今年最後の「古楽の楽しみ」は F.クープランの[諸国の人々]から
『ピエモンテの人』が放送された。他の諸国がフランス、スペイン
神聖ローマ帝国なのに第4曲はピエモンテという一地方がとりあげられて
いつも不思議な気がする。L.クープランのクラヴサン組曲にも「ピエモンテ」
と題された一風変った面白い曲がある。2人のクープランにはピエモンテに
何か特別の想いがあるのだろうか?
その前に放送されたのはマラン・マレのトリオ組曲のハ短調。
マレとクープランは楽譜出版の際の、共通する優秀な彫版師がいて
お互いに発注を譲り合うという微笑ましいエピソードがある。
エングレービングというとどうしても彫版による楽譜のことが
頭に浮かんでしまう私だが、世の中にはこの方法で生み出された絵画
はじめ、様々なものがある。
Bunkamuraで開催されているキャプテンクック探検航海と「バンクス花譜集」展
Bunks'Florilegium では英国のキャプテン・クックの第1回の太平洋航海
(1768~1771年)に同行し植物採集をしたジョセフ・バンクスに
よる花の銅版画がたくさん観られる。
もっとも彫版師が誰だかはわからない。図録を買えばわかったかも
しれないが・・・。
バンクスという人はお金持ちの植物学者でこの航海のスポンサーでも
あったということで、同行した画家に下絵を描かせ、3年間の航海後
イギリスで銅版画を出版しようとしたらしいが、画家が亡くなったり、
資金繰りが難しくなったとかで出版を諦めざるをえなくなり、ずっと
お蔵入りになっていたらしい。日の目を見たのが200年後の1980年代
とは驚きだ。
バンクスという名前はオーストラリアの植物の分類上の名前に残されて
いるという。なかでも「バンクシア・セラータ」という植物は山火事の時に
実が爆ぜ子孫を残すようになっているという。
この頃は花屋さんにも南方の珍しい花を見かけるがどきつく馴染めない感じが
していたが、展示された花の絵はどれも抑えた色調で細密な描写や精妙な彫
版からは自然への愛情と摂理を理解しようとする熱意が感じられて圧倒された。
チラシは2種類あり、版画らしい手作り感もあって素敵だ。
アンサンブル・フロリギウムという古楽器グループがあるがFlorilegiumフロリギウムと
はラテン語で「花を集めた」という意味とのことだ。アンサンブル・花譜集か。
『ピエモンテの人』が放送された。他の諸国がフランス、スペイン
神聖ローマ帝国なのに第4曲はピエモンテという一地方がとりあげられて
いつも不思議な気がする。L.クープランのクラヴサン組曲にも「ピエモンテ」
と題された一風変った面白い曲がある。2人のクープランにはピエモンテに
何か特別の想いがあるのだろうか?
その前に放送されたのはマラン・マレのトリオ組曲のハ短調。
マレとクープランは楽譜出版の際の、共通する優秀な彫版師がいて
お互いに発注を譲り合うという微笑ましいエピソードがある。
エングレービングというとどうしても彫版による楽譜のことが
頭に浮かんでしまう私だが、世の中にはこの方法で生み出された絵画
はじめ、様々なものがある。
Bunkamuraで開催されているキャプテンクック探検航海と「バンクス花譜集」展
Bunks'Florilegium では英国のキャプテン・クックの第1回の太平洋航海
(1768~1771年)に同行し植物採集をしたジョセフ・バンクスに
よる花の銅版画がたくさん観られる。
もっとも彫版師が誰だかはわからない。図録を買えばわかったかも
しれないが・・・。
バンクスという人はお金持ちの植物学者でこの航海のスポンサーでも
あったということで、同行した画家に下絵を描かせ、3年間の航海後
イギリスで銅版画を出版しようとしたらしいが、画家が亡くなったり、
資金繰りが難しくなったとかで出版を諦めざるをえなくなり、ずっと
お蔵入りになっていたらしい。日の目を見たのが200年後の1980年代
とは驚きだ。
バンクスという名前はオーストラリアの植物の分類上の名前に残されて
いるという。なかでも「バンクシア・セラータ」という植物は山火事の時に
実が爆ぜ子孫を残すようになっているという。
この頃は花屋さんにも南方の珍しい花を見かけるがどきつく馴染めない感じが
していたが、展示された花の絵はどれも抑えた色調で細密な描写や精妙な彫
版からは自然への愛情と摂理を理解しようとする熱意が感じられて圧倒された。
チラシは2種類あり、版画らしい手作り感もあって素敵だ。
アンサンブル・フロリギウムという古楽器グループがあるがFlorilegiumフロリギウムと
はラテン語で「花を集めた」という意味とのことだ。アンサンブル・花譜集か。