古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

G・サンマルティーニ

2018-08-26 22:51:00 | ルネッサンス・バロック音楽

サンマルティーニ兄弟共に作曲家。両方とも名前がG(GiuseppeとGiovanni)

なのでどちらか混乱する。おまけに2人共にミラノ生まれでロンドンへ移住。

兄が1695年生まれのジュゼッペでオーボエ奏者としても有名、

弟が1700年生まれのジョバンニでオルガニスト、交響曲をたくさん作曲。 

ネット上の肖像画は一つしかなく兄弟共通になっていて可笑しい。

リコーダーの曲をまだ全然知らない時にサンマルティーニのリコーダー

コンチェルトは好きでLpをよく聴いていた。リコーダーを初めてすぐの頃

友人とトリオソナタをたどたどしく合わせていたのでサンマルティーニと

聞くと懐かしさがこみあげてくる。

 先日ジュゼッペ・サンマルティーニの「6つのデュエット」を聴いた。

演奏は田中せい子、ダニエレ・ブラジェッティ氏

もともとはトラヴェルソ曲 を短三度あげし、アルトリコーダー2本で吹かれた。

そのため6曲のうちの2曲は変ホ長調、ヘ短調という難しい調になっていたが、

トリオソナタより難易度が高そうだが少しは吹ける曲がありそうだった。

作品1ということだが後期に作曲されたと思われる、ということで確かに

全古典派様式を先取りした感じの曲もあった。1曲1曲変化に富んでいて

2本の笛が織り成す響きの美しさに しばしうっとりする時間だった。

会場を一歩でると猛烈な暑さ。池袋にいくと必ず寄る「宮城ふるさとプラザ」

で涼みがてら少し買い物もできて、満足。

 

 

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森の中の教会で

2018-08-19 22:57:20 | ルネッサンス・バロック音楽

ここ2-3日一気に初秋のような空気に変わった。季節が前倒ししたのか

また夏の暑さがぶり返すのかわからない。長年居た仙台ではお盆を過ぎると

もう秋の気配だったことを思い出す。虫の声も一段と大きくなってきた。

 

絶好の行楽日和になった昨日は友人と八ヶ岳高原までコンサートを聴きに行ってきた。

久しぶりに中央線の「あずさ」に乗り、茅野で下車。レンタカーを借り友人の

運転で八ヶ岳高原へ。途中産直市によってあまり見かけない地元野菜や果物など

眺めてミルク味の強いソフトクリームをなめてすっかり観光客の気分に。

パイプオルガンコンサート(奏者:中川岳さん)の開かれる教会は森の中に

ひっそりと佇んでいた。

教会の信者の方が多いようだったが満員のなか、プログラムはバッハ以前の曲

で構成されていた。スペインのカレイラから始まった。パイプに流れる風の音が

直に伝わって来るようだった。素朴なカベソンに続き、イタリアのメールロ2曲に

なると華麗な技巧も加わりより複雑になってくる。ドイツのフローベルガー

の「聖体献挙のためのトッカータ6番」は非常に難解な曲と思われるが、

オルガンで弾くフローベルガーの魅力を存分に感じさせられた。最後のコーナーは

スウェーリンク、シャイデマン、ブクステフーデの名曲が並び、バッハに至る道の

要所要所を押さえる大変良いプログラムだった。チェンバロ奏者は是非オルガンも

弾くべき(その反対も然り)との思いを強くしたのだった。

オルガンは信者の方が作られたそうで、教会のサイズに合った、またバロックの

レパートリーにもあった楽器だった。コンサートを聴きに遠出とは酔狂かとも

思ったが、森の教会も素敵だったし、行ってよかったと思うコンサートだった。

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亡命したバロック作曲家

2018-08-07 20:56:00 | ルネッサンス・バロック音楽

暑さが一段落し、返却期限の迫っている本を返しに最寄りの図書館へ。

いつも図書館のホームページで本を予約するのだが、たまには本棚をみてみようと

音楽の棚に行ったら、【「亡命」の音楽誌 】という題名が目に留まった。

表紙は今年のラ・フォル・ジュルネのポスターでよくみたものだった。

ディレクターのルネ・マルタン氏の 日本語版に寄せて という文章も載せてある。

さて「亡命」作曲家というとショパンやロシア、ユダヤ人の音楽家のことが浮かぶが、

バロック時代の作曲家も最初の20ページ弱ではあるが、リュリ、ヘンデル

スカルラッティになんとツィポ-リまで、が取り上げられていたので興味が湧き、

取り合えず借りた。

「亡命」という言葉はバロック作曲家にはどうもしっくりこない気はするが、

「故郷喪失者が幸せだった時代」という章に、この4人は自らの選択、

半ば強制という違いはあるにせよ、異国でキャリアを築き、花開いた音楽家達で

のちの時代の「亡命」による音楽家たちの故郷への思い断ちがたくという感情は

見当たらないとしている。当時の人がどのくらい愛国心のようなものをもって

いたかは知る由もない。

ツィポ-リは3人に比べらたら大分マイナーであるが、チェンバロ組曲(1716年)は昔

発表会でも弾いたことがあり、小規模ながら良い曲だ。オルガン曲も少しはある。

リュリはイタリア→フランス、ヘンデルはドイツ→イギリス、D.スカルラッティは

イタリア→スペイン、ポルトガルであるが ツィポ-リはイタリア→アルゼンチン

なので異彩を放っている。

ドメ二コ・ツィポ-リは1688年プラ―ト生まれ(ゲントのレイエやファッシュと同い年)

イエズス会のオルガニストで宣教師としてパラグアイにわたり、アルゼンチンのコルドバ

で神学、哲学を修めるが感染症で38才の生涯を閉じる。故郷を離れて新天地でこれから、

というときにさぞや無念であったろうと思う。

チェンバロ&オルガン曲が出版されたのははイタリア在住中だが、南米に行ってからも

作曲を続け、宗教曲も発見されているという。この本によれば南米の原住民たちが

ツィポ-リはじめ18世紀の他の作曲家もミサ曲を今日まで歌い続けているという。

南米出身の古楽奏者も増えてきたことだし、これからまだ未知の曲が発見されるかもしれない。

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炎暑に負けず

2018-08-06 20:06:00 | その他

危険な温度と言われる、このところの高温、朝の涼しい時に水やり

するが6時にはもう30度に近くなっている。この暑さに負けじ、

と咲いているのが瑠璃茉莉(ルリマツリ)。清々しい淡い青の花。

昨年一鉢買ったのが、今年は少し増えて来て嬉しい。半つる性なので

どう蔓延らしたらよいかいいアイデアはないかと模索中。

隣とのフェンスに絡ませるのが一番簡単だが、花や葉がお隣に散って

しまってまずいし・・・。

暑い中3日間続いたコンサート通いも終わり、あと8月は2回のみ。

8月3日 「甘き歌声、天使の響き」 歌、リコーダー、チェロ、チェンバロ

8月4日 「対話する音楽」  リュートとクインテルナのソロ、デユオ

8月5日 「あなたの知らない 古楽Xヴィオラの世界」 ヴィオラ、チェロ、チェンバロ

皆それぞれ特色があって楽しめた。リコーダーと歌との相性がよいことを再認識し、

撥弦楽器2つの親密な語り合いを客席15名の素敵な空間で聴き、

題名通りの未知のヴィオラ曲をたくさん息のあったアンサンブルで聴けた。

そして今日はまたオルガン練習へ。所沢ミューズの大ホール、夏休みは連日、

埼玉県下の学校の吹奏楽コンクールがあり、賑わっている。今年12月から

再来年春まで所沢ミューズは全館休館するので、オルガン練習場を他で探さなければ

ならなくなる。オルガンクラスは休館分だけ在籍するのが延期されるので

修了するのはまだまだ先。得をしたと思い、なかなか上達しないが、2年半先は

すこしはましに弾けるようになっていることを願いつつ、暑さの中、通う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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