古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

オールよみもの

2010-08-31 18:53:10 | 本・雑誌
芥川賞&直木賞受賞作は単行本ではなく「文芸春秋、オール読物」を
買うことが多い。直木賞の「小さなおうち」は抄録であったが
あまりに少ない(1・2章のみ)のでがっかり。まあ他にも読む
ところは多いので我慢。なにしろ、「オールよみもの」だ。
グラビアも少なく広告も文芸春秋社の本の広告ばかり。ターゲットは
文芸書好きの中高年?

「小さなおうち」は昭和初期の東京の暮らしが書かれており、語り手の
元女中さんは88歳という設定。88歳の実家の母に話したら、めずらしく
読みたいというので、結局単行本をプレゼントすることにした。私も残りの
4分の3の展開が興味津々なので、次回、実家に帰った時のお楽しみ
にしたい。上手くかけている小説だ。久しぶりにすらすら読めた。
それに引き換え「乙女の密告」の方は文体や内容に馴染めず中途で
どうでもよくなってしまった。最近芥川賞受賞作より直木賞受賞作の方が
ずっと面白く感じる。少し我慢しても読むということができなくなった。

選考委員作家の選評というのもその作家をあらわすものであり、何人かの
選評が並べられると実に様々な感想意見があり、これではなかなか一つ
にまとめるのは大変そうだ。前回で五木寛之と田辺聖子が退任とのことだ。
選考委員は若返っているというより単に私が年とっただけのことか。
年配選考委員のこの時流についていけない、という気持ちがよくわかる
ようになってしまった。

今日のBS週間ブックレヴュー(再)の作家コーナーに「小さなおうち」の著者
が出演。戦時中の貴金属の強制供出の話が出たが、よく母が「真面目に出して
損した、あれがあったらねー」とよく言っている。
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オーボエづくし

2010-08-30 12:22:45 | ルネッサンス・バロック音楽
早朝の[BSクラシック倶楽部]でモダンオーボエとハープという
珍しい組み合わせを聴き、10時からはバロックオーボエを
中心とするアンサンブルを聴くというオーボエづくしとなった。

「三宮正満&アンサンブル・ヴィンサント」の放送は蝋燭だらけの
背景からはじまり、ちょっといやな予感がしたが、リハーサル
風景や、三宮氏が共同で楽器製作に関わる製作家の工房を
訪ねる場面もあってなかなか興味深かった。
曲目は バッハ:カンタータ156番より、
    マルチェッロ:オーボエ コンチェルト
    テレマン:オーボエ・ダ・モーレ コンチェルトイ調
    バッハ:カンタータ74番より
    バッハカンタータ35番より
    マッソノ:オーボエ カルテット1番
    モーツアルト:アダージョK580a

使用されたオーボエは7種類。つまり7曲みな違うオーボエで。
そういえば演奏者も7名。Vn2, Vla1 Vc2(うち一人はコントラバス兼)
チェンバロ&オルガン1
カンタータ35番での長いオーボエはなんという名前か見逃したが、
オーボエ・ダ・モーレやオーボエ・ダ・カッチャも登場した(写真右欠け)

モーツアルトより10歳若い、ルイ・マッソノ(Louis Massonneau)
という作曲家のオーボエ・カルテットではかなり現代の楽器に近く
なったオーボエが使われた。

プログラム最後はやはり蝋燭背景でモーツアルトのコールアングレ
用に書かれたアダージョが演奏された。

スタジオ録音なので演出やる気たっぷり。背景や照明、演奏者の服装など
目まぐるしく変わり、サービス精神過剰であった。
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涼みに

2010-08-29 18:18:56 | 展覧会
暑い日が続き、クーラーのある部屋に引きこもり、パソコンに
向かったり、本を読んだり、CD聴いたり、テレビを観たり、と身体を
動かさないでいたら、またメタボ危険域に近づいてきてしまった。
今日は風もあり暑さはそれほどでもないので、宮城県美術館まで
散歩。広瀬河畔はこの暑さにも拘わらず、釣り人がたくさん出ていた。

美術館では特別展もしていたがあまり面白そうにみえなかった
ので、常設展と佐藤忠良記念館へ。常設展は入れ替えがあるので、記憶に
ない作品もあった。常設展をみていると、1981年オープンした時の、クレー
やカンディンスキーがみられるという嬉しさを思い出す。今日は
クレーは3点しかみられなくてちょっと残念。
この美術館の人気絵画、長谷川りん二郎の『猫』は只今展覧会巡回中。
10月初めまたここに戻り、他の作品も沢山見られるのが楽しみだ。

佐藤忠良記念館は時々特別展を観た後などに通りぬけるので馴染の彫刻が
多いのだが、丁度この記念館設立20周年として、「ベンジャミン・
リーの見た彫刻家佐藤忠良」という展示をしていてこれが面白かった。
やはりモノクロ写真はいい。佐藤忠良の手の甲と平をくっつけた写真
をみていたら、手の平が異様に艶があり、男性の手ともおもえない
美しさで驚いた。粘土をこねていると粘土パックみたいにお肌にいいの
かもしれない!外に出るとやはり暑い。外の彫刻も触ると焼けそうだった。
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昨日の続き

2010-08-28 08:47:08 | ルネッサンス・バロック音楽
昨日のCDのジャケットの絵の子供ガンビスト達の右が切れて
しまっているので気になって全体図はないかと調べてみた。
ジャケットからの情報は

【作家不詳:エティエンヌ・べルジェラートが1630年、トロイに
おいてルイ13世の前でクワイヤの少年達とモテットを御前演奏している図】
 トロイ美術&歴史ミュジアム 収蔵

キーワードで検索していったら、複製画屋さんのサイトにたどりつき、
元の絵を見ることができた。思わず、歓声をあげてしまった。
CDジャケット絵は一部で、左側にはルイ13世やお付きの人々、
そして右には残りの少年が4人、のうち2人は歌い手も存在した。
ガンバは計6台も。こういう子供のガンバコンソートというものが
存在したようだ。
聖職者指揮者に比べ、子供たちの表情が面白い、泣きべそをかいて
いるように見える子供ガンビストも。子供サイズのガンバなのだろうか?
何を演奏したのだろうか?ルイ13世の治世(1610-1643)
というと丁度ムリニエ(ca1600-ca1669)が活躍している
ころだが・・・。

ルイ13世自身はリュートや踊りを嗜んだという。まさかこの後
息子の治世になってフランスバロック音楽がかつてない隆盛を極める
ようになることは想像もしなかったかもしれない。
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ルイ・クープランのガンバコンソート曲

2010-08-27 18:08:05 | ルネッサンス・バロック音楽
ルイ・クープランはクラヴサン、オルガンはもとより、
ガンバ奏者としてもならした。ルイ・クープランの楽譜には
巻末にガンバ曲も数曲入っていて、聴いてみたかったが、
ようやくよいCDにめぐり合った。曲によりオルガン、テオルボも
参加。

フランス・ルネッサンス、バロックのガンバ・コンソート曲を
集めたCD。ジュネ、コーロワ、ムリニエ、デュモン、ロバディ、
シャルパンティエにルイ・クープラン。

コーロワのファンタジーは映画『めぐり逢う朝』でコロンブ氏が
ヴィオールを、家庭教師がリュート伴奏して幼い頃の姉妹が歌う、
民謡「若き乙女」の主題による変奏曲だ。映画も美しかったが
曲だけ独立して聴いても名曲。

クープランはファンタジー3曲に、シンホニー2曲入っている。
シャルパンティエの4声のコンセールがまた儲けもの。
イギリスのガンバコンソート曲ともまた違った切ない魅力がある。
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CDジャケットの絵は・・

2010-08-26 07:06:55 | 展覧会
大分前に買った、ディンディアのCD。演奏はコンソート.オブ.
ミュージックでマドリガーレを集めたもの。ジャケットの右端に
青年の半身がある。CD解説にこの絵について何も書かれておらず、
画家の名前もわからなかったのだが、、。
今、開催中の「カポディモンテ美術館展」のホームページをみていたら
これはグイド・レーニの「アタランテとピッポメネス」ということが
分かった。大胆な構図の絵のほんの一部だったのだ。

先日東京からの帰り、短い時間だったが上野に寄り、国立西洋美術館
での展覧会を見て来た。ナポリのファルネーゼ家、ブルボン家の
コレクションを中心にしたルネッサンスからバロックの絵画と工芸品
の展覧会。

この絵は実はかなり大きく2m ×3mくらいかしら?
舞い上がる、髪と布。贅肉のないヒッポメネスに、駿足にしては
ふくよかなアタランテ。全く同じ構図の絵がプラド美術館にも
あるのだ。どういうことなのだろう・・?

他の展示で興味を惹かれたのは、女性画家の作品2つ。
アルテミジア・ジェンテレスキの絵はカラヴァッジョの絵の
題材にも選ばれている『ユディット』。凄惨な光景で直視できない。
ジェンテレスキの実物を観たのは初めてだったがなかなかの
凄腕のようだ。

楽器の絵はないかといつも探すが、も一人の女流画家の絵に
スピネットを弾いている光景があった。画家の名前は一度では
覚えられない、ソフォニスバ・アングイッソラ(1532-1625)。
ルネッサンス後期にこんな女流画家がいたとは知らなかった。

かなり年とった頃の自画像も残っているが、93歳まで生きたのは
本当だろうか?イタリアの当時の戸籍情報は信用できるのだろうか・(笑)
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暑さにうんざり

2010-08-25 09:57:38 | その他
小学生の頃、夏休みの宿題に昆虫採集があった。
蝉取りは得意な方で、虫取り網片手によく遊び回っていた。
家の周りでみかける蝉や蝶の種類は限られていたから、
立派な昆虫標本を作ってくる人が羨ましかった。
今は植物の方が興味があるが、先日仙台で蝶の珍しい
コレクションを見る機会があって、蝶の美しさに魅了されて
しまった。
今年は蝉もアゲハ蝶も多い。実家で水撒きをしていたら、
もみじの木にアブラゼミが止まった。すかさず一枚。ちょっと面白い
写真が撮れたかも。蝉も残り少ない命なのか低飛行。

例年は真夏に東京から仙台に帰ってくると3-4℃は低くて
快適なのだが、昨日は東京と全然変わらず、さすが深夜になった
ら「熱帯夜」とやらからは解放された。

新幹線で福島県内を通り過ぎた時、窓にしばし雨がバラついたのに
仙台はカラカラ。帰宅するや否や、上露で干上がったトマトや
インゲン、キュウリに水やり。焼け石に水のような感じ・・。
ミニトマトは大分落ちてしまったし、葉っぱが枯れて来た。
天候に左右される野菜つくりは生易しいものではないとつくづく
感じる。まだ当分暑いままのようだ、涼しくなったらしようと思って
ことが先延ばしになってしまう。いつまでも暑さのせいにできない。
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La Cottin

2010-08-21 16:11:54 | ルネッサンス・バロック音楽
アントワーヌ・フォルクレ(Ca1671-1745)はルイ14世時代のガンバ
の名手。バロック時代によくある音楽家一族の出で、息子2人も
作曲家で特に長男のジャン・バティストとの確執は有名だ。
このところガンバCDを聴いていてフォルクレのガンバ曲のチェンバロ版
に挑戦しようかという気になった。
出版を望まなかった父のガンバ曲集とそのチェンバロ編曲版を
息子が父の死後、出版したので、今日われわれがフォルクレの曲を
知ることが出来る。チェンバロ編曲版もよく演奏されるのだが、
全32曲のうち、3曲は息子の作品だ。そのうち2曲はレオンハルト
のCDで知っていたのだが、(アングラーヴ、モランジ、あるいはプリセ)
残りの一曲は 「La du Vaucel」 という題名の曲。いつもながら
題名の意味に悩む。フォルクレのクラヴサン曲には人名が多く、有名
どころでないとわからないことがある。

「La Cottin 」というフォルクレにしては大人し目の曲があるのだが
てっきり、ユトリロの「コタン小路」写真の「コタン」とずっと思っていた私。
こちらはtが一つで違っていた。もう「コタン小路」が刷り込まれていて、
絵が目に浮かんでしまう。でもちょっと侘しい感じの曲想にあっている。

1738年のテレマンのパリ四重奏曲の予約者名簿にある(関根敏子氏による)
コタン氏らしい。それ以上のことは分からずじまい。アマチュア演奏家?
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カフェにチェンバロ

2010-08-20 15:06:05 | 古楽器
今日もまた仙台は西日本の皆さんには申し訳ない位涼しい。
昨日は涼しい(といっても平年並みだが)ので片づけが
一気にはかどった。増える一方の楽譜や資料を整理する
ファイルが足りなくなってしまったので街まで買いに出る。

実家の母に頼まれた、こまごまとした買い物も済ませた帰り、
北山駅ちかくのカフェ「風雅」へ寄り、遅いランチ。
今日はトマトカレーにサラダ。空いたお腹にカレーがしみ
わたる。今日寄ったのはかねてから設置される予定だった
チェンバロがいよいよ来たというのでどんな具合か見たかった
こともある。

共通の友人がチェンバロ買い換えのため、不要になったチェンバロを
カフェに預けることにしたのだった。楽器は河合のフレンチ2段
(タスカンモデル)で私の楽器と大して変わらない古さ(1990年)
なのだが見た目は新しくびっくりするほど綺麗。
ここで定期的にリコーダーグループの練習が行われている
ので、トリオなど今までのピアノでなく、チェンバロで伴奏が
できるようになり、さぞ喜ばれるだろう。

招き猫グッズに囲まれたチェンバロは猫足だった。
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英国風キュウリ?

2010-08-19 07:18:06 | 庭の植物
5時から草取り。草の伸びが速くて追いつかない。今朝は涼しく、
汗をかかないで済んだのでよかった。予想最高気温27度!?
本当だろうか、このところの暑さを考えると信じられないが。
こういう日が一日でもあると夏バテが回復する。

いつものように小さな畑コーナーの茄子、トマト、ズッキーニ、
インゲン、キュウリをみたら、なんと大きなキュウリが。
重さに堪えかねたのだろう、ツルが変に曲がっていたので
ふと下をみるとぶら下がっていた。成長を見落としていた。

今年4本目の収穫。
育ち過ぎではあるけど、シワやイボのなく、イギリスでみた
キュウリに似ているのだ。長さは32cm、直径4・5cm。
早速生で食べてみる。みずみずしいが水っぽくもある。
イギリスのキュウリのサンドイッチの強烈なキュウリの匂い
は全然しない。昨日スーパーで1本42円で買ったのだが、
これは5倍くらいの大きさだ。200円分、苗もその位の値段
だった。まだまだ赤ちゃんキュウリ達が空を指差している。
今度はメタボになる前に採らねば・・・。
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ギボンズのガンバ曲

2010-08-18 16:27:27 | ルネッサンス・バロック音楽
今日は幾分しのぎやすかったが、お盆を過ぎてもこんなに暑い
日が続くのは仙台では経験したことがない。雨も少なく、これから
水不足になるだろうから水やりも十分しないので、庭の僅かの野菜も
弱ってきたが、しょうがない。車を洗っている人をみると怒り心頭に。

暑気払いにいい曲はないかと、このところあまり聴いてないCDを
ピックアップ。先日ガンバコンソートのコンサートに行った
せいでガンバコンソートのCDを聴いてみる気になった。
といってもあまり持ってないのだが、
ギボンズの2枚、フランスのドゥ・コーロワ、にイギリス・
エリザベス朝の作曲家のアンソロジー位なものだ。

ギボンズの2枚には重複する曲があり、その中でも当時の民謡
「Go from my window」を主題にした変奏曲や4声の「イン・ノミネ」
は素晴らしい曲だと思う。ギボンズはヴァージナリストとも
呼ばれ、当時イギリスの家庭に普及した鍵盤楽器「ヴァージナル」
のための曲も沢山書いた。私などはその昔グレン・グールドが弾く、
「ソールズベリー伯爵のパバーヌ」でギボンズの名前を知ったの
だから思えばヘンな出会いだった。合唱団に入ってからは2曲歌った
のみなのでもっと歌いたいと思っている。合唱とガンバコンソート
での「ロンドンの物売り」を忘れていた。あれはもう10年以上前のこと、
ガンバコンソートの人材を確保するのに大変だった・・今はその心配は
なさそうだけど歌の方が問題のようだ。

下の人物はギボンズではなく、時の王様、ジェームズ1世。
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ブランシェ2世チェンバロ

2010-08-17 11:49:15 | 古楽器
昨日観た、モリエール映画に出て来たチェンバロがどういう由来
の楽器だったのか気になっている。時代は1644年の設定なので
少し後のような楽器のような感じがするのだが・・。

今日の早朝BSHiクラシック倶楽部ではもうすでに何回も放送している、
浜松楽器博物館の目玉チェンバロ(ブランシェ2世のオリジナル)の演奏。
演奏者は楽器博物館とどうやら深いつながりのあるらしい中野振一郎氏。
どうもあまり響かない楽器のように思えてくるのだが、演奏者によっても
鳴り方が違うので是非違う奏者で聴いてみたいといつも思う。

これは1765年製なのでチェンバロ全盛期は過ぎ、後にブランシェ一族は
世の需要をみて同時にフォルテピアノの製造を始めるようになる。
このブランシェ2世は36歳の若さで亡くなり、このチェンバロは
亡くなる前年のものだ。ということはあまり残っている楽器がないの
かもしれない。このオリジナルチェンバロがどんな経路でアメリカの
コレクターに渡り、挙句は極東の日本まで運ばれてきたのか、興味が湧く。

かつて「レッド・ヴァイオリン」という映画があり、17世紀イタリア
の職人によって作られ、多くの手に渡ったヴァイオリンの数奇な運命を
描いたものだった。もう一度観たくなった・・。
ヴァイオリンに比べ容易に持ち運べない大きな図体のチェンバロには
そういうドラマは少ないだろうけど、多くの戦火を逃れ、空き家や倉庫
などにに埃だらけで眠っている哀れな楽器がまだあるかもしれない・・。
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映画「モリエール 恋こそ喜劇」

2010-08-16 16:54:17 | 映画
16-18世紀のヨーロッパ時代劇映画はそれが音楽に直接
関わらないものだとしても見たくなる。「モリエール恋こそ喜劇」
を観て来た。チラシに音楽はフィルハーモニア管弦楽団/ロンドン
と書いてあったので古楽器系音楽ではない。

映画「王は踊る」や「女優マルキーズ」でモリエールが登場
したが、両作品共に功成り名を遂げてからの中年モリエールだったが、
この映画は若き日々(22歳)の物語。伝記に空白のある数ヶ月を
その後の作品群の素になるようなモチーフを盛り込みながら喜劇仕立て
にしている。
まだ若い頃、モリエールは主宰する劇団が破産し、富裕な商人ジョルダンに
助けられ、彼の屋敷で身分を偽り、彼の娘の教育係として住み込む。
ジョルダンは貴族に憧れており、ダンス(バロックダンス)や絵画のレッスンを
受けたりするがどれもどうしようもなく下手。またある若い伯爵未亡人に
思いを寄せ、彼女のサロンに呼ばれて芝居をするという望みを持っているが
冷たくあしらわれてしまう。貴族へのあこがれは並大抵ではなく、許婚者のいる
自分の娘を不誠実な貧乏伯爵の息子の元へ嫁がせようとまでする。
このジョルダンの美しく聡明な妻にモリエールが絡んでお話はさらに喜劇へ。

音楽は娘が歌のレッスンを受けていたとの証拠を迫られてたどたどしく
歌う場面にチェンバロが出て大写しになったのだが、1632年制作
とまでしか分からなかった。DVDにでもなったらゆっくり拝見することに。
サントラでチェンバロはオーケストラと一緒に沢山使われていたが、
既成のバロック音楽ではなく新しく作られた曲だった。エンドロールで
Clavecin: David Gordon とかろうじて読めたが古楽器畑の演奏家か
どうか不明・・。
音楽はともかくバロック時代劇としては分かりやすく十分楽しめた。
仙台では8月27日まで駅東口の「チネ・ラヴィータ」で。
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タマカンザシ

2010-08-15 15:47:49 | 庭の植物
昨夜からの雨で湿度が高い上、気温も高くなった。庭に出ると
忽ち蚊に刺されてしまった。昨年より大分早く、ギボウシの一種で
ある、匂いの強いタマカンザシが咲き出した。花は夜に開き、
朝には閉じてしまうのだが、閉じても芳香が漂う。一輪は切り花
にして玄関に。次々と蕾が咲き、当分は楽しめるのが嬉しい。

時々観るNHKの「週刊こどもニュース」。よくわからない時事問題など
ここで教えてもらうと取り合えず、わかったような気になる。
子供向け番組といっても今時の子供は果たして観ているのか、
結構私みたいな おば(あ)さんが見ているのかもしれない・・・。

今日は終戦記念日なので、番組出演の3人の子供たちが65年前の
8月15日の戦争体験を当時子供だった高齢者に訊くというものだった
その中のお一人は当時、東京の小学3年生の時、学童疎開で宮城県の
白石の鎌先温泉に行き、1年ほどを過ごしたという話をされた。
そこは数年前娘と行った、人里離れた集落の温泉だったのだが、
そこが疎開先に使われたということは全く知らなかった。
疎開というと個人宅にいわばホームステイと漠然と思っていた。
これは「縁故疎開」といって、地方に住む親類縁者を頼って
世話になるというケースで、母などは兄と秋田の縁者を頼り、疎開
していたそうだ。もっと戦局が危くなった終戦前年には強制的な
集団疎開が多くなったという。こののどかな温泉が疎開した人々に
とっては思い出すのもつらい場所になってしまっているという事実に
あらためて驚き、高齢化する戦争体験者の証言をマスコミは戦争を
知らない世代に終戦記念日に限らず、知らせ続けてもらいたいと思った。
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お盆にトンボー

2010-08-14 08:03:26 | ルネッサンス・バロック音楽
雨が降っている。確か天気予報では雨は昼過ぎからのはずだったが・・
静かな雨ならばいい、今朝は暑さも一段落。猫がくしゃみをしていた。

近所からお線香の匂いが漂ってくる。私はお盆期間は家で一人、
亡くなった身近な人々のことを思い起こそうとしている。

今朝の「バロックの森」ではフローベルガーの「トンボー」が
放送された。演奏はクリストフ・ルセ 。このCDは欲しいと思いながら
廃盤になってしまったもの。使用チェンバロはクーシェ1652年
のオリジナルというから、まさにフローベルガー(1616-1667)を
弾くにはもってこい。担当の大塚氏はオリジナルの楽器を良く紹介して
下さるので楽しみだ。ルセの弾くクーシェは凄味のある音で良く鳴って
いた。リュート奏者ブランシェロシェの突然の死を悼んで作られた曲で、
こんな曲を捧げられる人はさぞ魅力的な人だったのだろう。

「トンボー」というとサント・コロンブやマレも思い浮かぶ。ガンバと
の相性も抜群。今日は午後から友人たちのガンバコンソートを聴きに
行く。お盆にガンバの音色。結構合いそうだ。
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