古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

フェルメールの最後の絵

2019-05-29 22:55:00 | 絵画

来年開かれる[ナショナルギャラリー展]でまたフェルメールが来る。

最後の作といわれ、決して傑作ではないとされている「ヴァ―ジナルの前に座る女」

確かに少し雑な感じがあり、あまり惹きつけられない。壁に掛かる絵も殴り書きのよう。

描かれた年(1675年頃)の12月にフェルメールが亡くなっていることから

体調が悪くなっていたのかもしれない。

 

ナショナルギャラリーには この作品ともう一つ「ヴアージナルの前に立つ女」がある。

こちらは「座る女」の2-3年前に描かれたようだ。立って演奏することもあったのか

「音楽のレッスン」ではヴァージナルに向かう女性は立っている。

 

数年前にフェルメール作と認定されたこの絵も来日したがあまりの小ささにびっくり。

32億円という落札値も話題となった。

「ヴァージナルの前に座る若い女」と「若い」をつけて区別しているようだ。

 

フェルメールが描いたヴァージナルの絵は4つ。

チェンバロはというとかつて盗難にあっていまだ行方不明の「合奏」に描かれている。

背後の壁右の絵は「ヴァージナルの前に座る女」と同じでフェルメールの義母が

持っていたといわれる。

どんな絵か薄ボケてよくわからないので探してみたら

怪しい雰囲気の風俗画であった。「取り持ち女」ディレク・ファン・バビューレン作

フェルメールの同名の絵は最近の展覧会にきていたが結局行かずじまいになった。

 

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バルビエxラブル―ル展

2012-04-22 15:20:30 | 絵画
以前、区役所広報でみつけた講演会、大分前に申し込んであったのが
運よく抽選に当たった。ここしばらく自分の楽しみのための外出を
控えていたのだが、そろそろいいか、という気になってきた。
講演会は練馬区立美術館で開催中の「バルビエ+ラブラ―ル展」に付随して
企画されたもの。演題「狂乱の時代 1920年代のフランス美術」
講師は高階秀爾氏。

あらかじめ展覧会をみておきたかったのだがいろいろ忙しく講演会が
始まる前の1時間でざっとみることになった。フランス文学者鹿島茂氏
のコレクションによるアールデコ時代のイラストレーター、バルビエと
ラブル―ルの挿絵、ファッションプレート、ポスターなどの展示。
バルビエもラブルールもきいたことのない名前だったが、展示品をみる
うちに少し前の時代のアールヌーボー時代のイギリスのビアズリーや
クレインの挿絵に似ているものがあるなと思った。それにしても膨大な
コレクションだった。

著書「子供より古書が大事と思いたい」があり、古書で埋まっている書斎
を雑誌か何かで見たことがある。著書は多いし、エッセイもいたるところで
みかける。きっと恐ろしく高いのであろうコレクションの資金源を筆一本で
稼ぎだせるのはたいしたことだ。
最近の著作「蕩尽王、パリを行くー薩摩治郎八伝 」はまだ読んでいないが、
鹿島氏の「蕩尽」の結果、われわれは労を少なくして稀少なコレクションを
見られるのだから、有りがたいことだ。

コレクションのなかでは「ビリティスの歌」の挿絵が目を引いた。作者の
ピエール・ルイスと友人のドビュッシーの「ビリティスの3つの歌」は
これと関連があるようだ。ファッションプレートもその当時のファッション
に興味の有る人だったらまさに垂涎ものだろう。

講演会は第一次大戦の経験、印刷術の発達、フォビズム、キュービズム
いりみだれた時代に登場する画家も絵もあまりにも多くて頭の方が「狂乱」
しそうになった。

今館長をしておられる大原美術館の絵の紹介もあり、大原コレクションの
第一号になったアマン・ジャンが実は1920年代の代表的な画家であった
ことなどはじめ充実したコレクションに40年ぶりに!是非訪ねてみたく
なった。今は無理でもいつか実現させたいものだ。

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「音楽のアトリビュート」

2011-07-02 19:53:35 | 絵画
伊集院静氏の「美の旅人」には画家シャルダンについて多く書かれてある。
シャルダンは昔画集でみた「羽つき少女」と「銅の給水器」くらいしか
知らなかったので目を開かれる思いだった。

伊集院氏は中学の美術の教科書で「赤えい」を見た、とのことだが
私は中学の美術教科書には全く記憶がない。「赤えい」の絵は本物をどこかで
見たと確信するのだが、シャルダンという画家の名前と結びついて
なかった。
1699年生まれ、ということはバロック作曲家だとルクレールの2つ下だ。
バロックというよりロココの時代。

さてこの本には「音楽のアトリビュート」という絵を知った。
この種の静物画はオランダ絵画では多いのだが、フランスではボージャンくらい
しか知らない。
これはシャルダンが66歳の時に描いた、ルイ15世のショワジー城の
装飾画だそうだ。

沢山の楽器が所狭しと並べられている。ヴァイオリン、リュート、ミュゼット、
フラウト・トラヴェルソ、トランペット。リュートの絵はちょっと立体感が
ないし、中央の盛り上がった布はミュゼットの袋部分だということが分かりにくい。
もっとも本物をみると違うのかもしれない。

その他にも作風の違う絵が多くてなかなか一筋縄ではいかないのも魅力のうち
なのだろう。

画家の自画像は晩年の作。まるで近代の絵をみるように新しい感じだ。




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女性半身像の画家

2011-06-27 19:58:30 | 絵画
セルミジを調べていたら、ある日本の有名なフルート奏者のサイトに
この絵があった。

女性3人がそれぞれ、ルネッサンスフルート、歌、リュートを奏でて
いる合奏図。楽譜も描かれ、何を演奏しているかというと、セルミジの
Joyssannce vous donneray [喜びを与えん」だという。
目を凝らして見るとその曲のようだ。音符が大きく書いてあるので譜めくりが
大変そう、と余計な心配をする。

その楽譜を現代譜の直したものも掲載されている。「おかしいな・・」と思った。
この曲はト短調で2拍子の曲なのに、載っているのは3拍子でト長調。違う曲だ。

それはともかく画家の名前が「女性半身像の画家」とある。なんだろう、これは?
と思ったら そのものずばりThe Master of the Female Half Lengths 氏
一人の画家でなくグループかもしれないらしい。アントワープで16世紀前半
活躍、名前の通り、主に女性の半身像専門に描いたようだ。若い女性が楽器を
奏する絵が多数残っている。

リュートを爪弾いている女性像も良く見る絵だ。


実は似通った三重奏の図がたくさんあった。これは女性群の血色が悪く陰気な感じ。

こちらの曲はなんだろう。残念ながら判読不可能。




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オランダ風俗画の愉しみ

2011-05-28 21:23:30 | 絵画
友人から東京であった、「オランダフランドル絵画展」の絵ハガキを
頂いた。この展覧会行きたかったが、震災もあって、行きそびれたので
こういうお土産は本当に嬉しい。

オランダの風俗画はみていて楽しい。台所や居間の家具や道具類から
当時の市民の暮らしぶりがわかるし、小道具からいろいろ暗示される
ものなどもあって謎解きの楽しさもある。

へリット・ダウの「夕食の食卓を片づける女性」と題されたこの絵は
部屋にランタンと蝋燭だけの節電ならぬ節あかり。ワンプレートの
質素な食事。薄暗い部屋の食卓だけがほの明るく婦人と少女の表情は
穏やか。

イスの横にはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」でおなじみの四角の箱。
これは朽木ゆり子氏によれば足温器だそうでネズミ捕り説は間違いの
ようだ。


横にあるものはなんだろう?全体が見えないのでよくわからないが
シーツプレス機のようにも見える。「真珠の耳飾りの女」の映画では
大きな釜にお湯を沸かしてシーツなどを煮洗いするシーンがあった。
中庭に大量の洗濯物を干していたし、やはりプレス機かもしれない
と勝手に思う。

17世紀オランダの風俗画には楽器の絵も多い。この作者には
ないものかと探してみたら「クラヴィコードを弾く婦人」というのが
あった。



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傾国の美女

2011-04-17 13:55:55 | 絵画
今朝の『古楽の楽しみ』は中世の音楽。オルガヌム、コンドゥクトゥスなど
多声音楽が登場してきた。結構じっくりと番組が進んでいく。

その中で「4声のコンドゥクトゥス「世界は傾く]という題の曲が紹介され
思わずギクッとした。天災ではなく当時の戦争のことらしい。

朝の「日曜美術館」はマリー・アントワネットを描いた画家2人の特集だった。
マリー・アントワネットはいわば「傾国」の美女。
画家2人は共に自画像でも有名。女流画家エリザベート・ヴィジエ・ルブランの
自画像は若桑みどりさんの「女流画家列伝」によれば、17・8歳の頃と
されているが、番組ではフランス革命で亡命中の36歳の時の作品で
あるということだった。確かにずっと若くは見えるが。もし亡くなった人の
著作の間違いがある場合はどうするのだろうと、ちょっと心配になった。

4月に番組の司会役が交替し、作曲家の千住明氏と好感度が高いらしい
NHKアナウンサーになった。番組紹介の時、アナウンサーが千住氏に絵から
受ける印象を曲にしてみても・・などと余計なことを言っていたので、
絵と音楽を安易にくっつけないで欲しいと思っていたのだが・・。

今日は千住明氏が御上手とは言い難いピアノでマリー・アントワネットの
音楽の先生だったという、グルックの「妖精の踊り」を弾くという場面もあり、
さっそく来たか、思った。どうせなら、マリー・アントワネット作曲の歌も
あることだから、ちゃんと専門家に歌ってもらうなりして欲しかった。

マリー・アントワネットの伝記にはツバイクの著作があり、昔の岩波文庫のほか
今日のゲストの中野京子氏の新訳(角川文庫)もある。そして文学的でなく楽に
読めそうなのは同じく角川文庫の藤本ひとみ氏のもので、今読破中。


今開催の展覧会ではルブラン以外の女流画家の作品もあるそうなので興味を
惹かれるが、そのあとはやはり傾国の一大事の原発問題が気になって
テレビ朝日の報道番組に変えたら現実に戻されてしまった。
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わけありショパン像

2010-12-02 12:19:17 | 絵画
今年はショパン生誕200年のこともあり、ずいぶんテレビ番組も作られた。
今はあまり聴かなくなってしまったロマン派の作曲家だが、やはりショパンの
コンチェルト1番などを聴くと、若き頃を思い出し、胸が熱くなる。
番組では若きアルゲリッチの溌剌とした演奏が少し聴けたが、私にとっては
もっと前、ポリーニがショパンコンクールで優勝した時の演奏でこの曲を知った。
ラジオから流れる演奏にどんな人かと興味を持った。今のようにすぐ顔が
世に出ない頃だ。

昨夜のBSHi でショパンをモデルにした著作もあり、最近クラシック音楽に
ついての発言もみかけるようになった平野啓一郎氏による、ショパン論
が放映された。「葬送」はあまりに長いので読んでいないが、ショパンの生きた、
1810-1848年のヨーロッパの社会を垣間見るにはいいかもしれない。
主要人物のショパン、ジョルジュ・サンド、ドラクロワの3人のうち、ドラクロワに
ついては余り知らないので、ドラクロワ登場の部分だけでも読んでみたい気がする。

番組でサンドとショパンを描いた絵が出てきて、この絵は後に切断
されたことを思いだした。有名なショパン像は元々の絵の一部で、
ショパンの左側にはサンドが立っていたのだ。
ショパンの方は35年以上前にルーブルで買った絵ハガキを出してみた。
黄ばんでいるが大切な一枚だ。この肖像画のショパンの顔はなんとも言い難い
表情なのは演奏中であることと関連がありそうだ。ショパン28歳のときで、
サンドと知り合ってマヨルカ島へ移住する前だ。
一方のサンドの絵をネット上で探してみた。こちらはコペンハーゲンの
オードロップゴー美術館にあった。未完とされていた。
どういう経緯で真っ二つに裂かれたのか分からないが、それがドラクロワ死後で
あることは確からしい。






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「笛ふき」の絵

2010-09-02 07:20:18 | 絵画
先日宮城県美術館で久しぶりに常設の洲之内コレクションを
観ていたら、「気まぐれ美術館」を読みなおしたくなった。
昭和53年刊行で、洲之内氏が亡くなったのが昭和62年、
147点ものコレクションが宮城県美術館に収められたのが、
平成元年(1989年)ということだ。

読んでいたら、もうすっかり忘れていたのだが、{吉岡憲「笛吹き」
顛末}という章があった。仙台ホテル(今は無い)のロビーに
飾ってあった、この絵を吉岡憲遺作展を催すにあたり、画商であった
洲之内氏が借りようとしたのだが貸してくれなかったという話。
仙台ホテルオーナーもどうかと思うが、この絵だけでなく、仙台では
一枚も貸してくれなかった、というところではあきれた。
その思い出がもとで氏は仙台が好きじゃない、とはっきり書いて
おられるのだ。そういわれるとちょっと悲しい。

この画家は戦時中ジャワに行き、そこで描いた2点の絵の内の
一つがこれということだ。40X100という例外的なサイズ。
巻いて筒にし、なるべく小さくして飛行機で日本へ送られた
いうことだ。ジャワで知り合った仙台のお菓子屋さん&画商を経て
仙台ホテルに渡ったらしい。

仙台ホテル存命中にみておけばよかったのだが、ホテル閉鎖に伴い、
その絵がどこに行ったのかと思ったら、[信州デッサン館]へ
行ったそうだ。

好きでない仙台に自分のコレクションが並べられることになるとは
皮肉な話。県美術館がこの「笛吹き」を買ってもよかったのに・・
この絵を観るためにははるばる信州上田まで行かねばならなくなった。
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アルケミストの絵

2010-06-16 19:27:05 | 絵画
一昨日の【アルケミストCD】の絵の画家が殆ど同じ道具立て、
人物で「アルケミスト」を描いていた。

画家はDavid Ryckaert(1612-1661)代々画家の血筋で
アントワープ生まれ。ということはリュッカースの活躍
した頃だ。

「アルケミスト」という題の絵がまだ他にもあった。
描いても描いても描き足らなかったのだろうか・・?
他には農民や庶民を描いたものが多くあるようだ。
ムール貝売り、外科医、歌う人、病気?の猫に匙で食べ物を
やっているお婆さん、犬に芸を仕込むお爺さん、糸紡ぎに
没頭するお婆さん、眠りこけた人、画家のアトリエ、、など
など多数ネット上で見られる。ギター奏者という絵もあり、
自身も名プレーヤーだったらしい。なんだかどこかで観たことが
あるような気もしてきたが。17世紀の風俗画家の一人という
位置なのだろうが、私にはかのルーベンスよりリュッケルト
の方がずっと面白く感じる。

この画家の伝記も出ていた。やはり表紙は又別の「アルケミスト」
副題は「17世紀フレミッシュの農民を描いた画家」。
アマゾンUKだと£60≒8000円余り。
B5より少し大きい位、厚さ3cm、画集というより文章が中心かも
しれない。中身を覗いてみたいものだ。図書館にあればいいのだが。

table>David III Ryckaert: A Seventeenth-Century Flemish Peasant Painter (Pictura Nova, 6)

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パウロ・カリアリ(ヴェロネーゼ)がガンバを

2010-06-03 07:40:15 | 絵画
昨夜BS朝日の「世界の名画」シリーズ「ヴェネチア光と色彩の
画家」を観た。ちょうど夕方、本の整理をしていたら、昔買った、
「週刊グレートアーティスト」が数冊出て来た。
ティントレット(56号)もあり、どうして買ったのかはすっかり
忘れてしまったが、なかなか面白く、自画像なんて印象派の絵と
いわれてもそうかと思う位、新しい。

この90年代初めに出版された週刊シリーズは、ちょっと知りたいが、
高い画集を買うには決心がつかない、といった場合に重宝した
ものだった。廉価だったし。週刊で100冊という猛スピードで出た。
この出版社は倒産してしまったようだが、なかなか面白い企画
をする出版社で、この他にもビジュアル美術館ルネッサンスや単なる旅行
ガイドを超えていた、「旅する21世紀ブック」望遠郷シリーズなど
今でも大切にしている。
     
番組ではティントレットの10歳下のヴェロネーゼの「カナの婚礼」
も紹介された。よく見ると、中ほどにガンバ、ヴィオローネの演奏
風景があった。ガンバを横に持っている!
早速ルーヴル美術館のサイトで絵を調べてみたらガンバを持っている
白装束の人は人は画家自身らしい。曲はなんだろう?そこまでは
わからない。絵はやたら大きいので楽器のところをクローズアップ。

この番組、来週は「フェルメール」。
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Hantai 親子

2010-01-28 09:09:59 | 絵画
これはサイモン・アンタイ氏の絵。10数年前娘とヨーロッパ
ケチケチ旅行中、パリのポンピドゥー・センターを訪れた。
今の日本の多くの建物に見られるガラスばり。やたら明るかった。
話題を呼んだ透け透けエスカレーターにも乗ってみたっけ。

抽象画は苦手という人がいるけど前衛彫刻よりはずっと身近に感じる。
印象に残った絵の作者名は「Hantai」 と書かれていた。それから
10数年たち1昨年、新聞の死亡記事でこの画家がアンタイ3兄弟の
父上ということを知ったのだった。アーティストの濃い血を感じる。

ポンピドゥセンターにはアンタイ氏の抽象画がたくさん収蔵されて
いる。ホームページを開け検索すると収蔵品が60余点ずらっと出てきて
見ることができる。50年代の若い頃の画もなかなか良さそう。
年代を経て行くうちに作風が変わっていくことがよく分かる。

昨日のジャーマン・チェンバロはどこのかと調べたら案の定、梅岡楽器貸出
のだった。梅岡さんのブログ「チェンバロ漫遊日記」には昨年11月末の
コンサート時こぼれ話も載っている。アンタイは自分好みに大々的に
楽器の調整をしてしまうようだ。貸す方もヒヤヒヤ、大変である。
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東京の美術館

2009-06-16 20:50:32 | 絵画
東京の大きな美術館には興味のある企画展があると、
ごくたまに行くことがあるが、そういう時は企画展を
みるだけでもう十分満足という気がして、常設展示
までゆっくり見ることがないので、どんな収蔵品がある
のか知らないことも多い。

東京の美術館情報を網羅した一冊。
情報はいくらでもネットでみられるこの頃、でもこういう
一冊にまとまっていると見やすくていい。私の好きな
ミュジアムショップ情報もあるし。

東京には特色ある小さな美術館もたくさんあることがわかる。
近いうちに行きたいと思ったところは礫川浮世絵美術館、
太田記念美術館、西山美術館、村内美術館、松岡美術館など。

聞くところによると長野県は美術館博物館の数が日本一
らしいが、宮城県はかなり少ないほうだろう。
「楽都仙台」とか言ってる割にコンサートホールも極端に少ない
まま。建設予定も今のところない。
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美術館の講演へ

2008-10-26 18:48:27 | 絵画
午後からの県美術館の講演に充分間にあうように家を
出て、昔住んでいた八幡町を歩いていたら、3年前に
店を閉じた旧天賞酒造の敷地内に店蔵が再現されて
「杜の館」という施設になっていた。以前大通りにずっと
続いていた黒塀を思い起す黒塗りの真新しい木造建物。
今年4月に開館したらしい。池や木々はそのままのよう。

広瀬川にかかる橋を渡っていたら芋煮会の煙がみえた。
そういえば何年も芋煮会に行っていなかった。大鍋で
煮るサトイモは格別の美味しさになる。

美術館のアートホールでは、2時からの講演にどんどん人が
集まり、補助イスを出しても立ち見まででてしまった。
講師は地元の大学教授で17世紀オランダ美術の専門家という
今日の講演にまさにうってつけの方。最近、著書を買おうか
迷っていて今日の講演が面白かったらにしよう、という
ことにしていた。

今日の題目は「聖と俗のあいだーオランダ美術の魅力」 
パソコンに取り込んだ絵をスクリーンに次つぎみせながら
の解説は面白いのだが、なにしろそれが早く、多すぎて
ちょっと目と頭がついていけない。昔はこういう時は
スライドを使ってのんびりしていてよかった・・・

暗いところでメモだけは必死に取ったのだが、あまりに
内容が多くて頭を通過してしまったようだ。
やはり著作を買わないとだめかなあ。
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画家のアトリエ

2008-08-05 11:02:57 | 絵画
今回来なくなった、「画家のアトリエ」2004年に来た時
行けばよかったと思うが後の祭り。絵の傷みが激しいそう
なので門外不出になるかもしれない。絵にしてみれば
瀕死の病人の旅行みたいなもの。

フェルメールを初めてみたのは家にあった「世界の名画」
という画集中2点「牛乳を注ぐ女」と「画家のアトリエ」
だった。

昭和33年美術出版社発行の全五巻(1巻1200円!)で
ルネッサンスから20世紀までの西洋名画が収められている。
子供時代からこの画集が好きで、たびたび眺めていたので、
絵をみた時、この画集に入っていたかも・と思うことも
よくある。今は貰ってきて手元にある。
画質は悪いどころか違う絵のようだし、解説文もまだ色々
研究が進んでないと見えて、おかしな記述もあり楽しめる。
「牛乳を注ぐ女」のテーブルには堅そうな「パン」が籠に
入っているのだが、それをなんと「南瓜」とみているのは
楽しくなってしまう。解説を書いた人はもう故人なので
ばらしてもいいか。

「画家のアトリエ」は映画「真珠の耳飾りの女」にでてくる
階上のアトリエを思い起こさせる。フェルメールの嫉妬深い
妻がアトリエでなにか起こっているのでは始終気にしている。
画家とモデルの間は音楽のアンサンブルの相手みたいに
お互いに心を開けるとき、いわば擬似恋愛状態にいい作品や
演奏が生まれるのだろう。傍からみれば嫉妬心をあおって
しまうのだろう。
この画家はかなりファッションにうるさそう。この凝った
上着は一体どうやって作るのだろうと思う。
赤いストッキングにルーズソックス。絵を描くとは思えない
ようないでたちだ。モデルよりずっとインパクトがある。
どんな容貌なのだろうか、ちょっとこっち向いて!と
いいたくなる。

細部を描くとき絵筆をもつ手を支える棒ーマールスティックを
使っているが、これは古い画集解説では「腕鎮」と書いて
あり、古めかしい感じと思ったら、今でもちゃんとこの名前の
商品があるようだ。
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五感 再び

2008-08-01 08:34:53 | 絵画
「チェス盤のある静物」または「五感の寓意」1636
この種の寓意画は他にも似たようなのがたくさんあるが、
この絵は最近知った。同じリュバン・ボージャン作の
「巻き菓子のある静物画」は映画「めぐり逢う朝」で
よく出てきたし、画家を訪ねる場面もあった。

絵のほうが語りかけてくるような不思議な絵だ。
「巻き菓子」の方はどうしても映画のシーンが目に
ちらついてしまう。この絵を五感に従って分類すると
こういうことになるのだろうか・・・?
視覚 鏡 
聴覚 マンドーラ、楽譜
嗅覚 カーネーション
味覚 ワイン・パン(焼きが足りなく、まずそう)
触覚 トランプ、チェス盤、巾着

オランダの静物画には「ヴァニタス」というこの世の
虚しさ、儚さを象徴する物をテーブルに並べ、リアルに描く
というジャンルがある。よく出てくる楽器・トランプなど
もさしづめ、享楽に走る戒めに描かれるようだ。

この種の絵が今「ウィーン美術史美術館」展で見られる。
仙台にも長らく休館だった宮城県立美術館で10月初めから
見られるというので今からとても楽しみにしている。
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