古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

センチメンタル・コンサート

2014-03-27 22:44:28 | クラシック音楽
3月初め母が亡くなり、覚悟はしていたもののこんなに悲しいとは想像してなかった。
一月末ようやく退院してたまによくなるかもしれない、と思うときもあったが
全体的に年には抗えず衰弱してしまっていった。

昨日行った「坪田昭三室内楽リサイタル」のチラシを2月初め母に見せ、「昔のピアノの先生のコンサートよ」、と言った時もわかっているのかわかっていないのかはっきりしなかった。

母が亡くなりコンサート行きはまだ自粛すべきかと迷ったが大昔、母と一緒に
よく巌本真理弦楽四重奏団のコンサートに行ったという思い出もあるので
供養になるかもしれないと思い行くことにした。
ピアノの入る3、4、5重奏の曲には必ず登場したピアニストでもあった。
会場も同じく東京文化会館小ホール。

さてプログラムはモーツアルトのピアノコンチェルト3曲の室内楽版で
ピアノ5重奏曲の形だ。第一ヴァイオリンをアメリカで活躍中の先生の娘さん
が弾き、チェロとコントラバス以外は巌本真理弦楽四重奏団のメンバーだったのも
懐かしかった。息のあった弦楽団に控えめなピアノがとけあって端正な演奏
だった。80才過ぎの方が弾いているとは思えぬピアノだった。アンコールは
先生が一番好きだといわれたK414の2楽章が弾かれ、老成した落ち着いた
音楽を聴くことができ、しみじみ行ってよかったと思った。

坪田先生は私がまだ10代後半から20代前半に習っていたピアノの先生であった。
幼い時から数えると4人目で最後のピアノの先生になる。趣味でピアノを弾く
私であったが、レッスンは結構厳しかった。発表会では2台のピアノ曲
(モーツアルトソナタやシャブリエのスペイン)を弾いてアンサンブルの楽しさを
味わったのも貴重な経験だった。

40年もお会いすることがなかったし、演奏も聴かなかったのだが20年ほど前
ある古楽講習会でやはりピアニストの奥様に偶然お会いし、ご無沙汰を許して
いただいたのももう昔のこととなった。先生のご健康を心から願うばかりだ。


コメント
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