「すると主は彼女に言われた。『二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は、もう一つの国民より強く、兄が弟に仕える。』」(創世記25:23新改訳)
ヤコブとエサウは双子(ふたご)でリベカの胎内(たいない)にいたときから「ぶつかり合っていた」。それはたんなる性格のゆえというより、二人の持つ信仰のちがいが早くも現れていたためといえよう。▼リベカはさすが母親だけあり、神が仰(おお)せられたことを深く心に留めていた。いっぽう、イサクは狩りの獲物(えもの)を好んだので、狩人(かりうど)エサウを愛したが、リベカは神の約束に基(もと)づいてヤコブを愛したと思われる。それが的中する時が来た。エサウは神と信仰に関することを軽視(けいし)し、弟ヤコブは信仰と祝福に関することにひじょうに熱心であった。そしてそれが「兄が弟に仕える」とのことばの成就となってあらわれたのである。▼神はご自身を第一にし、重んじる者を祝される。私たちはそのことをエサウとヤコブの信仰のあり方から強く学ばせられる。生涯を通じ、不敬虔(ふけいけん)な生き方とはハッキリ訣別(けつべつ)しなければならない。「また、だれも、一杯の食物と引き替えに自分の長子の権利を売ったエサウのように、淫らな者、俗悪な者にならないようにしなさい。あなたがたが知っているとおり、彼は後になって祝福を受け継ぎたいと思ったのですが、退けられました。涙を流して求めても、彼には悔い改めの機会が残っていませんでした。」(ヘブル12:16,17同)