古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

カラヴァッジョとリュート

2016-03-28 22:50:00 | 展覧会
約2ケ月ぶりに上野に行った。桜はまだ咲き初めだが公園口はやはり
いつもより混んでいた。国立西洋美術館の地階のコンサート会場へ。
東京・春・音楽祭2016のカラヴァッジョ展記念コンサートvol.1だ。
演奏に先立ち、美術館研究員のかたの「カラヴアッジョと音楽」
のお話があった。カラヴァッジョの有名な「リュート弾き」2作品は
今回の展覧会ではみられないが、2つの作品の由来や、展示作品の
中で楽器が描かれた絵の紹介などがあった。

 カヴァロッツイ「アミンタの嘆き」
 パオリーニ「合奏」
 ブリュッヘン「合奏(聴覚の寓意)」
 
楽器の絵ばかり描いたといわれる、エヴァリスト・バスニケス
の「楽器のある静物」を最近西洋美術館が購入し、既に展示も行われて
いるという嬉しいニュースもあった。常設展をみる気力がなかった
ので次回に。



コンサートはカラヴァッジョが放浪したイタリア各地の
同時代の作品を集めるという凝ったプログラムだった。
ルネッサンスリュートでの優しい繊細な響きに心休まる
ひと時だった。最後のカプスベルガーは時代もバロックに
かかり直接訴えかける要素が多く感じられた。

コンサートが済み、展覧会へ。
カラヴァッジョの作品が11作にカラヴァッジェスキ
と呼ばれる、画法を模倣し継承した画家達の作品もあり
ダイナミックな力作揃いだった。やはり実際みると迫力が
物凄くてエネルギーを吸い取られそうだった。

かのアルテミジアの父オラツィオ・ジェンティレスキ
の「スピネットを弾く聖カエキリア」もあった。
親父さんの方が作風が穏やかに感じられた。

作者不詳の「カラヴァッジョの肖像」
ユーロが導入される前のイタリアのお札にあった顔であった。
横にあるのは今回の展示でみられる「女占い師」で占いをしながら
男の指から指輪を抜き取ろうとしている。この絵をお札に採用した
というのも面白い。












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バッハ漬けの一日

2016-03-21 23:30:30 | ルネッサンス・バロック音楽
バッハの誕生日を祝してコンサートチラシが2枚。ところが誕生日が2種類!
1685年3月31日と21日とあるので何故かと思ったら、通常使われて
いるグレゴリオ暦では31日で、ユリウス暦だと21日となるそうだ。


今日21日は
①バッハの研究者 富田庸氏のレクチャー(チェンバロ芥川直子氏)
②フラウト・トラヴェルソ有田正広氏、チェンバロ芥川直子氏によるバッハ演奏

の2本立て。
   
①は「バッハ平均律の演奏と解釈」とチラシに書いてあったので総論的な
お話か思っていたが、2巻の6番ニ短調、2巻15番ト長調の最終稿
に至るまでの異なった稿の楽譜が用意され、演奏もあり具体的でわかりやすかった。
バッハといえども一気に書き上げたのではなくいろいろ試行錯誤の末に完成させた
という跡がみられ興味深かった。

①②のコンサートの間に時間があったのでオペラシティを散策。

②のコンサートは解説によればバッハの誕生日を祝うにあたり
明るく華々しい曲を中心にしたということであった。
 プレリュード、フーガ、アレグロ BWV998
 フルートソナタ BWV1032
 フランス組曲 5番
 パルティータ 4番
 フルートソナタ BWV1030

チェンバロは技巧的な派手な曲が多く、トラヴェルソとのデュオも
オブリガート・チェンバロだったので躍動感溢れるチェンバロが大活躍。
フルート曲をもっと聴きたくなったところ、アンコールは「シチリアーノ」
が演奏されすっかり満たされた気持ちになった。

レクチャーからコンサートまで長い時間だったがバッハの誕生日を祝う
という初めての経験もできてよかった。思えば2000年の没後250年
バッハ・イヤーで大騒ぎしたのもついこの間のような気がするから恐ろしい。
3月は両親の命日もあり大震災もあったので何かと心騒ぐ月になってしまったが、
バッハの誕生日を祝うことで少し悲しみから救われるかもしれない。
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イギリスもので

2016-03-14 20:19:20 | ルネッサンス・バロック音楽
昨日は太田光子門下生発表会で友人のリコーダーの通低をした。
曲はパーセルの「シャコンヌ」とコルベットのソナタから、最終楽章
というイギリスもので統一。太田先生の第2リコーダーもあったので
先生との初めての夢の共演という記念すべき発表会になった。

古楽器にちょうどいい大きさのホール(二俣川サンハート)は
出演者とたくさんのお客様で立ち見が出るほどの盛況だった。発表会は
生徒さんたちの演奏も楽しみだが、先生方の普段プロ演奏家としての
お顔以外の別の面を垣間見られるのも楽しい。発表会は終始和やかな
雰囲気で過度に緊張することもなく、少しのミスを棚に上げれば
役目を果たせた。さらにセミプロ、プロ奏者の演奏もたっぷり聴け、今まで
にない大変充実した発表会だった。


イギリスのリコーダー曲、特にトリオソナタは好きで、ペイジブル、
ぺプッシュ、フィンガー、ケラー達はすべて出身はイギリスではなく
イギリスで活躍した作曲家というところが驚きだが、ウイリアム・コルベット
は生粋のイギリス生まれのようだ。

コルベットのトリオソナタは仙台にいてリコーダーを始めたころに
知ったのでもう15年ほど前になる。その頃はリコーダー歴の長い
学校の音楽の先生が集められた楽譜を片っ端からコピーさせてもらい、
サンマルティー二、コルベット、ウイリアムスなどのトリオソナタを
合わせたものだった。一つの曲をじっくり練習するということはなか
たが、この時に指使いを必死に覚え、初見力がついたように思うので
今でも感謝している。
「パーセルのシャコンヌ」もいろいろあるが、グラウンド上2声のシャコンヌは
D.マンロウのLP(遺作)に入っていて、せつないメロデイーにしみじみとさせ
られたものだった。このLPにはページブルの4本リコーダーのための
ソナタという曲があり、楽譜を探さなければ・・と思って幾星霜・・。



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ミモザ通り

2016-03-10 11:46:30 | その他
春が来た!と思ったらまた引っ込んでしまったりのこの頃。
寒い時はあまり着なかったオーバーコートをクリーニングに出す前に着なくては、
と思って着るがやはり同じ温度でも秋から冬へ向かう時と違って暑く苦しく感じる。

園芸店では季節の先取りをして春の苗が並んでいるが、寒い日だとまだ先にしようと
思って眺めるだけだ。もう植える場所もないのだが大きくならない木も植えてみたいと
思い苗木も探している。
[丁字サクラ]という苗木をみつけ、ただ今考え中。薄紫色の小さな十字形の花を
つける。サクラとはいってもサクラにあらず、バラ科、沈丁花科などまちまち
だ。花のあとにはどんな葉がでてくるのだろうか?あまり巨木にならないよう
なのもよい。

自宅の狭い裏庭にく昨秋植えた球根類の花が咲き始めた。
クロッカス、シラー、が咲き始め、初めて植えたオーソ二ガラムも日々伸びてきた。
ブルーの花をつける名前が思い出せない花も楽しみだ。

最寄駅に行く途中、ミモザが真っ盛りの家がある。
二百メートルくらいの長さの通りにどういうわけか3軒のお宅にミモザの木があるので
ひそかに「ミモザ通り」と名づけている。今の季節はこの通りについ足が向く。
一番大きな木はもう花房が垂れ下がって重そうになっている。落ちた花の掃除が大変
そうだ・・・。

昔のフランス映画に「ミモザ館」というのがあり、母がいつだかミモザの花が
好きだといい、その映画の話をしていたのを思い出し、DVDを借りようかと
思っている。

同じ鮮やかな黄色のエニシダの鉢植えを今まで何回となく買ってみたものの花が
終わると枯らせてしまった。路地に咲いているのも見かけるので育てるのが
大変とは思えないのだが、今年は長生きさせたい。
黄色い花には元気付けられそうだ。

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中世の音楽をライヴで

2016-03-06 11:37:00 | ルネッサンス・バロック音楽
ルネッサンスの音楽は昔に比べてよく聞けるようになったがその前の
中世の音楽は私にとっては未だ漠としてつかみどころのない感じだ。
この頃中世の音楽のコンサートもよくみかけるようになった。
先日TVで観た、アントネッロの「モンセラートの朱い本」では
素朴な旋律と様々な楽器の織り成す摩訶不思議な音楽に魅了された。

中世の音楽はマンロウのCD「ゴシック期の音楽」などで聴くことは
あってもこれ以上自分の興味が広がっても収拾がつかなくなるという気も
していて手を出さないほうがいいかと思っていた・・・が、先は短いし、
いままで少しは馴染んできたジャンルの音楽のその前にどういう音楽が
あったのか知りたいと思うようになった。それにはライヴ演奏を聴いて
みなくては、と思っていた矢先・・・

大昔、サマースクールで通ったことのある東久留米のグレゴリオの家で
中世の音楽を聴けるコンサートがあり、昨日友人を誘って行って来た。
東久留米駅から聖堂までの道のりをもうすっかり忘れていたが正門の前
にきたら、ありありと思い出した。丁度梅が満開であった。
聖堂はサマースクール修了演奏会や全員合唱の練習で入ったことがあり、
その当時のことも次々と思い出され、過ぎ去った月日の懐かしさや悔恨
までもが渦巻いてきたが。

さてコンサートはリコーダー、中世フィドル、ゴシックハープ、打楽器の
4人が中世のイタリアの宴「La Danza」を繰り広げた。
13世紀から15世紀の写本楽譜からの曲の数々、何の知識もなく聴いて
いても心地よいのだが、知識があればもっと楽しめるかもしれない。

其々の楽器のわかりやすい説明もあり一気に身近な楽器に思われてきた。
YOUTUBEでリハーサル風景がみられ、「イザベッラ」の一部を聴けるので余韻
に浸っている。4人揃っての演奏も賑やかで良かったが、中世フィドルと
リコーダーと2声の曲に興味がわいた。
クロムホルン(バス)も間近にみられ、リード楽器でありながらリードは
見えなくて楽器をくわえず、息を吹き込むということなのでかなりの
肺活量がいりそうだ。ベーベーという音色がユーモラスで異彩を放っていた。

やはり音楽はライヴに限る!と当たり前のことを実感させられたのだった。
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コストレCD

2016-03-03 18:49:00 | ルネッサンス・バロック音楽
今週の「古楽の楽しみ」は16世紀フランス・ルネッサンスの音楽だった。
1ヶ月前の「フランソワ1世の時代の音楽」に引き続き、フランスルネッサンスは
バロックに劣らず魅力的で、すっかり虜になってしまった。

仙台で入っていた合唱団ではルネッサンス合唱曲を歌っていたが、フランスものは
言葉が壁になって、歌ったことがあるのはジャヌカン、セルミジ、コストレ、パスロー
ラッソ(仏語シャンソン)等だったが、その中ではコストレは4曲。
発音はフランス人の留学生やフランス語の教師に来て貰ったり歌詞を録音して
もらったりしてどうにか潜り抜けた。

リコーダー・コンソートの曲をあれこれ探すうちにシャンソンにリコーダー
にも適するいい曲が多いことに遅ればせながら気がついた、本当に宝庫。
相変わらず言葉の問題はあるが、歌の内容は調べればおぼろげながらわかるし
発音の心配がなくなるということがなんといっても助かる(笑)。
昨年末にもコストレの一曲をリコーダーコンソートプロに入れてみた。

そんなわけで1日に放送されたコストレのシャンソンが面白かったので
CDを衝動買いしてしまった。
「ア・セイ・ヴォーチ」はかなり昔からいるグループだがCDは持っていなかった。
1570年出版のそのものずばり『ギョーム・コストレの音楽』という曲集からの抜粋。
およそ100曲中の22曲が入っており、歌だけというのは少なく、楽器入りが多く
ヴィオールやバソン、リュート、リコーダーも。リコーダーはユーゴ・レーヌだった。
なかなか良いCD。昔歌った4曲もすべて入っていたので懐かしかった。
放送された半音階的シャンソン『神よ、お慈悲を』は一瞬ジェズアルドか?と
思うような劇的不協和音があり、imslp で探したらファキシミリのパート譜しか載って
なかった。こういう楽譜もスラスラ読めるようになってみたいものだ。
このCDの22曲中18曲もimslpに現代譜が載っている。



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フローベルガーの肖像画?

2016-03-02 11:40:00 | ルネッサンス・バロック音楽
昔の作曲家の肖像画は信じていいものかと思うものが多い。
今年来年の記念年のためフローベルガーのコンサートやCDが
目に付くようになった。作曲家の肖像画には結構興味があるので、
フローベルガーの肖像画で今まで見た事があるもの(見出し画像)以外に、
最近このお顔がフローベルガー?という肖像画を良く見る。
でもこれはフェルディナンド3世ではなかったのか・・・・?

まずはコンサートチラシ


アスペレン CD


ランペCD  HMVの解説にはジャケットの絵はフェルディナンド3世と明記


以上にあげた3点の元の絵は同じにみえる。



ヴェルトロ CD


Wiki のフェルディナンド3世


以上の2つも同じ人のようにみえる。

いくら二人が親しいとはいえ、どういうことなんでしょう・・。

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