古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ドルネルのサラバンド

2010-11-27 08:15:12 | ルネッサンス・バロック音楽
一昨日聴いたドルネルのクラヴサン曲集第5組曲は抜粋だったので、
持っている同じCDで残りの曲も聴いてみた。楽譜もファキシミリと現代譜が
あるのは心強い。なにか疑問のある時に照らしあわせチェック出来るからだ。
ファキシミリにも間違いや記号の付け忘れなどかなりある。

サラバンドに来て「あっ!」と思った。そうだ、以前CDを聴いた時も「あれ?」と
思ったのだったが忘れていた。第5組曲のサラバンド「嘆き」とリコーダー第3組曲の
サラバンド「カロン」とは同じ曲なのだ。このCDではヴォイスフルート演奏で
解説にはちゃんとこの録音では2つのヴァージョンが聴けますよ、と書いてあった。

実はこの曲、数年前のリコーダー発表会で吹いた思い入れの強い曲。楽譜には
書き込みが沢山。懐かしい・・。ヴォイスフルートはホ短調でより落ち着いた
感じでいいのだが、バロックオーボエの演奏に更に低い二短調があってこちらは
392Hzなのでさらにまた趣がある。晩秋に聴くと沁みる・・。

ともかくこの美しい曲をリコーダーとチェンバロの両方で弾けるのは嬉しい。
デュパール組曲にはれっきとした鍵盤楽器用もあるが、ドルネルの他の
鍵盤曲も旋律をリコーダーで吹いてみるのも楽しいかなと思う。
この鍵盤版「サラバンド」はファキシミリ譜にありがちなアルト記号が少なく
助かる。依然としてアルト記号になると頭が真っ白になる私・・。

このCDはドルネルのいいとこどりのような曲が沢山入っている。
「La Forcroy」と題された、ソナタの4番はかのForqueray のことらしい
のだが、他の作曲家の「フォルクレ」が概して濃い、激しい曲なのに比べ、
この曲はそれほどでもない。
そして締めくくりの曲はロ短調のトリオソナタで、これは昨年の古楽茶論5周年
記念コンサートで吹いた、思い出の曲だ。ちょっと悔いが残るので、
また合わせてみたいものだ。





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忍び寄る老い

2010-11-26 09:21:43 | その他
庭の落ち葉を集めるのに熊手があるといいと思いながら
狭い庭だし、一年に数回しか使わないと思うと買う気がしない。
実家には熊手があったので、使ってみたらなるほど便利なものだ。
あっという間に大量の落ち葉が掻き集められた。

葉の落ちたサンザシに実がひとつしがみついていた。
花梨とキュウイを取らねばならないのだが、梯子を出すのがちょっと億劫。
晩秋の庭と同様、私の頭も一気に寂しくなった。
ここ一年で急激に髪が薄くなり、目がぼやけてきて
釣瓶落とし..]のような老い街道まっしぐらという感じだ。

髪は昔は美容師泣かせのボリュームとくせ毛だったのに・・。
しわやしみはあってもいいのだが、髪はやはり困るな・・。
シャンプーや養毛剤にも関心がいくようになった。養毛剤は高いので
効かなくて損したくないし・・・。
女性用かつらのコマーシャルが多いはずだ。あのコマーシャルを
みていると、薄いのを人から見られるのが嫌だ、恥ずかしいというのが多い。
皆恥ずかしがらずに薄い頭で平気と言う人が増えるといいのにと思う。
白髪を染めるのだって不自然だ。張りのない顔とのバランスもあるのに。

先日、目の方は思い切って眼科を訪ねた。診断は『白内障』で
がっくりしたら、「60過ぎれば普通ですよ、40代からなる人
だっています」といわれた。しばらくは症状の進み具合をみることになった。
また定期健診を受けるものが増えた。老いと仲良くしていくほかない。

先日新聞の訃報欄に知った名前をみて高校時代が蘇った。その方は高校の
先輩でピアノが並はずれて上手く、初見でなんでも弾けるかのようだった。
よく訓練された手は異様に大きく、ゴツゴツしていた。ジャズバンドも組んでいて
文化祭の華だった。その後は芸大に進み、作曲家としても活躍して時々
その「深町純」という名前をみたことがあった。ご冥福を祈ります。







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クラヴサン曲ばかり

2010-11-25 09:00:25 | ルネッサンス・バロック音楽
「バロックの森」昨日は一昨日の疲れか、寝過してしまった。
今日はクラヴサン曲づくし。ドルネルのクラヴサン曲はなかなか聴く
ことがないのでよかったと思ったら、持っているCDの第5組曲からの
2曲だった、残念。ドルネルCDのいい演奏はあまり出てないので
もっと出してほしいと思う作曲家の一人だ。
ドルネルはソロソナタ、トリオソナタ、サンホニー組曲、3本のリコーダー
ソナタにもなかなかいい曲があり、時々ドルネル独特の陰翳の世界に
浸りたくなる。

楽譜サイトImslp ではファキシミリ譜が、WIMAでは現代譜が無料で手に入る。
ファキシミリ譜の表紙は竪琴の絵で太陽王ルイ14世のような人頭が
みられるがこの曲集は1731年出版なのでもうルイ15世の時代。
解説では1720年代は組曲から舞曲が消え、題名入りの性格的小品に
なっていくとのことだったが、ドルネルの組曲には舞曲がまだ健在だ。

ダンドリューのクラヴサン曲は未だ一曲も弾いたことがない。
私のリコーダーレパートリーに比べてチェンバロレパートリーが少ないのは
チェンバロ楽譜は一般に高価なので買えないということもあったのだが、
Imslp にクラヴサン曲集全3巻(現代譜)があった。おまけに『伴奏法原理』まで
載っているのだから驚いた。やる気さえあれば楽譜や資料はふんだんにあるのだ。

今日のいわば話の種的な演奏はロックグループのキーボード&ギター奏者に
よるラモーの「ガボットと変奏」だった。確かに解説のようにどこにも
ロックの影響を感じさせない演奏だったが、78年録音で使われた楽器は
タスカンの復元でおまけに爪に七面鳥の羽を使用した楽器だそうだ。
鷹やカラスなど空飛ぶ獰猛な鳥の羽軸が使われるとばかり思っていたので
ちょっと可笑しい。羽を取った七面鳥は丸焼きにして食べたのかな・・。









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行きも帰りも

2010-11-24 16:26:00 | その他
今回の上京は行きも帰りも休日にあたった。日曜の朝は電車も新幹線も
すいているのでいいのだが、今回は連休なのでいつもより混んでいた。
帰りの新幹線などは満席。行楽帰りの客の土産ものの袋が網棚にぎっしり。
お疲れか皆さん眠りこけているひとばかり。
東北新幹線のはやて&こまちは全席指定席なのだが、あまり浸透して
いないようで、自由席と思って乗る人が今でも結構いる。

行きに仙台駅の売店で佐藤愛子の「老い力」があり、BOOK OFFで買えば
いいのにと耳にささやく声を振りきって衝動買い。
読み始めたら時々吹き出しながら最後まで行ってしまった。
朝のまだ頭が少しは働く時にちょっともったいない時間の過ごし方を
してしまったかもしれないと思いつつ。

もうすぐ米寿という母と年の変わらないこの作家は夫の作った多額の借金を
筆一本で返したというからえらいものだ。エッセイしか読んだことは
ないのだけれど、性根がすわっていて説得力があるし、笑える。
病院の待ち時間に読むのにいいと母に先日プレゼントしたのが
「まだ 生きている」という本。我が老後シリーズの6.この後も
でるのだろうか、、。いくらでも話題が尽きずという感じなのだ。
母は面白かったといって、新しい「老い力」と交換することにした。

年をとるということはどうなることか、私の場合は親が健在なので
親が身をもって示してくれる。親が早く亡くなった人は親がいつまでも
若いはつらつとした姿が目に浮かぶのだろう。あまり長生きだと、
老い衰えた姿ばかりが思い出として残ってしまうのでがないかと思う。
私としても親に悪いような気がする。そういう時は昔の写真でも眺めて
親が一生懸命育ててくれた時のことを感謝する。
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ハリスツィード

2010-11-20 08:41:55 | その他
先日飛行機に乗った時にANAのPR誌「翼の王国」をペラペラ
とめくっていたら、スコットランドのハリスツイードの紀行レポートが
載っていたので懐かしくなって持ち帰って来た。ハリス島の様子は
約35年前に旅行したと時とあまり変わってないように見えた。
黒い顔の羊もここで初めてみた。

最近は昔の旅行をあまり思い返すこともなく、忘却の彼方にいっている。
一緒に行った人の証言を得られないと確信がもてないのだが
そうもいかないので(笑)、数枚の写真が頼り。
ハリス島へはスカイ島から舟で渡ったのは確かなのだが、ハリス島から
ルイス島へはどうやって移動したかどうしても思い出せない。まさか
歩ける距離ではないだろうし・・・。郵便屋さんの車に便乗させて
もらったのはここだっただろうか・・。
ルイス島では巨石群をみて中心地のストロノウエイからはグラスゴーへ
舟で着き、いきなり都会の喧騒に紛れ込んでしまった感じだった。

ハリス島では毛糸を少し買っただけだったが、帰国する前に住んでいた
ブライトンの小さな洋服屋で紳士用替え上着を一つ買った。店の主人は
「孫子の代まで着られますよ、上着をきたまま寝転がってもシワにならない
のですよ。」と言ったことを思いだした。当時は父や伯父達から英国製
背広生地が欲しいといわれ困った。こんな経験はもうないだろうと、
敷居の高いロンドンのセヴィル・ローへ行って緊張しながら買い物を
したものだった。みな喜ばれたのでよかったが・・。
その中で父のためにはオーバーコートにするハリスツイードの生地を買った。
父はおそらく20年間位は着ていたのだが重すぎるということで着なくなって
しまった。数年まえに処分するというので、まさか、もったいないと
とりあえず貰ってきた。

着る人もないコートはずっと天袋にしまってあったのを思い出して
出してみた。ずっとたたんであったのに弾力があってやはりシワもない。
父と私は身体の大きさがあまり変らないので着ようと思えば着られる。
紳士用なのでラグランスリーブがいかついし、左前を気にしなければ
丈などには問題なかった。でもやはり重い。測ったら2kg以上あった。
ただでさえ肩こりの私、こんな重いものをしょって歩くのはちょっと。
木、葉、苔、石、土などの自然色の渋い色合いで素敵なのだが。
ハリス島の荒涼たる風景がよみがえってきた。
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長谷川りん二郎展

2010-11-19 12:52:26 | 展覧会
有名な猫の絵で長谷川りん二郎の名前を知った人も多いと思う。
そういう私もこの絵が宮城県美術館の洲之内コレクションのうちの一つ
になるまでは全く知らなかった。今回県美術館で他の作品もたくさん見られる
ので楽しみにしていた。

建物入口にあったポスターは猫の眠る赤いバックが下まで延長され、ちょっと
こんなことしていいの、と思った。同じ赤ではないが、赤とグレーに
分割されたバックがこの絵の特徴になっていると思うのに・・・。
おまけに「吾輩には髭がない」とも余計なことが書かれている。エピソード
が先行しているのにさらに強調することはない、とちょっと怒りを抑えて会場に
入ったが、お昼どきを過ぎていて腹がすいてはじっくり鑑賞できぬ、と特に
美味しくもない日替わり弁当(ご飯がまずい!)を食べていざ、展示会場へ。

時間がとまったような不思議な絵が多い。身の周りの品を並べてただ
ひたすらに描いていたいという画家の偏執的な欲求が感じられる。そこには
世間に阿るようなものはなく、ただ純粋な絵ごころだけがあった。
猫の絵が代表作のようにされているのは画家も洲之内徹氏もどう思うのかなと
ふと思った。

展示会場を出たところで「眠り猫の写真コンテスト」というのをやっていた。
猫達が家に来る前なら素通りするところだったが、みることにした。
見始めたら読売新聞記者と中学生のグループが近付いてきて、私が写真を
みているところを撮影させてもらい、あとでインタヴューを受けて
くれませんか?と言われた。記者という仕事を実際にやってみるという
課外授業のような「教育的」なものらしいので、「まあ、いいか」と
思い受けることにした。最後に名前に年齢、職業までいう羽目になったので
ちょっとまずかったが。
思えば昔同じこの美術館で幼い娘といて撮影させてくださいと言われ、その時は
ローカルニュースに流されたのだが、まだヴィデオを持ってなくて残念ながら
証拠はない。
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歩き日和

2010-11-18 21:47:45 | 散歩
日課の落ち葉掃きもそろそろ終盤。キュウイの葉も殆ど落ちた。

今日は昼ごろから雷雨の予報だったが、見事にはずれ、青空に雲の
浮かぶ暖かい一日だった。歩き日和なので県美術館まで歩いた。

大崎八幡神社で若葉マークの娘のために交通安全のお守りを買った。
先日乗せてもらった時ちょっと心配になったので。
本殿の屋根を葺いた薄い木材「こけら←変換できず」の見本がおいてあり、
書き順まで書いてある。よく見たら、柿と違うので別の漢字と分かった。
確かに考えてみれば果物の柿と同じという方がおかしい。
隣で「サワラの木を使っている」という声がした。まな板などにも
する木だと思うがみたことがない。帰って調べてみたら椹という字だった。
なるほど、、。いろいろわかって楽しい。


下り参道階段の途中から、隣の龍宝寺に行ってみた。前回いつ行ったか
記憶にないほど。多宝塔の脇には細い花梨の木があり、実をつけていた。
池もありモミジの葉が落ちて一面に浮いていて綺麗だった。


ここから国道を横切り、角五郎へ。
ドミニコ学院の新しい礼拝堂を外から眺めて、広瀬川沿いに歩く。
ここはいつ来ても気持のよい場所。ベンチで本を読む人、走る人、
乳母車を押す人・・様々な人が行きかう。川のほとりでは煙があがり
数家族が合同でこれから食事をする準備をしていた。楽しそう。


ここまでで1時間半もかけて歩いたことになった。
目指すは美術館、これは明日。
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パーセル特集

2010-11-17 08:51:01 | ルネッサンス・バロック音楽
「バロックの森」今週はずっとパーセル。いくらパーセル好きの私でも
6日間ぶっ続けはちょっと・・。
パーセルの作品番号はちょっとややこしいので「バロックの森」の予定表を
みながら、作品表と作品番号を照らし合わせてみたら手持ちのCDに入って
いる曲が多かった。でも知っている曲を違う演奏で聴く楽しみがある。

今朝放送された、「グラウンドによる3声のファンタジア」はリコーダーでの
演奏だった。放送で盛んに取り上げられているブリリアント盤はパーセル室内楽
曲全曲が7枚に収められている。これを手に入れれば室内楽曲に関しては一目瞭然
となっていいのだが、、。、今日までHMVでセール中。私の持っている室内楽曲集
はロンドンバロックのもので、ちょっと飽きているのでこの際!とも思うが、
パーセルの歌CDを買ったばかりだし・・・。でも7枚で3301円は破格のお値段。

パーセル:室内楽曲全集(7CD)
ベルダー&ムジカ・アンフィオン

・12の3声のソナタ
・10の4声のソナタ
・序曲 ト長調、ニ短調、ト短調
・ハヴァーヌ ト短調、イ長調、変ロ短調、イ短調
・チャコニー
・トランペットと弦楽のためのソナタ
・組曲 ト長調
・リコーダーのための前奏曲 ニ短調
・ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調
・シベル
・3声のファンタジア
・4声のファンタジア
・1つの音の上のファンタジア
・イン・ノミネ
・ハープシコードのための8つの組曲
・ハープシコードのための作品集、他

この中のリコーダーのための前奏曲 Z・773は1分足らずの単品曲。
昔まだ桐朋の図書館がコピーサーヴィスをしてくれた頃にパーセル楽譜を
沢山送ってもらったのだが、そのうちの一つだ。ヴァイオリンでは
ト短調、リコーダーでは二短調である。
パーセルはこの前奏曲を組曲の第1曲として続く曲を想定していたの
かもしれない。それを証明するように、
このベルダーCDでもユーゴ・レーヌCDでもこの後にヴァイオリンとバス
ヴィオールとBCのためのソナタZ・780を入れている。このトリオソナタ
もいつか吹きたいが、アルトリコーダーでは無理なのだ・・・。
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クイケン&レ・ヴォア・ユメーヌ

2010-11-16 09:08:34 | ルネッサンス・バロック音楽
これから何度も放映にされるだろうけれど、是非一回目を観たいと思い、
遅ればせながら先日気がついた、携帯電話の目覚まし機能を初めて
使って起きる。

さて女性二人のガンバデュオ:レ・ヴォア・ユメーヌの演奏は初めて。
「アントレ」でみた写真とは大分「看板に偽りあり」だったけれど(笑)。
最初の曲はルべーグ作曲(ル・べーグと表記されていたがLebegue(1631-1702)
のことならおかしいのでは)の「鐘」から始まった。
クイケン氏は横でじっと聴いている。なんだかちょっとざらついた演奏だな・・と
思い、次のパーセルに期待を持ったがトレブルのきつい音とバス2つという
バランスが気になったし、今一つ曲がよくわからないまま終ってしまった。

次のサントコロンブあたりからこちらの耳も慣れたがデュオからクイケンの
ソロに移ってたらなんだかホッとしてしまった。

私がいいと思ったのはマレの3本のガンバ組曲にアンコールのフォルクレの
やはり3本の組曲より「アルマンド」だった。フォルクレにバス3本のための
曲があるとは知らなかった。残りの曲も聴いてみたくなった。

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バルビゾンとアフガニスタン

2010-11-15 08:51:00 | その他
昨夜の「日曜美術館」はミレー特集。今更みなくてもという気持もしたが、
みだしたらやはり先入観なしに観るものだとつくづく思った。よく見かける
農民の絵に加え、聖母像や晩年の2作などは初めて観た気がする。
親友ルソーの死からなかなか立ち直れず、5年の歳月をかけて、描かれたという
最後の『春』はそれまでのミレーとは思えないような不思議な絵だった。
肖像画家として出発し、サロンからは認められなかった農民達をテーマにした
大地賛歌の絵、そして晩年のまた一つ抜け出たような境地、と60歳の生涯と
作風の変化とがはっきりと見えてきた。 15年前に西仏英蘭の旅をした時、
娘とバルビゾン村にいき、自転車を借りて一面の麦畑に「晩鐘」や「落ち穂拾い」の
風景を探したことなど思い出した。あの頃既に自転車乗りがままならず、
負傷してしまったので今ではもう無理だろうな・・。

そのあと10時からアフガニスタンで働く日本人医師の番組があった。水路建設
の様子は以前に観たことがあったが、25.5Kmの水路をコンクリートを使わず
網のようにした針金の中に石を入れる江戸時代にあったという「蛇籠」で護岸工事を
しているのだった。
石は豊富にあるので壊れた時に住民が自分達の手で補修できるようにとのことだった。
気の遠くなるような作業を陣頭指揮する中村氏はさらに、水路を将来までいい状態に保つ
にはたえず人の手が必要で、そのために砂漠に村を作り、そこで農業に従事する人々に
住んでもらい、衣食住をまかなえるようにという長大な計画を建てていた。
その地方に住む人の根本的な生活の助けになること、こういうのが本当の援助というもの
なのだと思った。
水路の両脇には柳が育ち、砂漠は見事に緑色になって、早くも麦の穂が大きく
揺れていた。きっと収穫のあとは「落ち穂拾い」の風景もみられることだろうか、、。
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駆け足鑑賞

2010-11-14 07:33:55 | 散歩
昨日午前中はまた庭の手入れ、まだまだきりがない。
午後から小さな展示会2箇所と気に入りの店に行ってきた。
夕方から合奏団練習があり、4時には帰っていなければならず、あまり時間
はなかった。

最初は手織展。会場は二日町のビルの一階のガラス張りのショールーム。
外からもよく見えた、素敵な予感が。在仙染織作家亀山理恵子さん主宰の
教室の展示会。抑えた色調の作品はどれも細かく丁寧な織りで感心した。
白い壁、高い天井に作品が映える。私も頑張んなくちゃとは思うのだが、
つい音楽が優先になってしまう。


こう当台公園の土日はいつもイベントをやっているので、なにか
産直野菜果物でもないかなと思って通ったらゴスペルフェスティバルを
大音響でやっていたのでさっさと通り過ぎ、定禅寺通りのケヤキ並木を
歩いた。並木の間の遊歩道では写真を撮っている人がチラホラ。


こんどの目的地の西公園通りまで歩く。久しぶりに「レ・ヴァコンス」を
訪ねた。ここは選りすぐった陶器や雑貨があっていい感じの店。
ここでほしいと思っていたと蓋物とそば茶用湯のみを買った。
ハイビスカスティーを頂きながらしばしゆったりした気分になった。
次にいく展示会の場所を訊き、小さな古道具屋さん「紫山」を探した。
ここで開かれている「オランダの蚤の市」を観た。即売しているので展示品は
少なめになっていた。「日本醤油」と書かれた陶製瓶が気になった。大正時代に
オランダに渡ったものらしい。

メディアテーク情報コーナーに寄り、晩翠通りのバス停へ。
バス待ち時間があったのでイチョウ並木の通りを2停留所歩き、これも
久しぶり「クロワッサンの店」に行き、ちょっと甘いものなど買って帰宅。
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フローベルガー組曲

2010-11-13 09:36:00 | ルネッサンス・バロック音楽
今朝の[バロックの森]はフローべルガー特集だった。
気を入れて聴いたのですっかり目が覚めた。
フローベルガーというと「国際的」に活躍した鍵盤楽器奏者&作曲家
と言われる。当時の交通事情はよくわからないが、よくもまあ
ヨーロッパ各地を移動していて驚くばかり。宮廷はじめ、音楽家たちとの
交流も多いし、かの「音楽汎論」の怪人アタナシウス・キルヒャーとも
親交があったという。ただ晩年は仕えた皇帝が代わったせいか1658年
にウイーンを去ってから、1667年に亡くなるまでの消息は明らかで
ないという。

組曲は19,20番が放送された。
19番は数年前のチェンバロ発表会で弾いた曲なので隅々までよく
知っているつもりだったが、時が経ってあらためて聴いてみると
曲の姿が俯瞰する形で見えてくるものだ。今日の演奏はルセ。
クーラントのアーフタクトのちょっとした沈黙が不安な気持ちにさせられ、
サラバンドにも鬼気迫るものがあった。フローベルガーの組曲の多くに
見られるアルマンド→ジグ→クーラント→サラバンドに終わるという
のも余韻があっていいものだ。

20番の方はこのCDにあるレオンハルトの演奏なので清冽かつ穏やか。
これによりフローベルガーの存在を世にしらしめたという1962年録音。
ということは若きレオンハルトがアルノンクールと共にバッハの映画に
出たころだろうか?

フローべルガーCDジャケットは自筆譜でイラスト入り。羽ペンでキコキコと
絵を描いている姿を想像するとなんだか微笑ましくなる。
よくみると5線譜でなく右手が6、左手が7線になっていた。
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秋の庭

2010-11-12 15:46:30 | 庭の植物
11月初めから忙しくて庭にも出ない日が続き、庭はあっという間に荒れ放題。
ただでさえ手入れの行き届いてない庭が空家に間違われそうになった。
隣家との垣根には[へくそかずら]が実をたくさんつけていた。つる状なので
リースにしやすい。

今朝は寒かったが枝払いや草取りを夢中でしていたら暑いくらいに。
思いがけずチェリーセージの下からレースラヴェンダーがひっそりと
咲いているのを発見。秋でも咲くんだ・・。嬉しくなって少し採り、
赤まんまや茄子の花と共にガラス瓶(ドレッシングが入っていたもの)に
挿してみた。ちょっと涼しそうかも。


花梨はまだ4つしっかり枝についている。今年は風で落ちることはなかった。
去年はどうしたのか思い出せない。多分加工しないでそのまま匂いを楽しんだ
のだったかもしれない。今年は煮るかアルコールに漬けるかどちらかしよう。


南天の実も真っ赤になった。


ゆずは残念ながら全くならないし、キュウイも昔日の大豊作が幻のよう。


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宮崎の旅 おまけ

2010-11-11 08:01:50 | 
柑橘類の大好きな私、日向夏の季節ではなかったので残念だったが
加工品の多いことにびっくり。山形のサクランボやラ・フランスの比で
はない。定番のゼリーやケーキ類、和菓子、ドレッシングや、たれ、ふりかけ、
お茶、数え切れないほど。応用範囲はユズと似ているようだ。
マンゴーの季節でもなかったが日向夏とマンゴーの食品があることあること。
食べ物以外は石鹸もあった。

荷物が重くなるので宮崎土産はなるべく軽いものをと、切干大根。
県知事のシールが貼ってある。このシールももう使われなくなる日が近い?
真空パック飫肥天は保存料入りだったのでパス。ささみ燻製は忘年会のおつまみに
使えそう。「まんま泥棒」という油味噌は娘の推奨。流行っているらしい。
まだ食べてないが、味噌に豚肉、ニンニク、青紫蘇、ニラ、ゴマなどが
入っているようだ。「食べるラー油」同様にあまりご飯が進んでは困るなあ。


そして食べ物以外の今回の土産は青島の鬼の洗濯岩で拾った貝殻たち。
考えてみると貝の種類や名前というのは殆どわからない。
2枚貝か巻貝か、ではどうしようもない。左のサザエのような小さい巻き貝
の上にある茶色のがタカラ貝。南方系のものでその昔貨幣の代わりに使われた
といわれる。なるほど丸くて厚く割れにくそうだ。


そして目に見えぬお土産は旅先で親切な人達と出会い、気持よく旅行が出来たこと。
娘夫婦にも感謝。宮崎と宮城は【宮宮はうまい!】キャンペーンをしていて
先日も宮城県知事がセブン・イレブンで出しているお弁当を食べているニュースを
観た。今回の旅行で今まで縁のなかった宮崎県が急に身近になった気がする。

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宮崎の植物

2010-11-10 08:15:20 | 
今回亜熱帯植物を実地にみることができた。
「不喰芋(くわずいも)と蘇鉄」奄美大島に住んだ絵描き、田中一村の絵。
この2つの植物を今回宮崎の旅でみることができるとは思ってなかった。
このほかにも一村には「ビロウ樹の森」はじめ、ビロウ樹の絵も多い。


蘇鉄はモアイ像の並ぶ丘にも沢山生えていて雌花の中を覗いてみたら、
中には赤い実がぎっしりつまっていた。枇杷程の大きさ。


「喰わず芋」の方は青島の奥の院で。つやつやした緑色の大きな葉っぱ。有毒らしい。


あとはいうまでもなく、南国の花ブーゲンビリアにゴクラクチョウ花も。
この2つは宮崎亜熱帯植物園にて。県花の「はまゆう」は季節が終わっていた。


曼荼羅華(マンダラゲ)に似た、エンゼルトランペットが真っ盛り。


つわ蕗もよくみかけた。仙台ではすっかり終わっているのにここではこれから。


そして芭蕉も。皆南国の強い日差のせいか大きく勢いがあった。


いよいよヤシの並木ともお別れの日の早朝。


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