古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

桜満開

2018-03-29 10:49:00 | 展覧会

いつの間にか3月も終わりに近づき、桜も満開。

 初めてのパイプオルガン発表会は思わぬミスもあったが無事終わり、

今までの発表会、特に各楽器での「初めての発表会」のことを思い返していた。

大昔のピアノの発表会については初めて何を弾いたかは定かでなくなって

しまったが、40才過ぎて始めたチェンバロの発表会ではラモーの

「ミューズたちの語らい」とバッハの「フランス組曲4番」。

50才過ぎての初めてのリコーダー発表会ではデュパール「組曲ト短調」で、

この2つは母も聴きに来て、「この年になって娘の発表会に行くとは」と喜んでくれた。

そして人生の終盤を迎えてから無謀にも挑戦した、今回のパイプオルガン発表会の

パッヘルベル「シャコンヌ ヘ短調」 母にも聴いてもらいたかった、とつくづく思った。

 昨日は4月からのレッスンに備え、オルガン練習の後、ブリューゲル展へ。

会場が上野なので否応なく人込みに巻き込まれながら都美術館へ行った。

桜は満開でこの暖かさでは間もなく散りそうだ。

ブリューゲル展は閉幕間際なのに結構空いていた。ブリューゲル一族は沢山いるので

どのブリューゲルかよくわからなくなる。個人蔵の絵が多く、ほとんどの絵が

初出品だそうだが、見たことがあるような気がしてしまった。

今回見たかったのはヤン・ブリューゲル2世(1601-1678)の「聴覚の寓意」

ピーテル・ブリューゲル1世から数えると孫の世代。

 父のヤン・ブリューゲル1世の花束の絵は先日ルドルフ2世の驚異の世界展」でみたばかり。

この父の方も友人のルーベンス(意外な感じ)との共同の「聴覚の寓意」がある。

2人の五感すべての寓意画があるそうなのでみたいものだ。

ヤン1世、ルーベンス 1618 =プラド美術館蔵

 今、西洋美術館で開催中の「プラド美術館展」でもヤン1世の花の絵と寓意画(ルーベンスとでない)

見られるようだ。ベラスケスは見なくてもいいかな、と思っていたが、他もあることだし、

やはり行きたくなってしまった。

ヤン2世の作品は上の作品を模したといわれる。リュートを弾く女性、チェンバロ

初め、弦楽器、管楽器、傍らにいる鹿(耳がよいらしい)や鳥たちなど共通性はあるが、

絵としてみると大分違っていた。

 ヤン2世 1645頃 =個人蔵

 

 

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ルドルフ2世の 驚異の世界展

2018-03-06 14:03:00 | 展覧会

久しぶりの展覧会行きは「ルドルフ2世展」へ。もうあとわずかで閉展になる。

「ウェルトゥムヌス(果樹果物の神)としてのルドルフ2世」という肖像画は異彩を

放っていた。

アルチンボルトの描いた、植物や動物の「寄絵」は、ここ数年ですっかりおなじみ

になった。見慣れたとはいえやはり不思議な絵。追随者の同種の絵もあったが、

アルチンボルトが傑出していることを証明するばかりだ。

ルドルフ2世の系図を見ていたら、母方の兄がスペインのフェリペ2世で、少年時代は

スペインで君主教育をうけていた。ハプスブルグ家はオーストリアとスペイン系統が

あり政略結婚の歴史も恐ろしいばかりだ。ルドルフ2世は政治には無能よばわりだったが

芸術・文化の庇護者として知られ、世界中の動物を収集し、動物園まで作ったそうで、

動物の絵も多かった。中でもサーフェリー「動物に音楽を奏でるオルフェウス」では

オルフェウスは数多くの動物たちに埋もれてしまうように描かれ、表情まではわかり

ずらかったが、動物たちはオルフェウスの竪琴の聴き入っているように見えた。

他に楽器の絵はあまり面白くもないリュートの絵があっただけだったが、

音声ガイドには同時代のリュートや歌、リコーダーなどのBGMが流れていた。

ルドルフ2世のコレクションは「驚異の部屋」やCurious Cabinet

(珍品陳列棚)と呼ばれ、のちの博物館の原型となったそうだ。

J.Wilbye のマドリガル、

Sweet honey-sucking beees の歌詞には・・You store your Curious Cabinet

という箇所があるので、この言葉が17世紀初めにイギリスでも使われていたことが

わかり面白い。

 珍品には占星術、錬金術などルネッサンスから近代へ移る時代の広がる好奇心

を示す物や精緻な工芸品なども興味深かった。

ヤン・ブリューゲルの花の絵「陶製の花瓶に生けられた小さな花束」も植物の

名前当てクイズのよう。少し萎びたシクラメンは寒さにやられた我が家のとそっくりだった。

 次の展覧会行きは「ブリューゲル展」になる予定。4月1日までなのでもうすぐだ。

 

 

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