古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

G.レグレンツィの[ La Cetra]

2011-05-31 17:38:00 | ルネッサンス・バロック音楽
昨日の大雨で雨どいが数か所も壊れていることがわかり、雨が滝のように
(というのはオーバーだが)土に打ちつけられて水たまりができてしまい、
危く物置が浸水するところだった。雨を受ける大きな容器をいくつか置き、
これが家の中でなくて良かったと思い、今朝は朝はやく様子を見に行ったら
雨水が一杯たまっていた。旱の時は恵みの雨なのに、恨めしい雨だった。


さて今週の「古楽の楽しみ」は先週のモンテヴェルディから担当者が
代わっても引き続きイタリア音楽。担当者同士の打ち合わせなどは
あるのだろうか?とふと思った。今日はJ.レグレンツイ中心。

「17世紀後半のイタリア音楽」ということで、いわゆる「バロック中期
にあたるが、バロック初期の自由奔放さと後期のマンネリ退廃の中間の音楽は
結構面白いと思うこの頃。レグレンツィはルイ・クープランと同年生まれ
(1626)あることを発見してますます好きかも、、と思ったのだった。

前にもレグレンツィ注目!と思ったことがあったようで、調べた形跡あり、
肖像画も覚えていた。なんだか優しそうなお爺さん。音楽史的にかなり
重要な作曲家のようだ。それにしてはあまり演奏されない。

今日放送されたソナタ集「La Cetra」「ソナタ」、はコルネットの演奏
だったが、「La Cetra」の18番をリコーダーコンソート(SATB)に
編曲した楽譜を以前無料サイトからとって印刷してあったものがあった。
まだ合わせてないので、今度是非合わせてみたい。

「La Cetra」 とはどこかで聴いたとがあると思ったら、ヴィヴァルディの
ヴァイオリン協奏曲集作品9をそのように呼ぶとか。何かの歌詞にも
あったような・・・。
リラ(竪琴)の一種らしいがちょっとイメージがわかない・・。

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天童市美術館ミュジアムコンサート

2011-05-30 09:11:40 | ルネッサンス・バロック音楽
毎年恒例天童市美術館のミュジアムコンサート、今年は
6月12日(日曜)15時から開かれる。
ここでは年に2回のコンサートのうちの一つが古楽系になっている。
今回は震災後ということで「鎮魂の音楽」という題がついている。

チラシはちょっと文句をつけたくなるようなデザイン。
バックの楽譜は「月光ソナタ」の3楽章。これでは内容とあまりにも
違いすぎる。

それはさておき、最初にここでのコンサートを聴きに行ったのは
2002年のことだった。
ちょうど有元利夫回顧展が開催されており、まとまって絵を観られて
とてもよかった。早めに会場に着き、リハーサルの音が流れる中、会場
でゆっくりできたのは今でも幸せなひと時だったと思う。

コンサートの方はリコーダー2本とチェンバロでバロック曲と
現代曲が演奏された。有元氏のロンドもあった。
このコンサート以来、ほぼ毎年天童まで行くようになり、天童市内見物も。
街の規模にしては見どころも多いような気がする。
ミュジアムコンサートでのチェンバロ担当は私の知る限りはずっと梅津樹子氏。
そのうち中断していた、レッスンをお願いするようになって早7年になった。

第29回ミュジアムコンサート

出演者  鈴木紀子(Sop)、荒木優子(Vn)、中野哲也(Vdg)、梅津樹子(Cem)
 曲目  F.クープラン:ルソン・ド・テネブレ1番
     J.S.バッハ:カンタータ36番より
     A.コレッリ:ラ・フォリア
          他 
 入場料 美術館入館料500円で聴けます。 
  
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震災後初レッスン

2011-05-29 17:41:50 | ルネッサンス・バロック音楽
「震災後初」というものが多いこの頃。でもまだ何も始められない人が
多い中、申し訳ない気もある。

今日はチェンバロレッスン。数年前から山形の梅津樹子先生に我が家に
来ていただいている。今日は5人のレッスン。震災後初めてお会いする
方もいらして、再会を喜び合った。やはり震災の時の体験談をひとしきり。

震災後しばらくは練習する気になれなかったが、この2週間で
ブランク分を取り戻そうという気になってあれこれ練習していた。
バッハのイ短調ソナタBWV818a、「アリア・ヴァリアータ」フォルクレの
二短調組曲、ドルネルのハ短調組曲、そしてルイ・クープランの
ト短調組曲。弾きがいのある濃い曲ばかりで、皆短調だった。

今日はルイ・クープランのト短調組曲をみて頂くことにした。無拍の
プレリュードの楽譜を初めてみた時は本当にびっくりした。音符の音価が
示されず、通称シロタマ音符ばかりが並んでいる。スラーがどこに、
どこからどこまで付いているかを注意深く読みとらねばならない。
記譜表をみながら解読。プレリュードなので自由な部分が多いが、
ただ弾き流していていいというものではなく、頭の中に設計図がないと
説得力のある演奏にはならない。和声的な部分と旋律的な部分は
はっきりと示さないといけない。でも固定化してしまっていつも
同じに弾いても面白くないので大体決める部分とその時々に変える余地の
ある部分があるといつも新鮮に向かえる。決して現代の記譜に置き
換えられないのだ。したがって演奏も様々。
プレリュードの中間部には3拍子のきっちりした部分もあり、ここの
鄙びた感じがなかなかいい。続くアルマンド、クラント、サラバンド
にシャコンヌ、パッサカリアで締めくくることにした。このパッサカリアは
とりわけスペイン風でかっこいいので、つい最初からテンションが上がり
過ぎて失敗。7月末に発表の機会がありそうなので、後2ケ月でどうにか
しなくては。
我が家の音楽好きの黒猫は特にチェンバロが好きで、弾いていると必ず
膝に乗り、脚や顔で弾きたがる。御蔭でチェンバロはすぐ猫の毛だらけに。
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オランダ風俗画の愉しみ

2011-05-28 21:23:30 | 絵画
友人から東京であった、「オランダフランドル絵画展」の絵ハガキを
頂いた。この展覧会行きたかったが、震災もあって、行きそびれたので
こういうお土産は本当に嬉しい。

オランダの風俗画はみていて楽しい。台所や居間の家具や道具類から
当時の市民の暮らしぶりがわかるし、小道具からいろいろ暗示される
ものなどもあって謎解きの楽しさもある。

へリット・ダウの「夕食の食卓を片づける女性」と題されたこの絵は
部屋にランタンと蝋燭だけの節電ならぬ節あかり。ワンプレートの
質素な食事。薄暗い部屋の食卓だけがほの明るく婦人と少女の表情は
穏やか。

イスの横にはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」でおなじみの四角の箱。
これは朽木ゆり子氏によれば足温器だそうでネズミ捕り説は間違いの
ようだ。


横にあるものはなんだろう?全体が見えないのでよくわからないが
シーツプレス機のようにも見える。「真珠の耳飾りの女」の映画では
大きな釜にお湯を沸かしてシーツなどを煮洗いするシーンがあった。
中庭に大量の洗濯物を干していたし、やはりプレス機かもしれない
と勝手に思う。

17世紀オランダの風俗画には楽器の絵も多い。この作者には
ないものかと探してみたら「クラヴィコードを弾く婦人」というのが
あった。



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今年もまた

2011-05-27 18:50:53 | その他
近くの空き地に今年もまた丁字草が咲いた。青い☆型の花はひと際
目立つ。周りはマーガレットや撫子。我が家のマーガレットは咋年
あまりに根が硬くなったので抜いてしまったので消えてしまった。

昼過ぎいつものバロック講座へ。定禅寺通りを歩くのはどの季節も
好きだ。現在、青葉茂れりといったところ。


講座は月2回になったので授業の進み方もゆっくりになり、今日は
ラモーのバロック・オペラのDVDをみせて頂いた。
今週の「古楽の楽しみ」は昨日までモンテヴェルディのオペラ
「ウリッセの帰還」と「ポッペアの戴冠」だったが、やはりオペラは
観るものなので、聴いているだけでは面白さが半減する。舞台を
観たことがあったり、良く筋を知っていれば別だけど・・・。

今日の『カストールとポリュックス』は全く知らないオペラだった。
演出は現代風だったが、オケは「レ・タラン・リリック」そして指揮はルセ。
そういえば東京でのルセのチャリティコンサート・チケットを頼んだら
既に遅し、完売とのこと。もっと早く決心するべきだった。とても残念。

ところでジャルスキーの仙台公演は中止となったそうだ。入場料が
高いので行けないとは思っていたが気にはなっていた。東京公演はあるので
やはり放射能のせいか予定会場であった青年文化センターの修理が間に
合わないのかどっち・・?

帰り道バスのなかで考え事をしていたら、乗り越してしまった。
でも慌てて降りた停留所近くに竹藪があった。
月山の姫竹が急に食べたくなった。

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モシュコフスキーの話。

2011-05-26 22:09:20 | クラシック音楽
先日友人とピアノ連弾を久しぶりにしてみたら結構よく合って
デュオ・デビューしようか、と冗談も。普段は右手ト音記号、左手ヘ音記号
が多いので両手が同じ記号なのは頭の切り替えが必要。ボケ予防にも
よさそう。

大昔からのいわゆる名曲連弾集をさらっと通し、これもまた有名な
モシュコフスキーの「スペイン舞曲集」を合わせてみたら友人も
気に入ったようだった。
ポーランド人のモシュコフスキーが何故、異国情緒たっぷりの
「スペイン舞曲集」を書いたのか、不思議に思い、調べているうちに
モシュコフスキー(1854-1925)自身が書いた記事があった。

Imslp は楽譜だけでなくこういうものも載っている。
「私は何故スペイン舞曲集を書いたか?」というタイトルに惹かれ読んで
みたら面白かった。

【音楽家には老いも若きもよくあることだが、私は17歳半頃、お金に
 困っており、お金を手に入れるには2つの方法しかないと考えた。
 一つはお金を借りるか、もうひとつは作曲をするか・・。

 数日考え、親しい友人のフィリップ・クサヴィエ・シャルヴェンカの元を訪ねた。
 フィリップはパイプをふかしていたので、タバコをもらえないかと思い、
 パイプを借りたが、タバコの葉は無いという。フィリップが吸っているのは
 タバコでなく、破れたソファーの詰め物の「草*」だったので、言葉を失った。
 そんなに困っている男からお金を借りることはできないと諦め、家に帰って
 テーブルにつき、スケッチブックを広げたらスペイン風のモチーフが目を捉え、
 同時にスペイン舞曲を書こうという考えが湧きあがった。数日で作品12の
 4手のためのスペイン舞曲集を書きあげる寸前、フィリップが部屋に入って
 きたので「一緒に連弾して、どう思うか言ってくれ」と頼んだ。
 フィリップは弾いたあと、「君にお金を貸せばよかった、そうすれば
 君は作曲しなくてもよかったのに」と言ったのだった。 しかし・・事態は・・

 そのあとすぐ、出版社に持っていったら数日後、ベテランの批評家の意見も
 きいた上で無事出版の運びとなった。そこで私は「もし破格の著作料を出したら、
 新聞で話題になるし、大騒ぎになるぞ」と持ちかけたが、出版社は何の
 反応もなく曰く、「こんな可愛らしい作品はそんなに宣伝する必要はないし、
ベートーヴェン、モーツアルト、シューベルトも自身の作品を安く売っていた
ので、その伝統に従わざるを得ない。」と譲らず、結局安い著作料を受け取る
 ことになったが、少なくともその時の窮状から逃れられるだけのものは
 いただけたのだった。
 スペイン舞曲集はよく売れ、版を重ね、編曲もされた。この曲で音楽界に名を
 知られるようになった。当然出版社も利益を得たが、そもそも友人のフィリップが
 タバコを持ってなく、私に貸すお金がなかったから、なのだった。】
  
  *原文はseaーgrass だが、まさか海藻ではないのでは?水辺に生える草?


スペインの魅力について書かれてあるのかと思ったら、生活費のねん出のため
に生まれた曲とは。この話って有名なのかしら・・・。
訳は適当ですので、あまりにひどい誤訳がありましたらお知らせください。
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もっと知りたい作曲家

2011-05-25 19:00:00 | ルネッサンス・バロック音楽
昨夜東京から帰って来た。まだ新幹線は臨時ダイヤで所要時間は30分
近く余計にかかる。新白河あたりで徐行運転の所為かガタガタし
怖かった。仙台近くの車窓風景になるといつもながらホッとする。
駅にはボランティアらしい装備の方もちらほら、まだ後片付け
などの人出が足りないから本当に有難いことだ。頭を下げたくなる。

さて今日は女性4人でのアンサンブル練習。昨年の丁度今頃に初めて
コンサートの場を頂いてからはや一年。以来月一練習のペースの時も
あったが震災ではすっかりペースが狂ってしまった。震災後無事に
再会し再開。練習中もつい震災の話になってしまうことがあった。

リコーダー2本のトリオソナタレパートリーも少しずつ増えて来た。
シックハルト、ペイジブル、ケラー、ヴィヴァルデイ、ヘンデル等など。
今日はケラーとヴィヴァルデイを中心に練習したら2時間があっという間。
久しぶりの練習はとても楽しかった。

ケラーの事を調べようとしたら、同姓同名のスイスの小説家の記述は
多いのだが、作曲家の方はさっぱり。結局楽譜の序文に書いてあること以上
のことはわからなかった。

 Gottfried Keller
亡くなったのは1704年ロンドンだが(生年は不明)多分ドイツから来た。
17世紀の終わりころ、ロンドンに着き、そこでハープシコード奏者、
オルガン奏者、通低奏法の教師として名声を得た。ケラーは通低奏法教本の
重要な著者でその本は『Rules for playing a Thorough Bass』というタイトルで
没後一年にWalsh&Hare 社によりロンドンで出版された。ケラー作曲の
沢山の曲は生前にアムステルダムの出版社ロジャーで印刷された。

「沢山の曲」という割には現在まで伝えられている曲は非常に少ないようだ。
いい曲が埋もれているに違いない。生年はCa1655年とするものがある。
同じ名前のGottfried Finger のコンサートではハープシコードを弾いた
とのことなので通低教本の著者の通低演奏は如何なものだったのだろうか?
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週刊ブックレヴュー

2011-05-22 14:09:20 | 本・雑誌
読書家ではないけれど、本について語られる番組は好きだ。
読んでいない本であっても観てない映画について語られるよりは
ずっと興味がわく。

数少ないそのような番組の筆頭は「BS週間ブックレヴュー」。
その司会を18年つとめられた児玉清氏が亡くなられてショックだった。
昨日の番組で来週28日には追悼番組があるというお知らせがあったので
悲しいが是非みなくては・・と思う。

本当に本が好きでたまらない、という司会者を揃えているブックレヴュー。
過去には如月小春、木野花、星野知子などの印象が強かったが、司会者には
どういうわけか女性が多い。現在の藤沢周、中江有里は既にお馴染みで
司会も上手いのでずっと続けて欲しいと思う。

3人の書評ゲストの皆さんをみるのも楽しみ。この頃は3人のうち1人は
知らない人なんてことも多い。若い人や昔は無かった職業の人などは
特にわからない。
本の著者へのインタヴューも、著作自体にあまり興味がなくても一応みて
どんな人か観察。
昨日は「TOKYOオリンピック物語」を出版した、著者が呼ばれていた。
個々のスポーツ競技や選手についての感動の物語ならパス、と思ったら、
このオリンピックを支えた人々についてのルポルタージュということで
俄然惹きこまれた。その頃活躍されていた名前も多いし、1964年は
10月1日に東海道新幹線が開通、10日にオリンピック開会式という
特別な年だった。その活気に満ちた頃を思い出すのにも良さそうだ。


【本の内容】
1964年に開催され、戦後日本の復興を世界に知らしめた「東京オリンピック」。
前例なき巨大イベントを成功へ導いたものは何だったのか?
斬新なポスターで日本のデザイン力を印象づけた亀倉雄策。
1万人分の料理で各国選手団をうならせた村上信夫。史上空前規模の記録映画を
撮り上げた市川崑。著者の野地さんは15年をかけ、オリンピックの
陰の主役たちに迫りました。本書には、未知の領域へ捨て身で挑む者たちの、
強烈な生き様が刻み込まれています。あの頃の日本、そして日本人の姿が、
今を生きる私たちに大きな勇気を与えてくれます。
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ブログ誕生日にあたり

2011-05-21 15:29:20 | その他
明け方かなり雨がふり、朝起きたら土の匂いが立ち込めていた。
すっかり灌木化してしまったチェリーセージの花が咲きだした。
午後から最高27度の予報。

思えば2008年の5月21日にほんの出来心で、ブログを始め、
今日が3歳の誕生日。自分でもこんなに続くとは、思わなかった。
過去に10年日記を3年で挫折した経験もあるので、このあたりが
危ない所かもしれない。いつどんな形で終るのか、終らせるのか
まったくわからない。でもいつも読んで下さる方も増えて励みになって
おり、まだまだ駄文を連ねる気力はあるので今後もどうぞよろしく
お願いいたします。

Gooブログ・アドバンス機能によれば「H.エックレスのソナタト短調」で
検索し、ここに辿りつかれる方が多くいらっしゃる。この曲一曲で
名前を残したようなエックレス。ヴァイオリンの練習曲としてどうやら
世界中で愛されているようでYoutube などでは「我こそは」、と
沢山の人が弾いているのを観ることができる。楽器もバイオリンはじめ
あらゆる弦楽器はもちろんのこと、管楽器演奏も多くて驚かされるが、
そういえば本来のバロック・バイオリンで聴いた事がない。

古楽に親しむようになってから一時期は「ごく普通」のクラシック
音楽を避けて来たようなところがあったけれど、この頃その偏狭さを
愛しつつも、古楽以外にも耳を傾けられるようになった。自分の
好む音楽のジャンル多いほど幸せなのではないかと思うようになった
のは震災の影響もあったかと思う。許容範囲が大きくなったような、
様々な音楽にそれぞれの良さを見いだせるようになった気がする。
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ジェルヴェーズ

2011-05-20 08:19:30 | ルネッサンス・バロック音楽
今週の「古楽の楽しみ」はオルガン特集。オルガンと一口に
言えない沢山の音色を楽しみながら、こういう楽器を作ろうとした
西洋人の音楽と技術への執拗な探究心を感じる。やはり背後の神の存在
がなければありえなかったということになるのだろうか。
バッハに対してもあらためて畏敬の念を感じる毎日。

さて今日は「バッハトリオソナタト長調」のオルガン演奏。
厳格勤勉のバッハがリラックスしてちょっと冗談を言っている感じで和む。
その後にはリコーダーカルテットでお馴染みの、ジェルヴェーズの
「シャンパーニュ」「ブルゴーニュ」のブランルの2曲がオルガンで
演奏された。なんだかワインが飲みたくなってくる感じ。

リコーダーを始めた頃、何もわからず、ルネッサンス時代の舞曲を
良く合わせていた中にジェルヴェーズのブランルがあった。
今はバロックのソロやアンサンブルに偏っているけれど、ちゃんと
楽器も揃えてルネッサンスのコンソートをするのが夢だ。

さてこのジェルヴェーズのブランルの旋律を使って「フランス組曲」
を作曲したのがプーランク。
楽譜にはクロード・ジェルヴェーズ(16世紀)による、と書かれてある。

この曲は「ブルゴーニュのブランル」「パヴァーヌ」「小さな軍隊行進曲」
「哀歌」「シャンパーニュのブランル」「シシリエンヌ」と全6曲ある。
私の持っている楽譜はピアノ版だが、室内楽版もあるようだ。
今日放送があったのは「シャンパーニュのブランル」の原曲だった。

ラヴェルやドビュッシ―は言うに及ばず、フランス近代作曲家には
ルネッサンス・バロック時代への懐古の思いがあったようだ。
プーランクにはチェンバロコンチェルトまである。ランドフスカの
委嘱で書かれたもので、ランドフスカのドキュメンタリー番組に
も出てくる。久しぶりにあの貴重な映像を観たくなった。
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ルセの「アリア・ヴァリアータ」

2011-05-19 17:05:45 | ルネッサンス・バロック音楽
クリストフ・ルセのチャリティコンサートが6月1日上野学園の
ホールで開かれる。その頃上京予定があるので、夜、実家を
抜け出して聴きにいけたらいいのだが・・。ボランティアの身ゆえ
自由行動がしにくい。仙台なら誰に気兼ねすることないのだが・・。
チェンバロソロコンサートは北谷直樹氏以来行っていない。
鍵盤楽器兼指揮者という人は多いが、ルセもそうだ。

さてルセのプログラムはL・クープランとF・クープラン。
ルイの方は組曲二短調、ハ短調の組曲。中身は演奏者の選択に
任されている。F.クープランは第8,17オルドル。

≪使用楽器は、マルク・デュコルネ、 パリ1995年製作の通称「コルマール」。
モデルはフランスのコルマール市 ウンターリンデン博物館が所蔵する
J.リュッカースが1624年アントワープにおいて製作した銘器。
このたび本チャリティ・コンサートのために空輸されます。≫
だそうだ。

空輸っていったいいくらかかるのだろうか?チャリティで入場券も
比較的安いし、誰が払うのかな、、と余計な心配をする。

行けるかどうか今のところわからないのでせめてと最近発売になった
「バッハ ファンタジー」CDを聴く。曲種としてのFantasie は
2曲のみだからHMVみたいに「幻想曲集」とするのはどうかと思う。
プレリュードとフーガや「最愛の兄」カプリッチオ、その他。
使用楽器は1632年のヨハネス・リュッカース
私の大好きなBWV904の「ファンタジーとフーガ」や四苦八苦した
BWV894 の「プレリュードとフーガ」に、あまり演奏されない、珠玉の
「アリアによる変奏曲」も入っているので私にとっては嬉しい選曲。
使用楽器は1632年のヨハネス・リュッカース。一連のルセのバッハ
録音も良くこの楽器を使っている。

「アリアによる変奏曲」は若きモルテンセンのバッハトッカータCDに収め
られてことから知った。もっと演奏されてもいい曲。
ルセはモルテンセンに比べるとずいぶん控えめで変奏曲はほぼ同じテンポ。
対するモルテンセンはやたら遅かったり速かったりでメリハリはあるが
聴いていて疲れる感じがする。あまりにテンポに差があるので調べて
みたら、ルセ12:48秒でモルテンセンは17・09秒、どうりでずいぶん違う。
淡々としたルセの方が今の心境には合う気がする。

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生垣消毒

2011-05-18 19:01:00 | 庭の植物
今週は好天が続く。明日はさらに温度が上がるということだ。
庭の様子も刻々と変わって、「こでまり」が綺麗に咲いた。

町内会で戸別の生垣消毒を年一回業者に頼んでやってもらっている。
今週はその消毒週で、ちょうど町内会の保健衛生係なので責任もあり
あまり家も空けられない。急に雨になって延期になったりということが
今までにもよくあった。でも運よく好天続きで明日の終了も予定どおり
になりそうなので良かった。

最初この団地は敷地周りのフェンスは禁じられ、生垣だけだった。市の
緑化方針もあったようだが、生垣が望ましいということで罰則はなく時が
経過していくうちにフェンスに変える家が増えてしまった。我が家も
周り5か所のうち3か所がフェンス。確かに剪定をしなければならないし、
虫や病気に弱い木もあるので面倒と言えば面倒。雑木のある我が家は栄養分が
木々にとられ、垣根はやせ細ってしまってみすぼらしいのだが、やはり
垣根の方が好きだ。業者は生垣だけではなく、庭の植木も消毒して
くれるのだが、食用になる木が多いので有難迷惑もある。

今では信じられないが昔は消毒液がかからないように果樹の小さい実に
いちいち袋をかけて消毒薬から守ったり、覆ったりしたものだが、この頃は
すっかりサボっている。放射能が飛んでくるかもしれないし、、思ったら
宮城県丸森町の牧草にセシウムが許容値の5倍出たとのニュース。宮城県
では初めて。また風評被害が起こったら酪農家も大変だ。
またまたニュース、仙台市地下鉄東西線工事中止をオンブスマンが仙台市に
提出。工事費を震災復興にかけるべきということだ。大賛成。今からでも
遅くはない。無くてもいいものをこの際作る必要はない。是非英断を期待したい。
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ラ・デリクール La D'hericourt

2011-05-17 12:10:10 | ルネッサンス・バロック音楽
チェンバロを初めてから早20年の月日が流れた。1991年の春休み
仙台カワイでチェンバロソロの小さなコンサートがあった。
子連れだったので最後まで聴ければいいけれど、という位の気持で
聴いたのだった。プログラムは[フランス組曲]やヘンデルの[鍛冶屋]、
ラモーの[タンブラン]、クープランの[修道女モニク]などだったと思う。
[神秘の障壁]もあったかもしれない。
演奏そのものには特に感銘も受けなかったのだがコンサートの後に
「楽器を触ってもいいですよ」といわれ、恐る恐る鍵盤を押してみたら、
ピアノとタッチの差に驚いた。丁度居合わせた、在仙チェンバロ奏者が
さらに詳しい楽器の話をしてくださった。
「家でレッスンしていますから一度いらしてみたら、、」と言われ、
その場でその気になってしまった。それからはレッスンに通うたびに
自分の楽器が欲しいと思うようになり、ついにその年の暮れ、楽器を
手に入れたのだった。
その年は正月明けにガンの疑いで小手術を受け、不安な毎日を過ごしていた。
結局は大事ではなかったが、必死に何かに打ち込むものが欲しいと
思っていたのは事実だ。そんなきっかけでチェンバロ半生が始まった。

長らく趣味で細々、不真面目にやって来たので、レパートリーも
あまり多くない。自分の好きな曲をレッスンに持っていくことが
多いので選曲も偏っている。まだ弾いたことのない作曲家もたくさんいる。

ダングルベール、ダジャンクール、マルシャン、ルルー、ダンドリュー、
バルバトルはまだ一曲も。
なかでもダングルベールは必修だと思うが、恥ずかしながらまだだ。
先も短いので早く弾かないと。

最近バルバトルだけのCDを頂いた。演奏者はウルズラ・デュッチュラー。
バードのCDでしか知らなかった。
バルバトルは去年、曽根麻矢子さんのコンサートのアンコールで聴いた。
ラモーをさらにけたたましくしたような感じ。でもロワイエもフォルクレも
煩い曲ばかりではいので、このバルバトル氏にも比較的静かな曲はないかと
聴いてみたら、「ラ・デリクール」というのがあった。早速無料サイトで
楽譜チェックすると、我がチェンバロの最低音F まで出てくる低音があった。

この題名どこかでみた、と思ったら、デュフリのクラヴサン集2巻の中
にもあった。楽譜の解説によれば、当時話題の2人の超若いフルーティスト兄弟?
の名に由来しているらしい。でも同名の2曲の印象はずいぶん違う。

そういえば最近トラヴェルソのファキシミリ譜で題名にこの名前を
みたような気がしてきた。
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ピュアトーン

2011-05-16 09:44:00 | クラシック音楽
先日NHKTVでN響のベートーヴェン第1シンホニーをきいてから、
ノリントンンの言うヴィブラートをかけない「ピュアトーン」という言葉
が気になっている。

50年前ならいざ知らず、現在は音楽を演奏するにあたり、時代に拠って
楽器や奏法を変えなければ作曲家の意図した曲の眞の姿がわからないと
考える方向になってきている。演奏家も指揮者もいろいろ勉強しなければ
ならず、感性やテクニックだけでは乗り切れない厄介な時代になって
きてしまったともいえる。

モダンオケを相手に弦楽器をガット弦に貼り替えさせたりという姑息な
手段でちょい古楽器風にする指揮者もいるが、モダン楽器のまま
ヴイブラートをかけないで、というノリントンの指示は普段ヴィヴラート
かけまくりのモダン奏者にとってはとても困難なことだったと思う。
楽器本体に弓はモダンのままだし・・・。
テレビ画面で弦楽器奏者がアップになるとつい左手が揺れてないかとチェックして
疲れた(笑)。チェロのファースト一人は抵抗してか?いつも通りだったけど・・。

管楽器はヴィブラートがないと言われるがそうでもない。
フラットマンという指のヴィブラートもある。今朝の「古楽の楽しみ」では
ブリュッヘンのリコーダーは揺れっぱなしで船酔いしそうだったが。
歌でも全くヴィブラートなしは少年合唱団のような声になってしまうし、
味気ない。音楽表現の一つとしてあるべきものと思うのだが・・。

さて震災約1ヶ月後にパリのサンジェルマン・デ・プレ教会で震災応援
コンサートがあった。呼びかけ人はパリ在住の指揮者佐藤俊太郎さん。
仙台市出身で実家は同じ団地内なのでよく知っていて昔アンサンブルを
したこと(ヴァイオリン弾き)もある。奥さまはヴァィオリン奏者の
神谷美千子さん。このコンサートでコンサートミストレスをつとめて
おられる。ボランティアで集まった演奏家たちの中には日本人らしい方も
多い。

4月15日のコンサートのチャリティコンサートの一部が観られる
ようになっているので、どうぞご覧になってください。

http://www.aligato.jp/Concert_de_Soutien_au_Japon.html

最初の佐藤さんのトークは異国にいて故郷を思いやる気持と
音楽で応援したいというピュアな気持が伝わってくる。
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連日震災復興コンサート

2011-05-15 07:26:40 | クラシック音楽
昨日は「仙フィル復興支援コンサート」に出掛けた。
震災関連コンサートは7回目になった。

会場は初めて行くトラストタワーの一階エントランスホール。
新しいビルだがここは被害がなかったのだろうか?一泊何十万
もするというホテルの部屋もあるところ。こういう時でもないと
ご縁がない。
時間ぎりぎりに行ったら、イス席は満席になっていた。放送局の
カメラも数台きていて何かものものしい。
仙フィル団員の弦楽器奏者が14-5名に指揮者も。

プログラムは
ヴィヴァルデイの「四季」から、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデより」他と
なっていたが、加えてバッハの「アリア」モーツアルトの「デヴェルティメント
ニ長調一楽章に、レスピーギの「古代舞曲3組曲」から2曲も演奏された。
会場は残響が大きく、指揮者のお話がよくききとれなかった。

バッハの「アリア」はこのところ一番聴いているかもしれない。
すっかり鎮魂曲として定着してしまった感じだ。でもいつ聴いても
いい曲だ。ヴィヴァルデイも勿論古楽器演奏ではなかったが、この際
しょうがない。コンサート・ミストレスはパンチが利いて華やかな演奏。
ぐんぐんひっぱっていく。
モーツアルト、チャイコフスキーの曲はサイトウキネンオケでよく聴く曲。
レスピーギの「パッサカリア」を聴いていたらブゾーニ編曲「シャコンヌ」を
思い出してしまった。どちらも大袈裟でクドイ。両方とも同じ時代、同国の
作曲家ではある。

最後の「弦楽セレナーデ」の重厚な和音の余韻を楽しみたかったのに
すぐ拍手が来て、おまけにアンコールとして「青葉城恋歌」がはじまり、
「オケをバックにどうぞ歌ってください」といわれ、嫌になって会場を後にした。
怒ったら募金するのを忘れてきてしまった!
仙フィルとしてもチャイコフスキーで終らせたかったのではないかと思うが、
歌謡ショーにしてしまった真意のほどはわからない。

さ来週はまたここで今度は木管アンサンブルがあり、そのあとの予定は
わからない。

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