古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

古楽グループ名

2019-05-31 20:12:50 | ルネッサンス・バロック音楽

古楽グループにつけられたの名前の由来はすぐわかるものから、

作曲家名 例 タリス・スコラーズ、・ジャヌカン・アンサンブル・・

奏者名  例 クイケン・アンサンブル、レオンハルト・コンソート・・

場所名  例 ロンドン・バロック、ヴェニス・バロック・・

曲種名  例 リチェルカーレ・コンソート、パッサカリア・・

 

 ある時ふとしたきっかけからそうだったのか、、、とわかることがある。

合唱団でダンスタブルのモテット「Quam pulchra es・・・(何と美しいことか)

を練習していたら、歌詞の終わりのほうにmala Punica という言葉が出てきてびっくり。

「マーラ・プニカ」はペドロ・メメルスドルフ率いる中世音楽グループ名として知られている。

以下調べると・・・

 Punica は「フェニキアの」を意味する Poeni に由来する。これは古代ローマの博物学者

プリニウスが『博物誌』を著した当時、ザクロは「カルタゴのマルス」(mālus pūnica)

としてカルタゴ周辺が原産地と考えられていた・・そうだ。

「マーラ・プニカ」のホームページに行ったら、ザクロが ロゴになっていた。

 www.malapunica.com/

曲集、音楽書の名前というのも結構ある。

「シンタグマ・ムジクム」は楽器の絵でお馴染みのM・プレトリウスの「音楽大全」

   大昔この名の古楽グループがあった。

「レ・ザール・フロリサン」はシャルパンティエのオペラ名

「トリプラ・コンコルディア」はリコーダーのカヴァサンティ率いるグループで

   ロンドンで1677年に出版されたイギリスの2声+BC+BCの曲集名。

「フロリレジウム」はムッファトの管弦楽組曲集名。

「フィオーリ・ムジカーリ」はフレスコバルディのオルガン曲集名。

「ホルトゥス・ムジクス」はラインケンのトリオソナタ集。

 

それにしても声楽グループ「シックスティ―ン」が登場した時はこの名前は非常に

インパクトが大きかった。こちらももうだいぶ昔の話。

最近はすぐ古楽グループとわからないものも、 ジャンの・ロンドーの「Nevermind」とか。

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フェルメールの最後の絵

2019-05-29 22:55:00 | 絵画

来年開かれる[ナショナルギャラリー展]でまたフェルメールが来る。

最後の作といわれ、決して傑作ではないとされている「ヴァ―ジナルの前に座る女」

確かに少し雑な感じがあり、あまり惹きつけられない。壁に掛かる絵も殴り書きのよう。

描かれた年(1675年頃)の12月にフェルメールが亡くなっていることから

体調が悪くなっていたのかもしれない。

 

ナショナルギャラリーには この作品ともう一つ「ヴアージナルの前に立つ女」がある。

こちらは「座る女」の2-3年前に描かれたようだ。立って演奏することもあったのか

「音楽のレッスン」ではヴァージナルに向かう女性は立っている。

 

数年前にフェルメール作と認定されたこの絵も来日したがあまりの小ささにびっくり。

32億円という落札値も話題となった。

「ヴァージナルの前に座る若い女」と「若い」をつけて区別しているようだ。

 

フェルメールが描いたヴァージナルの絵は4つ。

チェンバロはというとかつて盗難にあっていまだ行方不明の「合奏」に描かれている。

背後の壁右の絵は「ヴァージナルの前に座る女」と同じでフェルメールの義母が

持っていたといわれる。

どんな絵か薄ボケてよくわからないので探してみたら

怪しい雰囲気の風俗画であった。「取り持ち女」ディレク・ファン・バビューレン作

フェルメールの同名の絵は最近の展覧会にきていたが結局行かずじまいになった。

 

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やっとリコーダー練習

2019-05-22 20:24:25 | ルネッサンス・バロック音楽

 

昨秋左手指にケガをしてから半年、ようやく通院が終わり、といっても完治したわけでは

ないのだが痛みと腫れはひき、主治医からは一応終わりにしましょう、と言われた。

あとは血行を良くする薬を飲み、マッサージをよくしている。

人差し指を使おうとしてもこの指を使わないように脳が命令しているようで

自然に避けてしまう。鍵盤に触ると違和感があり、他の指とタイミングがあわないが

だんだん慣れることだろう。

リコーダーは穴を塞ぐのに指をずらしてどうにか吹けるようになってきた。

半年吹かなかったので心配だったがフィンガリングもだんだん思い出してきて、

まだこれから頑張る気持ちになった。初心に戻って「笛の楽園」を練習。

休止中に楽譜もたまったし、一緒に吹く仲間もいるし。楽しくなってきた。

 

8月下旬には東京リコーダー音楽祭が開かれる。もう1回目から10年である。

2009年にはまだ仙台にいたのでこのために上京した。まだ両親も元気であった。

リコーダーはすでに始めてたまにレッスンにも行き細々と続けていた。

この10年本当にいろいろなことがあった、と感傷的になってしまうことが多い。

さて2回目の今年はさらにヴァージョンアップして若い奏者も多く出演するようだ。

リコーダーという楽器の性質上、普段慣れ親しんでいるルネッサンスバロック以外の

曲も多い。古楽器としてのリコーダーだけでないリコーダーの持つ多面的な面白さが

うかがえることだろう。とはいいながらやはりルネッサンス・バロックが好きな私。

9月にもリコーダー関連コンサートが2つ。

ブラヴァデ・カルテットとビーロック・オーケストラ&ルーシー・ホルシュ

両方ともに武蔵野市民文化会館小ホール。どういうわけか一週間に2つもある。

 

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早朝から2時間

2019-05-15 07:50:30 | ルネッサンス・バロック音楽

今週の[クラシック倶楽部]はたまにある古楽系。日の出も早くなってきたので起きて

聴けるようになった。今日はフォルテピアノの名手クリスチャン・べザイデンホウト。

フォルテピアノはあまり聴いたことがないのだが、というか昔、最初に聴いた演奏が

よくなかったことから楽器そのものに対してもチェンバロとピアノの間の中途半端な

楽器というイメージを持ってしまっていた。今日は微妙なニュアンスを出せる楽器と

奏者の2つがそろったせいか単純清明軽妙なモーツアルトのソナタが姿を変えて

いた。

今週の「古楽の楽しみ」はシュテルツェル特集。どこかで名前だけは聴いたことが

あったと思ったら、バッハ作とされていた「Bist dur bei mir]の作曲者であった。

同じく「バッハのメヌエット」の真の作曲者ぺツォールトを連想した。シュテルツエルの

ほうは作品も多岐にわたっていて、バッハ、テレマン、ヘンデルいずれにも似ている

曲風で当時は人気だったそうだ。

 今朝はオーボエ2本とBCのトリオソナタのオルガン編曲版を聴いた。聴きながら

ネット上で楽譜を探した。オルガンで一人3役をやるのはまだずっと先か不可能に近いが

夢だけは持ち続けようと思う。 

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2019ラ・フォル・ジュルネ

2019-05-06 09:09:30 | ルネッサンス・バロック音楽

毎年古楽系はないかと調べてみる、「ラ・フォル・ジュルネ」

今年は2日目のチェンバロのスキップ・センぺだけ行った。もう一人気になった

チェンバロ奏者がいたが、2つのコンサートの空き時間あまりに長く、どうしようかと

思っているうちに満席に。

昨年は中世器楽アンサンブルを聴きに芸術劇場に行きにいったので、東京フォーラムは

久しぶりのような気がした。

ちょうど皇居の「一般参賀」と重なり、東京駅を避けたので混雑に巻き込まれなくてよかった。

さてセンぺはルイ・クープランのCDは愛聴しているが、生演奏はアンタイとのデュオを

聴いたことがあるだけなので楽しみだった。プログラムは事前にはわからず、音楽祭のテーマが「旅」

であったのでバロック時代、旅をよくした作曲家といえばフローベルガーだろう、と

予想していたらはずれ、ルイ・クープランとダングルベールだった。(前夜のアンコールには

フローベルガーがあったそうだ残念)。チェンバロはコンサートで良く使われる梅岡楽器のミートケモデル。

演奏は奇をてらうことなく恐らく作曲家がこう弾いてほしいと思うことを完璧に音にした上にさらに曲の

魅力を引き出したような演奏で、ひたすら耳をすませて特別な密度の濃い時間を過ごした。

コンサートが終わり、いい気分でCD売り場でセール品を物色しジャケット買いをしたCDが大当たり。

「野原も丘も」の旋律によるB・ヴィアラルド(1620頃活躍)作のミサ曲各章の間に

ロニョーニ、チーマ、セルマなどの曲を挟んだ歌も合唱も器楽も楽しめる構成。特にソプラノと

コルネットが気に入った。まだ来日していないグループだろう。実演を聴いてみたい。

ジャケットをみていたらスイカズラを植えてみたくなった。わが家はフェンスに絡ませた

羽衣ジャスミンが満開になった。

 

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デュファイ

2019-05-05 22:04:00 | ルネッサンス・バロック音楽

ルネッサンス音楽のCDをまだあまり持っていなかった頃に手に入れたCD。

デュファイの96曲もある「世俗音楽集」から21曲抜粋したもので 

ミサ「私の顔が蒼ざめているのは」の元シャンソンが入っている。

ジャケットがヤン・ファン・エイクの「アルノルフィー二夫妻像」(1434年)で

デュファイというとこの絵が真っ先に頭に浮かんでしまう。時代的にはデュファイが

1400?~1474ファン・エイクが1395?~1441なので同時代ではあるが。

 

この絵は昔家にあった世界美術全集に入っており、幼少時は帽子の男性の目つきが恐ろしくて

いったいこの人は何者なのだろうかと思っていた。

 時々開いてみる「モチーフで読む美術史」には「犬」や「鏡」「果物」の項で登場する。

 果物はオレンジ説が優勢だが、リンゴ、枇杷という解説もあり読み解く楽しさがある。

手前にころがる足が痛くなりそうなサンダルは男性用だろうか。不思議な形である。

奥の絨毯には女性ものがある。裕福な商人らしく着ているものも高価そう。

 絵が描かれてからたくさんの人の手に渡り最終的に英国のナショナルギャラリーに

落ち着いたようだ。もしかして2020年の展覧会に来るかもしれないと期待している。

 

所属する合唱団ではジョスカン・デ・プレ以前の曲を取り上げたことがなかったが

今、デュファイのモテット「Ave Regina coelorum]を練習しているのでこのCDを

思い出した。久しぶりに聴いてみるといい曲ばかりだし、演奏者も実力者ばかりだが、今はもう

引退しているかもしれない。「私の気高くも美しい人よ」「美しい乙女は塔の下に座り」

「私が嘆き呻くのも無理からぬところ」などは繰り返し聴いたものだった。人の好みと

いうのはあまり変わらないものだ。今回このCDに「ブクスハイムオルガン曲集」からの1曲

から入っているのに遅ればせながら気が付き、オルガンでも時代を遡りたくなった。

 CD最後に「コンスタンチノープルの聖母教会の嘆き」という曲があるが、

これは1453年にトルコ軍によりコンスタンチノープルが陥落、東ローマ帝国が滅亡

したことを歌っているという。トルコ側からみれば勝利の記念すべき年ということに

なるわけでこの年が「中世の終焉とルネッサンスの始まり」と言われるのも西洋的な史観に

基づくだけ、と思うのだった。

 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

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