古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

行楽気分の最後は・・

2010-03-31 22:44:29 | 
今日は友人とかねてから計画していた丸森行き。
天気もここ数日では一番よくなった。ラッキー。
阿武隈急行という名の鈍行に乗り、丸森駅で降りた。あとで
舟下り(3月までこたつ舟!)することにしてまず斎理屋敷へ。

ここは江戸時代後期に呉服屋から始まった商家の建物が残って
いる。敷地内の様々な蔵の中には商売道具、生活用具などが
展示され当時の豪商の暮らしぶりがわかる。昭和61年に町に
寄贈され、ほどなく蔵の郷土館として公開されている。
イベントも多いようだが今日は特になかったが、今まで何回と
なく行きたいと思っていたところだったので良かった。

阿武隈川舟下りは今日が31日なのでまだこたつ舟がある
だろうと期待したのだが、昨日で終ってしまったのこと。
24人乗りの舟に2人での貸切。川下りといっても急流ではないし
季節的にも中途半端で1時間の舟旅は長すぎるほどだった。
新緑や、紅葉、雪景色が見られるときに行くべきだったかもしれない。
舟下りというと船頭さんが舟を漕ぎ、○○音頭でも歌ってくれる
イメージだったのだが、モーターで動く舟で風情にも欠けたし。

というわけで斎理屋敷は面白かったが、舟下りはイマイチだった。
仙台直行の電車に乗り、帰宅したら、白い猫の方がびっこをひいて
いる。床には血痕も。兄弟乱闘のあとか・・あわてて猫をキャリーに
いれ診療時間すれすれの動物病院へタクシーで行った。
てっきり骨折かと思ったが、数日前に、怪我をして気付かなかった傷が
悪くなってしまったことがわかった。猫は鳴くぐらいでおとなしく
助かった。考えてみると猫達が仙台に来てから3年になるのに
お医者さんに世話になったことがなかったのだった。初めて行った
医院がよさそうなこともわかりこれからのためにはよかった。
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バッハのトリオソナタ

2010-03-30 13:02:30 | ルネッサンス・バロック音楽
新装なった「バロックの森」2日目はバッハのトリオソナタ
がメイン。BWV528と529に527の最終楽章が放送された。
ギエルミによるオルガンヴァージョン。鍵盤2声とペダルで3つの
声部がはっきりと弾き分けられた構築的な演奏だった。
6つあるソナタのうち、527,529は中でも好きな曲だ。

バッハの鍵盤楽曲は息子の教育や妻の練習のために書かれたと
いわれるが、こんな難易度の高い曲をやってごらん、といわれ
フリーデマンは期待に応えられたのだろうか?重圧。

オルガン以外の楽器で良く演奏され、私も以前パラディアン・
アンサンブルのリコーダーヴァイオリン+BC編成のCDにハマった
ものだった。オルガンの荘厳さが消え、いわば世俗的な楽しさに
溢れた演奏。

昨年買ってあったCDはガンバとチェンバロ(少しテオルボも入る)
でこれまた全然違う曲に聴こえる。ちょっと聴き苦しいハイポジション
もあるが、ガンバソナタが3つしかなくて残念、と思っているかたが
いらしたら嬉しい盤だ。ヒレ・パール&ショルンスハイム。

楽章により、リコーダー、トラヴェルソ、ヴァイオリン、オーボエ、ガンバ
を駆使して王宮のコンセール風にしたら楽しそうだ。
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当たらないだろうけど・・。

2010-03-29 14:38:55 | その他
最近、井上ひさしの『ボローニャ紀行』がいよいよ文庫化
したので買ったら、帯の「35人の作家とっておきのプレゼント」
の知らせが目に入った。カバーについているマークを集めるもの。
かつて新潮社の文庫マークをせっせと集め、パンダの腕時計を
手に入れたのを思い出した。もうずいぶん昔の話。
今回の文春のは抽選。〆切りがもう迫っており、3月31日まで。

家に何冊かはあるだろうと、文春文庫を探したら、15冊あった。
これを3枚の葉書に貼って、さてプレゼントは何にするかな・・と
ホームページをみてみる。好きな作家より欲しいものを優先。
といってもそれほど欲しいものもなくなった昨今。応募した人から
抽選で1000円の図書カード差し上げます、の方がいいかも。
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番組担当者交代

2010-03-28 09:07:45 | その他
新年度で馴染の番組の担当者が代わるのはちょっと興味がある。
NHK夜9時ニュースの男性キャスターが交代したのは良かった。
これから観るようになるかもしれない。
BS週間ブックレヴューのアシスタントも交代。若い俳優からNHK
アナウンサーに。新メンバーで一年経った、日曜美術館キャスターは
引き続きだろうか?「バロック、やりすぎ?」から番組の作り方も
気に入らなくなり、初めいいと思った女性アナウンサーの思わせぶりな
声の調子が耳についてきて、急激に観たい気分無くなりつつある。

実家でNHKの番組雑誌『ステラ』を見ていたら次週の「バロックの森」
の担当者が礒山雅となっていて「えー今更どういうこと!」とびっくり
したのだが、新年度から担当者が がらり代わるようだ。一番代わって
もらいたかった土日担当者が今日でお別れ。長かった。今の時点では
まだホームページの更新がない。早く見たいのに、たるんでるなあ。

「バロックの森」新担当者は皆(大塚直哉氏のぞき)かなりの大御所ばかり。
今までの新鋭音楽学者たちの先生の世代。NHKの方針が変わったのだろうか?
ともあれ大御所たちの選曲に期待。まずは明日からはこれらの本で
お世話になっている礒山氏からスタート。
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ヘンデルのDVD 

2010-03-27 13:31:57 | ルネッサンス・バロック音楽
先月のNHKバロック講座で講師の先生が紹介されたDVDが
面白そうだったので、通販代行までお願いしてしまったヘンデル
DVDを受け取った。題して[バロックスター G.F.ヘンデル]
どうも講座の受講生はあまりネット通販などなさらない奥さま方が
多いようなのだが、今回はつい私まで頼んで申し訳なかった。

このヘンデルDVDはなんと日本語字幕付きで、有難いと思って
見始めたら、「なんじゃこれ?」という字幕が出てきた。

幼いヘンデルが父親に禁止された楽器の練習を夜、屋根裏で隠れて
していたというエピソードが出てきた。子供向きの偉人伝の類に
よくある話みたいだが、その逸話に基づいた絵も出てきた。
なんだかいかにも・・という挿絵風の絵。それはともかく、可愛らしい
ヘンデルが弾く楽器は紛れもないチェンバロなのに、日本語字幕は
「小型オルガン」と出ていた。「これは明らかに間違いだよね、、」と
音声に耳を傾けたら、ドイツ語で「クラヴィコード」と発音していた。
「クラヴィコード」ではないでしょう、と今度は英語音声にしたら、
やはり「クラヴィコード」。ためしに三澤寿喜氏の伝記「ヘンデル」
を調べてみたら、「クラヴィコード」で練習とある。皆が寝静まった
夜に練習するのはやはりクラヴィコード。となると絵を描いた画家が
間違ったのかもしれない、というところで一応決着。

そんなことがあり初めから少々躓いたが、ヘンデルにゆかりのある土地、
さまざまなグループの古楽器演奏、ヘンデルハウスでのホグウッドを
はじめとする、音楽学者や演奏家の解説もあり、ヘンデルの一生をさっと
みるのにはいいDVDだ。
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新たな気持ちで  

2010-03-26 19:02:20 | その他
午前中のうちに下りの新幹線で帰ってくることは殆ど
ないのだが今回は例外。いつも仙台に戻るのは夜なので
今日は天気も良く新幹線車窓から遥かに太白山が見え、
思わず携帯で写真を撮った。三角おむすびのようで愛嬌がある。
このあといくつかのテレビ塔が見えだし、仙台に戻った、
という気分がする。

昨日は一人娘がついに結婚。一日中雨が降り続いて気温も
低く天気は最悪ではあったけど本人たちの意向による、
こじんまりした内輪の結婚の儀が無事終了。

私にとっては何回目かの子離れの日になった。
今まで、高校入学、大学入学、就職のたびにだんだん親から
離れていく実感はあったが、相変わらず様々な心配が心を
離れなかった。娘はよき伴侶を得て、輝いて見えたので
今までの心配の数々が潮がひくように無くなっていった。
これで目下の心配の種は老親だけに。自分が心配される
立場になるのはまだずっと先だと思いたい。頑張らなくては。
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ボノンチーニのパトロン

2010-03-22 09:29:46 | ルネッサンス・バロック音楽
ボノンチーニがイギリスに渡ったのは1720年のこと。
1670年生まれだから50歳になっている。もっと早い時期かと
勝手に思い込んでいた。イタリア国内、ウイーン、ベルリンなどで
名声を確立した後、イギリスに招かれたのだからそういう年に
なっているのも不思議はないか。ディヴェルティメントCDの解説書に
既に1711年には「2本のリコーダーとBassのためのエア」という
曲集がロンドンで出ていると書かれていたので、まだリコーダー曲が
あったのだ!と嬉々として楽譜屋サイトで探した。
「2本のリコーダートBassのための7つの組曲」というのがあった。
7「組曲」入って1446・42円というのはずいぶん御買得だけど
7曲かも。はたしてどんな曲なのだろうか、楽しみ。

ところでイギリスへ行ったボノンチーニはヘンデルと一時は人気を
二分したほどの勢いだったようだ。片やヘンデルが王室に重用された
のに対し、ボノンチーニは1代目モールバラ公爵の庇護の元にあった。
この公爵が亡くなってからは跡継ぎ男子が早世したためため、既に
嫁いだヘンリエッタが夫共々呼び戻され、2代目モールバラ公爵となり、
パトロンも引き継いだようだ。
この女性公爵(写真画)は音楽に理解があったかどうかはわからないが、
なまめかしい美女。愛人までいたそうな・・・。

モールバラ公爵の館はイギリス・オックスフォード近郊ウッドストックに
ある、壮大なるバロック建築のブレナム宮。ウィンストン・チャーチルが
生まれた屋敷としても有名で観光スポットになっている。
世界遺産になっているのでTVなどでも見ることがある。館も庭も広すぎて
大昔に訪ねた時は、迷子になりそうだった。敷地を走る小さな電車?で
かなりはずれの終点まで行き、散策していたら、帰りは電車もなく、
聞く人もなく、閉館時間を気にしながらただ出口を求めてひたすら歩いて
へとへとになったことを思い出す。とにかくスケールが違う。
どのくらいの広さかといいうと
 http://www.blenheimpalace.com/ によれば2100エーカー。
1エーカー≒1224坪なので約257万坪!といってもよくわからない。
よく比較される東京ドームの何倍といっても私にはわからない。
皇居の広さの5-6倍だといったところでへーと思うが、やはり広すぎて
よくわからないのは同じ。
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春の香

2010-03-21 12:58:31 | 料理・食べ物
国道沿いに昔ながらの味噌醤油屋さんがあって、
「ふき味噌」の張り紙がしてあるのが目に入った。
蕗の薹のシーズン。
どこだったかか牛タンの店で定食に蕗味噌が少し付いていて
牛タンともよくあうな、と思った。

我が家の猫の額裏庭にこの季節、蕗の薹が決まって出てくるのに
今年はさっぱり。採らないでそのままにしておいたら花が
咲いてきた。一時は蕗味噌を作るのに困らないほど採れたのに、
年々減っては来て、去年は買った蕗の薹とあわせて蕗味噌が
作れたのに今年は無理。

こちらでは蕗味噌をばっけ味噌とも呼ぶ。宮城県だけでなく
蕗の産地秋田でも蕗の薹は「ばっけ」だそうだ。なんでだろう?

これからは山菜の季節。東北は山菜の種類も多く、普段見慣れない
野菜がみられるので楽しい。 現代人の口に合うように苦みが
足りないような山菜が多くなったような気がするが。
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バッハのガンバソナタ

2010-03-20 11:03:59 | ルネッサンス・バロック音楽
「バロックの森」土日は無駄なおしゃべりが入るので敬遠して
いるのだが、今日はアーノンクールのガンバというので聴いて
みた。1968年の録音ということなので、当然チェンバロは
モダン楽器。音量と音質で完全にガンバの邪魔をしていた。

巨匠レオンハルトがバッハ役になっていた映画『アンナ・マグダレーナ・
バッハの日記帳』に若いアーノンクールもちらっとでていたが
その頃の時代の録音だろう。まだこういうCDが販売されているのにも
ちょっと驚いた。歴史的価値ということだろうが、世の中のバロック
愛好家の高年齢層(例:リヒター礼賛者)にはモダンチェンバロの音が
チェンバロと思っている人も多いのだ。

というわけで口直しならぬ耳直しをしようと思って、我がCDを調べたら、
クイケン2枚に驚きのチェロ演奏1枚(フルニエ)が。思い返してみたら
チェロ盤は大昔に知り合いから2枚ダブっているからと貰ったのだが、
やはり聴いてない。今でもモダンチェロ演奏もたまには見かけるけど、
やはりこの曲を弾きたいのならガンバを習得してくださいね・・。

クイケンの古い方は1974年録音でチェンバロはレオンハルト
   新しい方は 2002年録音でチェンバロは息子のピート
こちらは無伴奏チェロ組曲も入って3枚組 チェロは息子のフィリップ作

ソナタ3曲とも甲乙つけられない魅力的な曲だ。チェンバロの右手
は旋律なのでトリオソナタの構造だ。ガンバがなくても弾いていて
気持ちがよい。いつガンビストからお声がかかっても弾けるように
しておきたいところ。

今日の「バロックの森」の最後はパンドルフォ弾くマレの「フォリア」。
通低にガンバ、テオルボ、ギター、チェンバロの入った豪華メンバー
演奏で〆られたので後味はよかった。
久しぶりにパンドルフォの『A SOLO』と題された無伴奏曲を
集めたCDを聴きたくなった。これを聴くと実演の感激をを思い出す。

朝、「バロックの森」で聴いた曲から次々と連想がわいて、CDを
聴いたり、弾いたり、吹いたり、楽譜&CD検索、、と忙しくなる。
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あわてて返却

2010-03-19 18:47:29 | 本・雑誌
今日は久しぶりに真っ青な空を仰げた。長らく待たされたヒヤシンス
早く咲かないかな・・。
借りた本の返却日ということに今朝気づき、(本棚に埋もれていた
のと、最近買った本の方を読んでいたのですっかり忘れてしまった)
あわてて少し拾い読みしたが時間切れ。
「音楽の社会史」という本で主に19世紀の音楽家の生活を
当時の社会を通して描いている名著の改訂新版。

バロック時代以降の話が主なのでバロック時代の作曲家は
少しだけしか登場しない。音楽家がいわば内職として、
楽譜出版や楽器商いをしていたというのは旧知の事実で
あったが、哲学者ルソーが何をして生活の糧を得ていたのかが
意外だった。この本によれば作曲もしたルソーが7年間も
なんと写譜をして、生計をたてていたそうだ。
一年に1600枚、一日だと4・5枚写譜をすれば食べられた
ようだ。今のように出版譜が沢山出回っていない頃は写譜の
需要は相当数あったのだろう。こういう類のこぼれ話的
なものは人間味あふれていて最近は結構好きだ。    

本を返すついでにまた借りようと思ったのが、「ピアノは
いつピアノになったか」という本。ピアノの変遷を時代に即した
各楽器の演奏付きCDで耳でも聴けるという興味深い本だったが、
これからの2週間で読めそうにないので延期。

音楽選書オルフェ 新 音楽家の社会史 (オルフェ・ライブラリー)
西原 稔
音楽之友社

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ピアノはいつピアノになったか? (阪大リーブル001)【CD付】
伊東 信宏,松本 彰,渡辺 裕,渡邊 順生,村田 千尋,S. ギニャール,岡田 暁生,小沼 純一,三輪 眞弘
大阪大学出版会

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竹繊維のマフラー 

2010-03-18 21:44:27 | 手織 手仕事
竹林をみつけると、その中に入ってひんやりした空気と
さわさわと葉のたてる音を聴いてみたくなる。

以前買ってあった竹繊維70%綿30%の糸とずっと昔に
立ち寄った鎌倉の手織り店で買っておいた竹100%ブークレ糸
を合わせて織ってみた。ブークレ糸の方はとても艶がいい。
でもこんがらかると大変。何回か癇癪を起して切ってしまった。

これからのシーズンのマフラーは防寒対策というよりは服装の
アクセント用だ。竹から作った糸がこんなにしっとり、柔らかいのは
不思議な気がする。
竹の布というのも良く見かけるようになった。自然素材と思って
いる木綿の栽培には沢山の農薬を使われ、問題になったことがあった。
オーガニックコットンというものは農薬を使わないそうだが、
とても高価。そこで目をつけられたのが竹のようだ。竹は肥料を
必要とせず、成長も速い。水上勉が竹から紙を漉いているという話は
以前に聞いたが、竹の布製品がエコブームにのって流行ってきたのは割と
最近のことだ。

思えば昔から人は植物の繊維から糸を作ってきた。草の類から木に
至るまで。羊毛を刈り取るより何倍も手間暇がかかる。
竹から出来た糸を見つめながら時代は隔たっても昔の人も感じたで
あろう手作業の喜びを感じた。
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ピッチ392→440

2010-03-17 16:20:58 | ルネッサンス・バロック音楽
通称ヴェルサイユピッチ392で合わせたいとの古楽友のご希望で
チェンバロを数日前、392に調律。

415に慣れた耳には半音とはいえ大分低い。440と比べれば
一音低いわけだからいわゆる「絶対音感」とやらがある人は気が
狂いそうになるはずだ。
せっかく半音下げたのでルイ・クープランの『パヴァーヌ』を
久しぶりに弾いてみた。テンションが下がり、気持ちが落ち着く。
やはり415に慣れているので時々鍵盤をみて音を確かめたくなる
こともあった。ピッチが違うと曲の印象まで違ってくる。

さて昨日はトラヴェルソとガンバでモンテクレールとド・ラ・バールの
コンセールや組曲を合わせてみた。殆ど初めての曲で、次から次へと
合わせたのでこの中から選んでじっくり取り組みたいところだ。
しばらく392のままにして、この際フローベルガーもまたさらって
おこうかと思う。

そして今日はリコーダー友のところへ練習に行った。
友人の415のリコーダーが只今ドック入りということで
普段は使わない440のメックを持っていって合わせた。こちらは
異様に高く感じた。なかなかついていけない、古楽に親しむ前は
ピッチの違いなどには何の興味も持たなかったが、笛は特にこの
3種類以外のピッチもあって曲に合わせてピッチやモデルを選ぶ
という楽しみ方があるということを知ったが、それには先立つ
ものがない。

自家製リコーダーケースはもうかなりくたびれている。
ソラ豆のさやのように内側をフワフワのボアにしたのだが、
薄汚れてしまった。これを作った時はかなり大変だった。
手織り布は切るとほつれやすいので細心の注意が必要。
リコーダーは新調できないけれど、せめてケースを新しく作ろうか・・。
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J・モレルのシャコンヌ  

2010-03-16 10:35:10 | ルネッサンス・バロック音楽
ルクレールのヴァイオリンソナタのCDを聴いていたら
4番の「シャコンヌ」から、J.モレルの「シャコンヌ」を思いだした。

モレルの「シャコンヌ」は数年前L子先生門下トラヴェルソ発表会に
出たときの通低担当曲の一つでその時に知った。この時はルクレール
のトリオ通低もあり、これまたいい曲で嬉しかった。ルクレールは
めちゃくちゃ難しかったが。
旋律楽器としてのガンバに通低ガンバもあるという豪華編成だった。
この「シャコンヌ」はなんとも牧歌的な魅力に溢れており、ほのぼの
してきてとがった心がまるくなる感じ。
それ以来時々弾きたくなったり、吹きたくなったりすることがある。
トラヴェルソを指定してあるので、リコーダーで吹く時はヴォイス・
フルートがいいのだろうけど、残念ながら持ってないのでアルトで。
たった一か所の低い「レ」だけがアルト音域外なので一オクターブあげて
しまってごめん蒙る。

モレルはマラン・マレの弟子なのだそうなので、ガンバパートにも華がある。
ただ寡作作曲家で他には2・3の宗教曲があるだけのようだ。
笛とガンバ奏者にとっては魅力的な曲なのだろう、録音も多い。
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ひと足先に春

2010-03-15 11:05:13 | その他
東京は暖かく、沈丁花の匂いが所々でしていた。
初秋の金木犀と初春の沈丁花はいずれも強烈な匂いで季節の移り
変わりをはっきり知らせてくれる。実家のボケも梅も満開だった。

留守中、仙台で2回も地震があった。私が留守中に地震がよく
起こるようで、今までも何回かそういうことがあった。
自分は怖い思いをしなくて助かったとまずは思ってしまうが、やはり
何か異常や被害があったら、、と心配になり、早く帰宅して安全を
確認したくなる。物音や揺れには敏感な猫。地震があるとまず家の中の
隅に逃げて身を隠し、しばらくは出てこない。

土曜夜の地震は東京でも感じた。ちょうど要介護2の父が眠りにつき、
やれやれ、と母とお茶を飲みながら、NHKのドラマを見ていた
時だった。大事な場面に速報が出たのでしばらく物語から気持ちが
それてしまったが、かなり見ごたえのあるドラマだった。

そのドラマは室生犀星原作「火の魚」で老作家と担当編集者の
対話の中に金魚娘が出て来た時、昔読んだ奇妙な短篇を思い出した。
その短篇は「蜜のあはれ」で老作家と飼っている金魚の会話で
成り立っているなんともシュールな小説。ドラマ原作本の方は
読んだことはなかったが、このドラマは原作に設定を借り、
「孤独」ということを十分に考えさせられる今に通じる作品に
なっていた。役者二人の芸も良かったし・・。普通気になる音楽
も記憶にない(笑)。

まだ先日の大雪の名残が見られ、我が家のボケの蕾はかたかった。
ヒヤシンスの芽は着実に伸びてきているし、もうすぐ春だ。
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バロック不慮の死作曲家御三家 

2010-03-11 09:05:26 | ルネッサンス・バロック音楽
今朝「バロックの森」でルクレールの『トンボー』ソナタが
放送された。重音で始まるGraveは 実にかっこいいし、
全楽章にわたりヴァィオリンの輝かしい響きに満ちている。
寺神戸さんの大分まえに出たルクレールソナタ集はルクレール
を知るには御値段もお買い得。

ルクレールは不慮の死を遂げた作曲家の一人なのだ。
長命作曲家御三家の後、不慮の死作曲家を調べようと思いながら、
結局その時浮かんだ3人を御紹介。まだこの人がいるじゃないか
と思われる方、教えてくださいね。

まず映画ルイ14世『王は踊る』でその場面があったので
良く知られることになった、
 ①リュリ(1632-1687)
 イタリア生まれだが、ルイ14世の宮廷楽団を牛耳るようになる。
 当時の杖のような指揮棒を足に突き刺してしまい、その傷が壊疽になり
 やがて亡くなる。リュリの妻はかの長生き2位のミシェル・ランベールの娘。
 
そして、ヴァイオリンの魅力を存分に引き出す曲を沢山作った
(一部はトラヴェルソでも演奏)ルクレール
 ②ルクレール(1697-1764)
 ヴァイオリン奏者作曲家、ダンサー。2度の結婚に破れてからは
 音楽界を退き、パリ郊外に住み、数年後何者かに刺殺された。
 2番目の妻(楽譜彫版師)にも嫌疑がかけられたが、事件は迷宮入り。

三番目のブランクローシュは前の2人に比べると大分マイナーかもしれない。
作曲家とはいえないのかもしれない、というのは多分作ったらしい小品
があるのみ。でも考えるに作曲家兼演奏家の時代だ、残っていない
だけではないかと思う。
 ③ブランクローシュ(1605-1652)
 当時きってのリュート奏者、階段から落ちて、ちょうど同じ屋敷にいた
 フローベルガーの腕の中で息を引き取った。
 4人の作曲家がブランクローシュを悼むトンボー(墓の意味で音楽用語
 だと追悼曲)を作曲。4人とは
 ゴーティエ、デュフォー、ルイ・クープラン、そしてフローベルガー。

普通の死に方でないととかく話題になってしまう世の常。①②は沢山の
曲を残しているが、ブランクローシュの名演ぶりは知る由もない。
でもこんなに曲を捧げられて幸せ者だ。

ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ
寺神戸亮
コロムビアミュージックエンタテインメント

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