古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

ロッシとロッティ、バッサーノとバッサーニ

2016-06-30 10:02:00 | ルネッサンス・バロック音楽
先日の発表会打ち上げで「ミケランジェロ・ロッシ」いいよね、と友人が言って
いたことから、いつだったか『古楽の楽しみ』で流された「パッサカリア」を
思い出した。とても短い曲だがパッサカリアのエッセンスを抽出したような
佳品。楽譜をみたら、ロッシでもこちらはミケランジェロ(1601?~1656)
ではなくルイージ・ロッシLuigi Rossi (1597?~1653)。同時代
なので混乱してしまう。

バロック作曲家は親子や兄弟も作曲家や演奏家というのがとても多い。
バッハ、クープランは別格として、ガブリエリ、スカルラッティ、レイエ、
サンマルティーニ、マルチェッロ、フィリドール、など・・。

名前が似ていてどっちだっけ?と間違えそうな作曲家もいる。
例えばファッシュとフェッシュやシャインとシャイトも私には紛らわしい。
コレッリの時代、人々がコレッリとトレッリと間違えたという伝えもある。

アントニオ・ロッティAntoni Lotti(1667~1740)は先ほどのロッシ(Rossi)のせいか
R とLもどちらかわからなくなることがある。
作品は合唱曲の「十字架に架けられて」が有名だが、他のジャンルにもかなり作品が
残っているようだ。
長大なミサ曲は、少し後の世代のヘンデル、バッハ、ゼレンカ、ビーバーに影響を
与えた重要な作曲家らしい。

バッサーノとバッサーニも混乱する。作曲家バッサーノは複数いて一番有名な作曲家
ジョバンニ・バッサーノ(1560?~1617)はヴェネチア、コルネット、
というと必ずでてくる作曲家。ディミニュ―ションに関する本は有名。
これが便利な世の中、 imslp でみられるのだ。今回初期バロック曲をさらって
みてディミニュ―ションを自分で考えるとすぐ種切れになってしまうので、今度は
これを参考にしようと思う。

ジョバンニ・バッティスタ・バッサーニ(1657?~1716)のトリオソナタは
吹いてみたい曲だが、作品はあまり残っていないのか寡作なのかは不明。










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ひとつ終わり

2016-06-28 08:15:30 | ルネッサンス・バロック音楽
本村先生のリコーダー発表会が終わった。
今回ソロ曲はソプラノリコーダーでG.A.チーマとメールラ。
メールラはリコーダーコンソートでもよく吹かれ、「うぐいす」
は特に知られている。ソナタ一番を知ったのは大分前なのだが
初期バロックは「自由に吹く」というイメージがあり、
録音も揺れまくるテンポ、超絶的な技巧をひけらかしたものも多く、
自分には遠い曲だった。もう少しわかりやすい曲はないかと探していて
見つけたチーマの「カプリツィオ」をレッスンに持っていったら
先生に「初期バロック曲導入にいいですね、」といわれ、これと
メールラとをセットにするとなんともいい感じの音楽の流れになると
確信し、思い切って発表会の曲にしてしまった。それからは
なかなかの苦難の道であったが、だんだん自分の中にこうしたいと
いう気持ちが湧いてきた。チェロとチェンバロは2声としての
役割大きく3声アンサンブルとしてのまとまりがだんだんできて
きて練習が楽しかった。本番は息の調節が崩れて散々なことに
なり、落ち込んだがまた次の初期バロック曲を探している。

今回は欲張ってケラーのトリオソナタも吹いた。こちらは6曲ある
うちの一曲。いままで2曲は合わせたことがあるが、今回の1番は
かなり難しい方だった。本番はタイミングだけは崩さずにいけたが
数か所のミスがあり、終わってからもう一度吹かせてください、と
いいたくなった。

リコーダー2本のトリオ曲もたくさんいい曲がありこちらも
レパートリーを増やしたいし、コンソートもしたいし、
それを実現するにはボケないようにしなければ・・。

2002年に始まった発表会の最初にデュパールの組曲4番を
吹いてから早14年。2005年までは連続で参加し、長い
ブランクのち2012年に3Reトリオで一時復帰、2015年
夏から本格的復帰し現在に至っている。415ソプラノリコーダーは
今まであまり出番がなかったのだが、今回酷使したせいか
サミング跡がひろがったようだ。この跡がつくのはよくない押さえ方だと
おっしゃる先生もいらっしゃるが私には練習の証のようにみえて
なにか愛おしくなる。
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いいよ発表会の始まり

2016-06-24 10:43:35 | ルネッサンス・バロック音楽
F・クープランのクラヴサン曲集の現代譜に新たなにベーレンライター版
が加わったということを先日の桒形先生のクラヴサン講座で知った。
ファキシミリは無料サイトにあるのですぐ印刷することが出来るが
読み難い場合もあり、つい現代譜に走ってしまうが、現代譜には
いろいろ間違いや問題があり一つの版だけには頼れない。

そこに新しい版の登場ということで長年の研究の成果がみられるの
ではないかと期待が募る。序文などの解説(英仏語でドイツ語無しだそう)
も充実しているようなので興味が湧く。まず一巻が出版されたが既に
手に入りにくいようだ。値段は35€ ユーロは只今115円と安いので
お買い得。


次の日曜はリコーダー発表会。今回は初期バロックの佳作に挑戦する。
バロックチェロとチェンバロと一緒のアンサンブルも初めて。
レッスンを受けたり練習を重ねていく度に曲は少しずつわかってきて
とても楽しいのだが、あれこれ悩んでいるうちもう本番を迎えることに
なってしまった。私が今できるのはこのくらいかな、と腹をくくることに。

7月にはまた別のリコーダー発表会が2つあるがソロではないので大分
気が楽だ。仲間やお相手に迷惑がかからないようにまず確実に吹くことだ。
これが終わると8月末は仙台での恒例「樹の会」のチェンバロ発表会。
つい最近曲を変更したくなってしまい、目下新曲を練習中。マンネリに
陥りがちだったので新鮮な気分になっている。

合唱は先日パレストリーナのミサを元にプロのヴォイストレーナーの指導
を受け、みるみる変わっていくハーモニーの心地よさに大勢(といっても10数名)
ならではの醍醐味を味わった。リコーダー合奏も合唱も他のパートが何を
しているかをちゃんと聴けてないといけないのだが声部が多くなると大変。
5声くらいまでならどうにか、と思うが多層的に聴けるような耳が欲しい。







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J.B.プラッティ

2016-06-16 09:57:00 | ルネッサンス・バロック音楽
今週の「古楽の楽しみ」担当は初登場の渡邊孝氏による
プラッティ特集。
チェンバロを始めたころ、どんな曲があるか何も知らず、
上京の折に御茶ノ水の「アカデミアミュージック」でよく
楽譜の立ち読みをしたものだった。その中で買ったものが
プラッティのソナタ集。ある夏にグレゴリオ音楽院のサマーコースを
受け、その時に用意したのがこのプラッティソナタの2番と
とJ.マンデイの「ロビン」だった。
今から考えるとチェンバロ「正統レパートリー」には程遠い。
講師が「・・・??」という反応だったのも無理もなかった。

時代はチェンバロからフォルテピアノへの移行期。エマニュエル・
バッハのような古典派風の曲想がここにも見受けられる。
そんなわけでプラッティというと鍵盤楽器曲しか知らなかった
ので今週ずっと新しい曲が聴けてよかった。

「繊細かつドラマチック」といわれたチェロソナタも思わず
引き込まれる魅力があった。プラッティは1697年生まれ。
ルクレールやクヴァンツと同年でバロックから古典派時代の
過渡期の作曲家、古典派になると何だかつまらないと感じてしまうが
特に1690年代生まれにはバロック末期の個性あふれる
作曲家がひしめいていて面白い。



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テーマ拝借

2016-06-10 13:40:00 | ルネッサンス・バロック音楽
今朝の「古楽の楽しみ」はリクエスト日、スウェーリンクの
「モレ・パラティ―ノ」がかかった。テーマが当時はやった民謡
だそうで聞いたことがあった。アスペレンの演奏もリラックしていて
よかった。歌詞の内容を知りたいものだ。

まだチェンバロを初めて間もない頃最初に出た発表会でT.モーリーの
「ナンシー」という曲を弾いたのだがこのテーマと少し似ている。
ヴァ―ジナルブック1巻にある曲で変奏曲になっている。
このテーマは作曲家の心をとらえたとみえて かのブクステフーデも
使って変奏曲を書いている。


スウェーリンクはこのほかにも当時の民謡から変奏曲の傑作を数曲
書いているが、私が初めてスウェーリンクの名前を知ったのは
「間抜けなシモン」という小品であった。題名が面白いので一度きいたら
忘れられない。これを「笛の楽園」に見つけた時は嬉しかった。

そういえば今日の古楽博物館コーナーではリコーダーの登場で
あった。ソプラニーノ・リコーダーによる、クープランの「愛の
夜鳴き鶯」を聞きながらソプラニーノだけではまだまだ十分にリコーダー
の魅力を伝えきれないのでは・・・と思った。









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バードとぺルト

2016-06-03 10:45:00 | ルネッサンス・バロック音楽
今朝「古楽の楽しみ」はリクエスト日でバードのモテット「苦しみの時、主に叫ぶと」が
放送された。
まだ「朝のバロック」時代にテープ録音をしていたことがあって、
この曲はそれ以来好きな曲になった。後に買ったCDは今日放送の
シックスティーンによる愛聴盤。

8声ということもあり、仙台で入っていた合唱団で歌う機会はなかったが
今の合唱団では出来そうなのでそのうちにぜひ歌いたいと思っている。
幸い、音大の図書館で楽譜を見つけたので近くコピーしに行く。

シックスティーンの新しいCDはバードとアルヴォ・ぺルトの組み合わせ。
ぺルト曲が3つ入っている。



ぺルトは最近リコーダー合奏講座で「パリ・インテルヴァッロ」を合わせる
という機会があった。「断続する平行」という訳になっている。

パリ Pari とは 等しい
インテルヴァロ とは 間隔 
要するに等間隔という意味のようだ。

メロディ的なものはなく、4声がもの静かに終わりのない響きを重ねていく。
じわじわと変わる和音に次はどんなか、、と期待で、集中力が上がり
祈りにも似た気持ちになる。
元々はオルガン曲でYoutube で聴ける。無伴奏合唱曲でのヴァージョン
「ダ・パーチェム・ドミネ 主よ平和を与えたまえ」も素敵だ。

ぺルトはヒリヤード・アンサンブルの最後の公演でも聴き、感動したのを
思い出した。





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