外出自粛中は持っているCDをじっくり聴こうと思っていたが、
やはり新しいCDも欲しくなる。一時に比べてリコーダーのCDを買うことが
少なくなり、かわりにオルガンCDが増えてしまった。
そんな中での最近買ったリコーダーCD2つ。いずれもナポリつながり。
これから梅雨の季節、鬱陶しさを吹き飛ばしてくれそうだ。
ナポリのバロックリコーダー曲というとやはりまず F.マンチーニ
だろう。「AMOROSO」と題されたCD。少し前「古楽の楽しみ」でとりあげられ
好みの演奏だったのでじっくり聴いてみたくなり、中古で注文。マンチーニの
ソロソナタばかり6曲。リコーダー奏者は知らなかったが13年前の録音で
リュートは野入さん、チェンバロもなかなかいい感じ。
ナポリのリコーダーコンチェルトは Re・バルト・ク―ンの1725年ナポリ写本より
A.スカルラッテイ4、D.サッリ1、F.マンチーニ3曲の計8曲が収められているCDを
持っているが、この新しいCDはナポリ縁の7人の作曲家による1曲ずつになって
おり、有名どころだけでなくマイナー作曲家も含まれており、興味深い。
ソロリコーダー、2台のヴァイオリン、チェロ、テオルボ&ギター、チェンバロの6名。
リコーダーコンチェルトの超絶技巧のイメージとは違って小編成の室内楽的親しみを
感じる心地よい音楽になっている。
今回G.B.Mele(1704~1752以降)という作曲家を初めて知った。解説によれば
1736年にスペインに渡り、フェリペ5世、フェルディナンド6世のもとでオペラ作曲家、
指揮者として活躍し、1752年ナポリに戻るが、その後は消息不明という謎めいた人物。
ここに収められた協奏曲がスペインに渡る前の唯一の作品のようだが、いつの日か
発見されるということもあるかもしれない。
ドメニコ・スカルラッティ以外にも同時期スペインに渡った作曲家はいるのだろうか?と
カークパトリック著の「スカルラッティ」を久々に開いてみた。
この本によると、かのファリネッリがマドリッドに到着した1737年以降、イタリアオペラが
大変な勢いを得て、劇場も再建され、イタリア人の3人作曲家はマドリッドの劇場音楽
を殆ど独占しており、その中にメーレもいたそうだ。イタリアとスペインはさして遠く
ないから行き来もあったのだろう。
amoroso(愛情込めて)という標記はマンチーニの1番のソナタや、コンチェルト6番
の一楽章(いずれもd-moll)につけられていることで印象に残っていたが、
バルベッラ、サッロのコンチェルトにも使われていることがわかった。
ナポリ人の熱い気質?にあうのかもしれない。