると音が割れるような感じだし、
残響がなくぺシャッとした音なので沢山聴くうちに頭が疲れてしまい、
楽器の限界を感じてしまった。もう少し後の時代のピアノの方がいいのでは
と思ってしまった。ともあれお二人の時として火花散らすデュオは聴きごたえ
があり、アンコールにまたベートーヴェンだったのでベートーヴェン尽くしで
あった。久しぶりにバロック演奏にはない激しい演奏を聴いて頭に血が上って
いくのがわかった。コンサート後はまっしぐらに家路に。門限の6時には
十分間に合った。







コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブリジストン美術館

2012-02-09 21:14:42 | 展覧会
フェルメールセンターを後にし、銀座通りを京橋方向に脇目もふらず、ひたすら歩き、
ブリジストン美術館に到着。
丁度お昼時であったので『腹が空いては鑑賞できず』と美術館併設のカフェで
優雅に軽食。綺麗につくられたサンドイッチだったが、ままごとみたいな量で
(高齢者向きか)思わずじっと皿をみつめてしまった。でも味は良く、
珈琲もたっぷりとポットで出てきたので満足。


1月7日から始まった、「パリへ渡った『石橋コレクション』一九六二年、春」
1962年というのはブリジストン美術館開館10年にあたるそうなので
今年は開館60周年ということになる。西洋美術館より古いのだ。よく収蔵先
ーブリジストン美術館蔵ーという印象派などの絵をみかけるが日本人が特に
好きといわれるこれらの絵を身近に感じているのは石橋コレクションのおかげも
あるかもしれない。
昔好きだったいくつかの絵にも対面できた。




前年1961年には東京国立博物館で「フランス美術展」がかつてない規模で
開催され、中学生だった私は(年バレバレ)友人をそそのかし学校を休んで
3人で観に行って先生に叱られたのだった。(親の反応は覚えてない・・)
自分から是非行きたいと思った初めての美術展だったので思い出もひとしお。

かねてから関心は示していたフランス側がこの「フランス美術展」の後、
石橋コレクションの里帰り展実現の運びとなったようだ。パリ国立近代美術館での
展覧会では50点ほどの絵が展示され、大分話題になったらしい。
ただ解説本によると、出品された絵の汚れが酷く、約半数が絵画修復家に
よって会期中洗浄修復が行われたとのことだ。(ニスをはがし修復しまたニスを
塗るという作業)それまでは絵画を洗浄するという習慣がなかったとか。
その後西洋美術館や大原美術館でもわざわざ洗浄を依頼したとか。いまは
きっと日本の洗浄修復技術も素晴らしいのだろうけど。


会場では記録映画「石橋コレクション パリ」の10分ほどの上映もあり、
展覧会の準備や様子など昔のニュース映画をみているような感じだった。
出て来た人は皆故人なのだろうなぁ、と私も随分古い人になってしまったと
思ったのだった。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェルメール一挙37作品!

2012-02-08 23:58:22 | 展覧会
何かと話題になるフェルメール、只今開催中「フェルメール光の王国展」が
気になり、銀座まで行って観て来た。勿論すべて精巧な複製によるもの。
http://www.vermeer-center-ginza.com/

会場には作品が製作順に並べられ、サイズも原寸どおり額縁もそっくり。
複製技術も随分すすんだとみえ、小さな作品では実物と見まがう位。
全世界に散らばった37点を一度にみることは絶対に不可能なので
(一点はまだ盗まれたままだが)全作品が一堂に会してフェルメールもびっくり
というところだろう。実物大だし高い画集をみるよりずっといい。

会場に煩いBGMが流れていたので音声ガイドを借りてしまった。500円也。
ところがガイドは半分の作品分しかないので(一日交替で入れ替わるそう)
聴きたかった「合奏」「真珠の首飾りの女」「絵画芸術」「水差しを持つ女」の
解説がなかった!
聴きたければ奇数日にまた来てくださいということだが、まさかまた1500円も
払いたくないし、、。

いままで実物をみたのにサイズがもっとずっと大きいと勝手に思っていたのが
「天秤を持つ女」「地理学者」だった。特別コーナーには「地理学者」と「天文学者」
のモデルらしいといわれている、顕微鏡の研究で知られるレーフェンフックの
肖像画もあったが、最近出版された「フェルメールとスピノザ」という本では
[天文学者]モデルはスピノザとしているらしい。人相的にはスピノザの方が似ている
ようだが。いずれもフェルメールと同い年(1632年生まれ)ということだ。

また違うコーナーでは今Bunkamuraで観られる「手紙を書く女と召使」の絵の
部屋が設えてあり、写真OKだった。でもちょっと安っぽかったのでそれなら
ついでによく観光地にある顔だけ入れる人型(女主人と召使用)でも置いたら、と。

この展覧会のアイデアは面白かったのだが、会場を出た途端やはり
「何でもいいから本物が観たい!」という気がして、足はブリジストン美術館へ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりに古楽コンサートへ

2012-02-04 22:24:20 | ルネッサンス・バロック音楽
久しぶりの更新になってしまった。

近江楽堂に行って来た。新宿からのバスの本数が少ないので今日は初台から
行ってみようと思い立ち、明大前から新宿行き京王線に乗ったら、初台には
とまらず新宿まで連れて行かれた。笹塚で乗り換えるべきだったらしい。
結局新宿駅で大分待ってバスでオペラシテイへ。開演時間に間があったので
本屋を覗いてから会場に着いたらはやくも満員。人気のほどがうかがえる。

さてコンサートは昨年10月に仙台で震災支援のチャりティコンサートをなさった
前田りり子さんの「フルートの肖像シリーズ・No.7のクープランの時代」。
空白の4ケ月後のコンサート行きが奇しくも同じ演奏家ということになった。
前回は無伴奏だったが今度はガンバ、チェンバロのベテラン演奏家にもうお一人、
新鋭のフルート奏者さんも。

コンサートに先立ち、本番直前にこのところの異常乾燥で大事な楽器が割れ、
応急措置をしたとのお話があり、びっくりした。なんと今年2回目だという。
丁度会場にいらしたお弟子の笛オタクさんがご自分の笛を家に取りに行かれ、
最後の「諸国の人々;フランス人」には見事、間に合ったのだった。

プログラムはチラシにはなかったクープランのクラヴサン第4組曲もあり、
フレンチ一段チェンバロ(野神氏製作)の切れのいい音を聴くことができた。

私としては仙台のコンサートでも聴いた超人的な自由無碍なる「恋の夜啼き鶯」と
モンテクレールのコンセールハ短調を生で聴くことが出来て感激だった。
ファキシミリのコピー楽譜を持っていたのであらかじめちょっと目を通してみて
おいた。どの曲もなかなか捨てがたいが、圧巻は「Plainte」だろうか。
チェンバロの通低も腕の見せ所一杯だったし、ソロ的ガンバもカッコ良かった。
曲の間のトークも通り一遍ではなく面白くて久しぶりにとても充実したひと時を
過ごすことが出来た。

こういうプロのアンサンブルを聴くと実力不足ながら私もまたアンサンブルを
楽しみたい!とあらためて思うのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする