古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

娘と2日間の物見遊山

2013-09-29 19:23:43 | その他
娘が上京したので、一緒に鎌倉へ日帰りしようということになった。
新宿から乗り換えなし一時間で行けて意外と近かった。
以前に北鎌倉は何度か散策しているので鎌倉駅まで直行。

青空がくっきりの絶好の行楽日和に足取りも軽く、にぎわいを見せる参道の
脇の店々をのぞき、早めのランチ。小町通り裏の今風のヘルシー系カフェへ。
シラスごはんにおかずがほんの少しずつの「プレートランチ」にした。

ランチ後は鶴岡八幡宮で健康を祈願し、神社の東の方向にある報国寺へ向かった。
娘がいろいろ調べてくれるのでこちらは付いていくだけで楽。
観光客もひっきりなしにそぞろ歩いており、ここに住む人は落ちつかない
だろうと思う。報国寺には孟宗竹の見事な竹林があり、まっすぐ天空にのびる、
目にしみるような青竹の中を歩いてリフレッシュした。

鎌倉駅に戻り、江ノ電に乗って長谷へ。疲れた足を休めに民家を改造した
ようなカフェで休憩。わかりづらいところにあるのに結構な人。雑誌やネットの
力だろう。ここではカロリーオーバーを気にしつつ、パンケーキが添えられた
「秋のパフェ」を注文。ランチもそうだったが、インテリアは凝っていても
味は素人が作りましたという感じであまり参考にはならなかった。

由比ヶ浜で海を間近に見て、砂浜を歩き、きれいな貝がらがないかなと
物色したが持ち帰りたいと思ったものは無し。
日帰り旅の最後に私が子供のころから変わらぬ味の「鳩サブレ」を買って満足。

次の日には娘とまず母のところに行った。あいかわらず寝たきり状態であったが、
気分はいつもより良いようで孫との会話も少しはでき、一緒に歌も歌った。
孫には甘いおばあちゃんぶりはまだ健在だった。

あとは娘の友人と合流し、お茶の水の「山の上ホテル」でランチ。
都会にありながら静かでクラシックな雰囲気の残る洋館でゆっくりおしゃべりも
楽しめた。娘たちと別れ、久しぶりに「アカデミア・ミュージック」に寄り
かねてから欲しかったダングルベールの楽譜を買い、2日間の非日常時間は
あっという間に終了。
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L.S.Lowry

2013-09-26 20:25:22 | 展覧会
もうすぐ東京でターナー展がある。ロンドンのテート・ギャラリーから
大量のターナー作品が来る予定だ。日本人にとっては夏目漱石により
ターナーという画家を知った人が多いことだろう。そういう私も。
「夏目漱石の美術世界展」では「金枝」が来ていたし、今までも少しずつは
観ている今回殆んどが日本に来たことがない作品らしいので楽しみ。

昨日の朝日新聞夕刊文化欄にロンドンのテート・ブリテンでの
L.S.ラウリ―の回顧展についての記事があった。ラウリ―もまた
イギリスでは有名だが世界的にはどうかな・・という画家。

実は我が家にはラウリ―の絵を転写した2個のマグカップがある。
大昔イギリスに住んでいた頃からイギリスではポピュラーな画家だったので
帰国してこのマグを見つけた時は何かとても懐かしくなってつい
買ってしまった。でも長細くて飲みやすくないのであまり使ってない
のだが。いずれも今ならミュジアムショップに売られているようなもの

元になった絵は「Coming from the Mill 」(1930)
       「Market Scene, Northern Town」(1939)
                         Salford Art Gallery
とある。作品のサイズはわからないが、きっと回顧展では原画が観られることだろう。

さて新聞記事には本展は約2年前、著名俳優がドキュメンタリー番組で、
「テートはラウリ―を7点所有しているがめったに展示しない」と批判したことが
引き金となった。と書いてあったので著名俳優とは誰かな・・と調べたら
イアン・マッケランということがわかり、マッケランのホームページに
アクセスしたら番組のことが公開されていた。それによると7点というのは
なんの間違いか23点と書かれてあった。

以下はマッケランのホームページの問題の箇所 

Why should it matter that the Tate Gallery in London (with its 23 Lowry’s)
has chosen not to display any of them for many years?

どういう理由があったかわからないが、この展覧会でイギリス以外での認知度が一気に
高まることだろう。




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久しぶりの練習

2013-09-25 11:21:30 | ルネッサンス・バロック音楽
ようやく平年並みの気候となった。
母の介護ホームの近くの道路際に吾亦紅が咲いていた。今の季節の
高原に似合う花なのだが、自然に生えた?だれかが植えただろうか?
このご時世、引き抜かれることがないといい・・。

母は16日間の入院生活の後遺症で「廃用症候群」になって
しまった。「廃用症候群」とはいやな言葉だなと思っていたら
生活不活発病といういい方もあるようだが、なんとも変な日本語。
ともかくずっとベッドに横たわっていたことから身体&精神の機能が
著しく落ちてしまったという状態。
これからのリハビリで半寝たきり状態から脱せられるか、難しそうだ。
入院中は殆んど毎日見舞いにいっていたが最近はボケが酷くなって
私が行ってもあまり喜ばないようになってしまい、帰り道は落ち込んで
しまう。といって行かないわけにもいかなし。

でもそろそろ楽器の練習が出来る状態になってきたのは嬉しい。
リコーダーもチェンバロもレッスンを前になにか新しい曲をと思って
あれこれ迷っている。

先週の「古楽の楽しみ」は18世紀初めに活躍したイタリアの作曲家特集だった。
華やかなヴァイオリンの曲に加え、チェロ曲もボノンチーニ、ジェミニアーニ、
プラッティ、など秀作ぞろいだった。
ジュゼッぺ・ヴァレンティーニの合奏協奏曲を聴きながら、
ロバート・ヴァレンタインを思い出した。
この時代よくヨーロッパ各地からイギリス目がけて来た作曲家達が
多いがロバート・ヴァレンタインは逆でイギリスのレスターの音楽一家に
生まれて、なぜかイタリアへ移住している。

ロバート・ヴァレンタイン(イタリア名=ロベルト・ヴァレンチノまたは
ヴァレンティーニ)の12のリコーダーのソナタは無料楽譜サイトimslp に
あるので吹いてみた。その中で以前友人のチェンバリストと合わせた曲も
あった。その時は先が読めるような曲作りにあまり食指が動かなかった
のだが、時を隔てて吹いてみるとこのマンネリ感がなんとも心地よかった。

旧知の曲は4曲だけだったので残りの8曲がわかってよかったし、
さすがリコーダー名手の作った曲は少し凡庸ではあるけど吹きやすく
勘を取り戻すのは持ってこい。血相変えて頑張らなくていいところがいい。
まずはリハビリから。
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台風去って

2013-09-16 22:07:55 | その他
今日は午後から母の入院している病院に面会に。いつも昼ごはん時に合わせて
いくことが多いのだが、台風が去るのを待っていたら午後になってしまった。
京都嵐山の馴染みの風景が濁流にのまれてしまったのをみて7年前に亡くなった
伯母が昔住んでいたのはこの近くではなかったかと微かな記憶をたぐりよせて
いた。母がボケてなかったら何かわかったかもしれない・・。

今日は敬老の日。そのせいか病院内はおばあさんおじいさんを見舞う家族連れの
が目立った。母の病室は4人部屋でカーテンで仕切られ、姿は見えないが
声が筒抜け。同室の病人に配慮するという気持が全くないような若い人には
困ったものだ。静かにしてください、と言おうかと思いながら、後味の悪い
思いをするのも嫌で我慢した。

昨年の敬老の日には卒寿を祝い、食事も普通に出来たのに・・
この1年のあまりの変わりようにまだついて行けない気さえする。

病院は敷地が広く、入口から長い並木道を歩く。これがとても気持ちがいい。
台風のせいで木の枝や葉っぱがたくさん落ちていた。よくみるとクヌギか楢の
ドングリがまだ緑のままで落ちていたので思わず拾った。木々の種類も多く
紅葉の季節はさぞ綺麗だろうと思うが、まさかそんなに長く入院しないだろう。
明日で入院生活も2週間となるが、当初心配したように、追い出されることは
なさそうになった。点滴もとれたし、近々退院となるだろう。入院生活でますます
足の筋肉が落ちてしまったので介護ホームへ帰ったらリハビリをしてもらわないと、
本当の寝たきりになってしまう。本人も歩けなくなる恐怖を感じているので
リハビリを頑張ってもらうほかない。
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優雅なひと時

2013-09-08 21:24:43 | ルネッサンス・バロック音楽
母の入院先に毎日面会にいくのだが母の病室はいろいろな管をつけられ
身動きのできない苦しそうな患者ばかり。ここは急性期医療の病院なので
医師からは2週間で退院してもらいます、と言われているのだが、母の行き先は
また病院なのか、介護ホームへ戻れるのか目下はわからない。
病院だから当たり前なのだが病んでいる人が多くて、あたり一面に病魔が浮遊して
いて私もとりつかれそうな気がしてくる。自分の楽しみも実行しないと
落ち込むばかりで精神衛生上よくない・・とこの土日は非日常時間も楽しんだ。

昨日昼の部に行った、バルトルド・クイケン X 前田りり子 フルートデュオ
コンサートはいろいろユニークで楽しめた。
まず会場の近江楽堂へ入ったら、ドーム型の天井の真下にステージがあり、
椅子が一脚置かれ、四方に客席が設えてあった。開場直後というのに
正面席は既に満席近く、背面席は人がまばら、脇席もかなり埋まっていた。
ちょっと迷ったが正面席の後ろ、背面席よりはいいいかなと思い、脇席に
座った。

最初の曲オトテールの演奏が終わったら、お話が入り、なんと曲ごとに
奏者が向きを変えますと言われ、サービス精神に一安心。
椅子はバルトルドさんが足を骨折したためで長身の氏が座り、りり子さんが
立つと丁度笛の位置が揃うのであった。聴衆は演奏者の正面、右側、左側、
背面と4種類のお姿を拝見でき、その位置の違いによる微妙な音の変化まで
感じることができた。

さてプログラムはフルートデュオの有名曲と無伴奏ソロのこれまた超名曲
J.Sバッハ パルティータ=りり子さん
 C.P.E.バッハ  ソナタ=バルトルドさん

曲の合間にはお二人のトークもあり、和やかな雰囲気だったが 曲が始まると
一瞬のうちにして優雅な音の世界に没入、程よい緊張感の中に自由闊達な
見事な演奏、こういう時を長らく待っていたのだ、その中に今私が居る、と
思ったらここで過ぎゆく一秒たりも無駄にしないぞと集中して聴けた。
プログラムの中ではオトテールとフリーデマン・バッハのデュオが特によかった。
無伴奏ソロの師弟対決も斬新な解釈対端正な演奏で興味深かった。

そして今日は友人とランチ。友人も昨日夜の部に聴きに行ったので、
コンサートの話もできてよかった。
東京の気のきいたランチ場所を殆んど知らないので、以前娘と行った
三菱一号館のカフェ1894へ。ここはなんといっても建物の雰囲気が
いいので話のタネに一度は行ってみてもいいところだ。今日が最終日の
浮世絵展にちなんだランチを楽しんだ。
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なかなか落ち着かず

2013-09-05 09:32:47 | その他
24時間介護から解放され、身軽になり、2週間が過ぎようという時、
介護ホームから連絡が入った。提携診療医から母は即入院の必要あり、病院を
手配するのですぐ病院へ行ってくださいと言われた。病院は東京都下の総合病院で
母は眼科に長くお世話になって私も付き添ったことがあり、知ったところで
よかった。

介護付きホームでの医療行為は限られており、その限度を越えてしまったのだ。
せっかく母も私も生活のペースが出来てきた頃だったのに、私はともかく
高齢の母にとってはまた慣れない環境に放り出されることになってしまった。
4人部屋でじっと天井を睨んでいる母を見ながら本人はさぞ不安だろうと母の残り
少ない人生を思って胸が熱くなった。しばらく落ち着かない日々が続きそうだ。

母の好きだった指揮者クラウディオ・アバドが音楽情報誌「モーストリー
クラシック」の特集2013年のベスト1指揮者に選ばれていたので
興味を示すかと思い、先日ホームの母に見せたが、写真を少し見ただけで記事は
読もうとはしなかった。あれだけ本を読むのが好きだったのに、活字を
読む気力が全く無くなってしまった。今は耳もかなり聴こえないので
沢山集めたCD&DVDも聴かれないままになっている。

前回の2006年アバド&ルッツェルン来日コンサートの時は一人で
サントリーホールまで聴きに行ったことを考えると、ここ2年の衰えぶりは
信じられないほど速い。米寿の時は元気で珍しがられたのに・・・。
この秋の来日コンサートに母の代わりに行こうかと思ったが、「未完成」に
ブルックナー9番のプロか、ベートーベンのピアノコンチェルト3番に
(p=ラド・ルプー)と「英雄」というプロ。いずれもいくら名演奏と
いえども私にはあまり興味がわかない。
試しにチケットが残っているか調べたら残っているのは30000円以上の席のみ。
予想通りとんでもなく高いので止めた。古楽コンサートが10回行ける!
古楽コンサートに拘らず幅広くと思うようになっている昨今なのだが、
このチケットの高さには呆れる。まあ例外的ということだろう。

先日の「BSクラシック倶楽部」のチャイコフスキーコンクールガラコンサート
では珍しいピアノが使われていた。イタリアのFAZIOLI社の世界最高(値段が?)の
ピアノだそうだ。弾いたのはまだ若い達者なロシアのピアニストだった。
スタインウエイのような輝かしい軽い響きではなく少しこもった渋い音がして
興味を惹かれた。日本のお金持ちが買い漁るなんて恥ずかしいことにならないと
いいが。

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