古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

牧野記念庭園へ

2012-05-30 20:30:00 | 散歩
携帯を買い換え、24時間ぶりにまた回線復活。
なくした携帯はロックをかけ、使用不能にしてもらいホッとした。
困ったのはアドレス帳。写真もパソコンに保存していないのが
あったのだがどうしようもない。
携帯ショップで過去一ヶ月分の受信メールだけみる方法があると
教えてもらったのでかろうじて10人分位のアドレスはわかった。
新しい携帯は前のとたいしてかわらないのだが、カメラの性能は
よくなったので庭のあじさいを撮ってみた。

今日は天気もいいし、リハビリもないので母を誘ってバスで20分ほどの
牧野富太郎記念館に行こうとしたら、 母が「出掛けるのが億劫、
1人で行ってちょうだい、植物もあまり興味ないし」と言い出したので
やむなく1人で行くことにした。
季節も良くなったので外に連れ出して気分転換してもらおうと思ったのに、
なかなかのってこない。

さて大泉の住宅地にある記念館。門をはいると木々の緑が鮮やか。
樹齢何十年という木々がそこここに。




ニッケの木も初めてみた。匂いするかなと思ったが届かず。


牧野富太郎が30年住んだというこの地に植物園が開園したのは
1958年、現在の建物は2年前に出来たばかりとかで綺麗だった。
落ち葉の掃除をしていた婦人が、せんだんの花をみせてくれた。
いい匂いがした。せんだんの実はみたことがあったが、花は初めて。


展示室の建物では生誕150年を記念して『サクラで祝う富太郎の誕生日』と
いう企画展もあり、牧野以外の手による細密な植物画もたくさんみられる。
6月17日まで。


書斎と書庫をそのまま残した建物はコンクリートの建物の中にすっぽり
納まっていた。こういう風に保存すれば風雨にさらされて腐ることも
ないわけだ。


牧野富太郎が仙台で発見したという「スエコザサ」
妻のスエ(寿衛)の名前を取って命名したそうだ。仙台とつながりも
あって嬉しかった。


帰りに絵ハガキがないかと尋ねたらありませんとのことでちょっと残念だった。
いま売り出されている、80円の記念切手は気に入って時々眺めている。
絵葉書を書くことは多いので50円切手だといいのに、と思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近江楽堂→芸大奏楽堂

2012-05-27 21:00:55 | ルネッサンス・バロック音楽
いつかこういうことがあると思っていたが携帯をなくして
しまった。写真を載せられなくなってしまった理由。

一週間前、近江楽堂のリコーダーコンサートに行ったばかり
ではあったが今日は本村先生の生徒さん達のリコーダー発表会
でまた近江楽堂。ここはリコーダーによくあう。

私が聴いたのは4分の一と少なかったのだが、吹いたことの
ある曲ばかりで懐かしい思いで一杯になった。心おきなく
リコーダーを吹くことができるのはいつになるか・・・。でも
旧知の方からお誘いも受けたので、アンサンブルできる日も近いかも。

もう少し聴きたいと思いながら、そのあとがあるので上野に向かった。
山手線の車中で友人にメール返信したのが14時10分過ぎ位。
上野駅でSuicaチャージし、東京文化会館でチラシ置き場をみて
時間を確かめようと携帯を探したら、なかった。上野駅に戻り、
ためしに届けられてないかを尋ねたがなく、文化会館でもなく、
もし拾った人が不正に使ったらどうしようと気になりつつ、世の中
そう悪い人ばかりでもないだろうと思ったり、頭は携帯のことで一杯
になってしまった。こんなことではコンサートも楽しめないな、と
思ったが、招待券もいただいているので行かないわけにもいかず、
携帯のことは考えない!と決め、会場へ。大きなホールがもうほぼ
満員で空席があまりなかった。無事、後ろだが正面に近い席に座れた。

プログラムは「神秘のJ.S.バッハ」と題して、オルガン演奏が始めと
終りにあり、ヴァイオリンソナタBWV1017、ガンバソナタBWV1028
カンタータからアリアのみ2曲という名曲揃い。出演は芸大古楽科の
先生方。ここのパイプオルガンを初めて聴くことになったのはよかった
がオルガン曲のウエイトが多すぎてちょっと食傷気味。親密な古楽器の
アンサンブル曲をもっと聴きたかった。
最後のバッハの前奏曲とフーガはこれ以上は無いような大音響で
落ち込んだ私をさらに打ちのめした。

帰りに携帯ショップに行ったら、日曜のせいもあり非常に混んでいた。
門限6時半の身で待てないので帰宅、すぐ使用ストップの手続きをし、
一応安心した。
数時間のうちに不正使用されているかどうかは明日問い合わせると
わかるという。恐ろしい・・・。
携帯がないと非常に困る生活になってしまったので明日にでも新しい携帯を
買うつもり。今頃一体どこにあるのか、、可哀そう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コンサート3日目

2012-05-21 19:40:50 | ルネッサンス・バロック音楽
古楽の世界とはまた一味違ったアイリッシュ音楽の守安夫妻に
チェンバロの平井み帆さんのコンサートに行って来た。
金・土・日と3日コンサート通いが続き、ちょい音楽評論家の
気分。でも責任のある文章を書かねばならないというわけでは
ないので気楽。
仙台にはアイリッシュ愛好家の方がいらしてコンサートのお誘い
も何度か頂いたが、何故か予定合わず今回初めて聴けてよかった。

武蔵野文化会館のコンサートではなんと「演奏中プログラムをご覧の際は
音の出ないよう・・」という注意書きがあり、緊張をしいられたけれど、
昨日のコンサートでは奏者のお話も面白く、視聴者参加番組みたいな
和やかな雰囲気で笑いが絶えなかった。休憩時にはチェンバロ調律
をしているというのに客席は熱気が漂い、話声で賑わい「ぐわ~ん」として
いたのであの中で調律はさぞやりにくかっただろう。

最初はオキャロランの曲。
96年にアイルランドに行く前は名前も知らなかったのだが、向こうでは
国民的作曲家でダブリンのセント・パトリック聖堂にはハープを奏でている
記念碑があった。ヤコブ・ファン・エイクと同じく盲目。
その昔アイリッシュハープを弾く友人の娘さんがアイルランドに
行くならオキャロランの楽譜をなんでもいいいから買って来て、
と言われ、困ったのだったがダブリンの楽譜屋さんでは店員が相談に
乗ってくれ、難なく見つかった。

「オキャロラン」から記憶のすみに閉じ込められてあったアイルランド
の様々な思い出が少しずつ引き出されてきた。
「イニシア島に行かれた方はいらっしゃいますか?」と奏者が客席
に向かって尋ねられ、私が行ったのはどの島だっけ?と記憶も曖昧に
なっていた。(帰って調べたらイニシア島だった。アラン諸島では
一番小さな島。)すっかりアイリッシュモードになっていたら、次の曲は
テレマン。かの有名なハ長調ソナタからカンタービレが吹かれたのだが
なんだかバロック曲って偏狭な、と思ってしまった。

プログラムは時代も国もバラバラで統一が取れないところが特色の様で
所々にテレマン、バッハ、フレスコバルディ・・などのバロック作品
も入る。抜粋も多く組曲やソナタの全曲演奏に慣れている耳にとっては
ちょっとついていけないし、バッハの「サラバンド」オトテールの
「サラバンド」と言われても、たくさんあるのにそれはないでしょう、と
思ってしまう私ではあったが、奏者の客席を喜ばす類い稀な才能には参った。
かくしてとても心地よい気分になり、大分長い間リコーダーをくわえる
元気もなかったのにすこしやる気が出て来たのだった。感謝。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古楽週末

2012-05-19 21:32:42 | ルネッサンス・バロック音楽
大分前にチケットを買ってあったルセとクイケンのコンサート
が2日続けてあった。この半年東京にいながらコンサートにも
あまり行けなかったのでようやく行けるようになったと思うと感無量。

18日はルセのソロコンサート。
会場が自宅から近いので往復徒歩。以前は30分歩くのなんて
平気だったのがこの頃ちょっとつらい。自転車も考えたが夜なので
やめた。会場には黒に金のシノワズリーのチェンバロが燦然と
輝いていた。1970年 David Ley製作 after Dumont Paris
どこかで見たことがある・・・。



プログラムは
F・クープランの第26組曲、ラモーの新クラヴサン曲集より
デュフリの第一巻より、
アンコールは3曲(デュフリ:ロンド、ロワイエ:タンブーラン 
フォルクレ:ラ・ボアッソン)

クープランは組曲は今練習中なのでどう弾くのか細部に興味があったが
全体の流れが圧倒的な説得力で迫ってきて小細工してもダメという
気になった。デュフリがどれも素晴らしく、あらためてチェンバロの
斜陽期レパートリーとして欠かせないと思った。

そして今日の会場、所沢ミューズは初めて行くので早めに着き、
一服しようとカフェ・レストランに入ったらルセさんと目があって
挨拶しそうになった。上村かおりさんたちとなにやら楽しそうに
コンサート30分前まで話しておられた。

さてプログラム最初はフォルクレのハ短調組曲。皆ガンバ演奏かな・・
と思っていたら、昨日のアンコール曲の一つ、「ラ・ボアッソン」と
「シルヴィア」はチェンバロソロだった。この組曲はクイケンの
「ヴェルサイユの音楽」でお馴染み。CDは1970年録音だから
なんと40年以上前。やはり演奏は大分違っていて力が抜けたというか
枯れた感じが強くした。ガンバ2台のサント・コロンブ、マレが
上村かおりさんのガンバの高音部がとても綺麗なせいもあり
よかった。プログラムは「メリトン氏へのトンボー」で終ったので
余韻を楽しみたく、アンコールをせびりたくなかったが、結局マレの
2台ガンバのサラバンド一曲が演奏された。

今日のチェンバロも昨日と同じ。今日のプログラムノートによれば
曽根麻矢子さん所有の楽器だそうだ。バッハの録音によく使われて
いる楽器だ。ジャック・ズーンとの共演にも使われていた気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一区切り

2012-05-16 17:30:00 | その他
父の四十九日が終わり一段落。葬儀もそうだったが形式に
とらわれないやり方をしたので返っていろいろ考えて
大変だったが、終わってみればよかったと思う。

少しずつ日常が戻って来た感じもするが、やはり折にふれ、
父のことを思い出してしまう。母はもっとそうなのだろう。

実家の庭は今カルミアが最盛期。蕾はまるで金平糖のようで
これが開くと5弁の花びらはつながっている。蕾がはじける瞬間を
見たいのだが、音がしそうな感じだ。

庭の芝生からは庭石菖が伸びて来た。昨年はネジバナが多かった。
どうもネジバナの年と庭石菖の年とが交互にくるようだ。


ところで西洋美術館前庭で群生していた水色の可憐な雑草は
「マツバウンラン」ということがわかった。
気になりだすと結構あちこちでみかけるようになった。
アメリカ帰化植物ということなので繁殖力がありそう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西洋美術館→上野学園

2012-05-11 00:17:55 | 展覧会
上野学園大のランチタイムコンサート 古楽への誘いシリーズ3
それも最近にわかにお馴染みになったT.ヒュームのみのガンバコンサート。
なんといいタイミング、これは行かなくては、と悪天候予報も
なんのその、どうせ上野までいくなら、と 「ユベール・ロベール展」を
見てからにしようと、まずは西洋美術館へ。
前庭には水色の小さな花をつけた雑草?が群生し綺麗だった。
木々の緑も青さが増し目を楽しませてくれる。


さて展覧会は「ユベール・ロベール、時間の庭」
時間の庭とはうまく言い表したものだ。一つの画面に時間を越えた
イタリアの風景が収まっている。廃墟も多く描かれ、「廃墟の画家」と
言われる所以になっている。油彩は少なく赤チョークで繊細に描かれた
素描のあまりの数の多さに最後は素通り気味になってしまったが。

今回初めて知ったと思った画家だったがフラゴナールとほぼ同年代で、
音楽家でいうとF.J・ハイドンが近い。フランス革命の頃はどうしていたの
かと思ったら、牢獄に入り、陶器の絵付けなどもしていたようだ。牢屋に
入っていたのは一年未満(記憶が定かでないが)残りの人生はルーブル
宮を美術館にする計画の管理者 として活躍したのだった。
  
そういえば伊集院静氏「美の旅人」の終りの部分でこのロベールの名前が
あった。この↓絵はルーブル美術館蔵で今回は観られない。
ルーブル美術館には油彩画が数多くあるようだ。



東京文化会館の前から出ている100円バスで上野学園前に移動。
ここの石橋メモリアルホールは約20年ぶりだった。前回はバッハ
コレギウムジャパンのマタイ公演。最近改築したそうだ。
客席は人もまばら、中高年が多い。演奏者は桜井茂氏お一人。
やわらかな語り口での程よいトークを挟みながらヒュームの作品を
12曲楽しんだ。 A Question、An answer という不思議な題名の2曲も。

コンサートは30分だけでちょっと残念と思いながら会場を後にした。
帰りは上野駅まで歩いたら、仏壇やさんが多いのにびっくりした。
美術展とコンサートの2本立てで満足。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トバイヤス・ヒューム

2012-05-08 17:58:58 | ルネッサンス・バロック音楽
パンドルフォのソロCDにトバイヤス・ヒュームの曲が一曲だけ
「パヴァーヌ」が入っており、他の曲も聴きたくて買ったCD。
ラルフ・ルソーは初めて聴く奏者だった。今風の若者といった感じ。

ヒュームで始まり、ヒュームで終り、中ほどにもヒュームがある。
キャプテン・ヒュームとも呼ばれるようで軍隊にいて戦争の合間に
作曲していたというのだ。このヒューム氏なかなかユーモアのある方
のようで一つのヴィオ―ルを2人で弾くいわゆる二人羽織でも有名らしい。
CDに入った4曲はすべてこの曲集でみられる。殆んどがタブラチュア譜だが。




他の曲もガンバの様々な顔をみせてくれる選曲。
マレは小品2つ(アラベスクと夢見るひと)アーベル、シェンクはソナタ。

ケ・デルヴロワの「狩りのラッパ」は2台ガンバ曲を演奏者が
編曲したそうで面白い。

ガンバソロの禁欲的内省的な感じが全然せず開放的な爽やかな
感じなのでBGMにしてみたがそれでは演奏家に悪いような気がしてくる。
パンドルフォの「A Solo]の迫真の演奏はやはり群を抜いているけど
こういう軽やかな演奏もいいなと思えるこの頃。

収録曲

1. My Mistresse Hath A Pritty Thing (Tobias Hume Ca.1569 - 1645)

2. Arabesque (Marin Marais 1656 - 1728)

Sonata in d minor (Karl Friedrich Abel 1723 - 1787)

3. Allegro

4. Adagio

5. Tempo Di Minuet

6. Allegro

7. La Reveuse (Marin Marais 1656 - 1728)

8. Cors De Chass In D Major (Louis de Caix d'Hervelois ca.1675 ‒ ca.1760)

9. A Question (Tobias Hume Ca.1569 - 1645)

sonata V in eminor (Johannes Schenck ca.1660 ‒ 1712)

10. Adagio

11. Aria Largo

12. Gavotta

13. Adagio

14. Giga Vivace

15. Aria

16. An Answer (Tobias Hume Ca.1569 - 1645)

17. Now I Come (Tobias Hume Ca.1569 - 1645)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『マルセル』

2012-05-04 20:02:40 | 本・雑誌
いつだったかの朝日新聞に高樹のぶ子さんの『マルセル』と原田マハさん
の『楽園カンヴァス』の2作が絵画をめぐるミステリー小説として
紹介されており、両方とも絶対読むぞ!と思っていたのがそのままに
なっていた。

連休は天気が悪いようなので読書にふけることにしてまず昨日『マルセル』を
読みだしたらとまらず読了してしまった。昨年の毎日新聞の連載小説だったそうで、
どうりで読み易い感じがした。

マルセル盗難事件は1968年の末に起こり、時効後[窃盗の時効は7年と
短いそうだ)の1975年無事戻ったのだが犯人はわからずじまいになっている。
著者と殆んど同年代の私はそのあと起こった3億円事件と共にこの事件の
印象が今でも強く残っている。

マルセル盗難事件を追った記者を父に持つ娘のこれまた記者が亡き父の遺した
取材ノートを読んでいくにうちに事件の謎や若き父自身の姿に興味を抱き、
動き始める。主な登場人物は早い段階で出そろうがなかなか事件の核心に
いかない。パーコレーター、モカハラ―(エチオピア産珈琲豆)のキーワードが
ミステリー小説らしい道具立てになっているし、名画につきもの闇の部分=贋作家
という存在もなかなか興味深いところ。未解決事件だからこそ、このフィクションが
生まれたわけで本当の犯人がこの本を読み、驚き、真実はこうですと
手記でも書いて発表しないかな・・と期待している。

そのロートレック展が開催された京都国立近代美術館のホームページを
検索したが、盗難については一言も記述なく奇異に感じた。美術館としては
前代未聞の不祥事だろうが絵は無傷で戻ってきたのだし、やはり記録として
残すべきだとおもう。警備員は自殺し、時の館長は責任とって辞任し、
文化庁長官の犯人への呼びかけもあったので大きな社会事件となった。

小説にも出て来たロートレックの昔の映画『赤い風車』をモカハラ―を
飲みながらまた見たくなった。でも次の『楽園カンヴァス』も面白そう
なのでこちらが先になりそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする