古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ルイス・マーシー のリコーダーソナタ

2010-05-06 08:17:46 | ルネッサンス・バロック音楽
昨年夏、リコーダー音楽祭売店で買った、全音リコーダー
ピース166のルイス・マーシーのソナタ(09年8月5日拙ブログ)
マーシーは12曲もリコーダーのためのソナタを作曲している。
リコーダー・ピースで出ているくらいだからこの作品2-4は
よく知られているのだろうけれど、他の作品がなかなか見つからない。
貴重なリコーダーレパートリーなのではないか・・。

CDは出ていたので昨秋注文した。何回か遅延の知らせが来て
駄目かと思っていたが、ついに来たのだった。こちらは作品1の
6曲。作品2のCDは出てないようだ。6曲のソナタの冒頭に
一曲ずつ他の同時代作曲家のリコーダー用プレリュードをいれてある。
ペープッシュ、ボノンチーニ、ロナーティ(Lonati)、エックレス、
アルビノー二、ヴィスコンティが調性にあわせて(エックレスだけは
一度あげ)選ばれている。これが絶妙な間でマーシーのソナタへ
すうっと入っていく。なかなかニクイ演出。
通低がファゴットとチェンバロになっており、多いタスト・ソロの
部分ではファゴットがドローンのように唸り、なかなか面白い。

さてCDの解説は楽譜の解説と出どころは同じくロンドンで1776年
出版された「A General History of the Science and Practice of Music」
という本からの引用が多い。マーシーはリコーダー奏者として当代
随一の腕前だったようだ。でもリコーダー奏者としては年£40の
収入でこれは平均的だったという。同じころヘンデルが「ロイヤル
アカデミー・オブ・ミュージック」音楽監督として年£1000で
雇われていたことを考えるとかなりの格差。作品も12のリコーダー曲
に6曲のトラヴェルソ、6曲のファゴットソナタだけの寡作ということ
になっているが、どこかに埋もれている可能性も無きにしも非ずかも
しれない。
全音リコーダーピースで早くも1981年に取り上げたというのは
なかなか先見の明あり。裏表紙に作品カタログの難易度というのが
あり、このソナタはランクCとなっている。
難易度の最高ランクEが「専門家」となっていたのでどんな曲がランク
されているのかなと思ってみると、邦人作曲家ばかり。一般にこういう
ランク付けにはいつもそうかな・・??と思ってしまう私。
ま、単なる目安でしょう。
他にもバロックでも吹いたことのない作曲家もいる。
ルイ・ド・ケ=デルヴロワのソナタはリコーダー専用ではなさそうだけど
ちょっと興味がある。同じくランクC ・・。
コメント
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