今朝の「古楽の楽しみ」では久しぶりにオトテールの「エコー」が聴けた。
何といってもわかりやすいのでアンコールなどでもよく吹かれる曲。
響きの良い会場であれば効果も上がる。
O.ラッソの「楽しいこだま」もそのものずばり、ダブルコーラスで歌われ、管楽器編曲版もよい。
B.マリーニの3本のヴァイオリンのエコーソナタもある。何の曲か忘れてしまったが、
エコー係の奏者が舞台袖で演奏して拍手喝采だったコンサートなど思い出す。
エコー効果を狙った曲は鍵盤曲にも沢山あり、バッハの「フランス風序曲」の終曲はずばり「Echo」。
2段鍵盤を上下するのでそのことばかりに気がいくと、ダメでタイミングが大事。
オルガン曲もスウェーリンクの「エコーファンタジー」はじめ、部分的にエコーに
なる曲は沢山ある。
今、私が苦労して練習しているF.Tunderの「コラールファンタジー」にもエコー箇所があり、
オルガンの残響をフルにつかって効果のあがるところだ。
ところでエコーはギリシア神話にあった気がすると思い、岩波少年文庫「ギリシア・ローマ神話」
で調べた。子供のために書かれた本(1954年発行)で上下2冊。ちょっと調べるのによいので
長いこと持っている。
この本によると、エコーは森のニンフでおしゃべりが大好き、ゼウスの正妻ヘラの怒りを
買い、自分から話をするのを禁じられてしまう。ある時、思いを寄せる、ナルキッソスが
話した言葉をエコーがおうむがえしにしたことからナルキッソスの不興を買い、森の奥に
隠れ、悲しみのためにだんだんやせ細り、とうとう声だけになってしまう。この声が
今でも自分に話しかける人々に返事する。それを人々はエコーと呼んでいる・・・という
ことだった。ナルキッソスもからんでいたのは忘れていた。