しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <幸いなことよ>

2021-05-20 | 詩篇

「幸いなことよ 悪しき者のはかりごとに歩まず 罪人の道に立たず 嘲る者の座に着かない人。」(詩篇1:1新改訳)

旧約聖書の珠玉といわれる詩篇、その最初の最初は「幸いなことよ」という感嘆詞から始まっている。つまりこれが詩篇の鍵語なのだ。▼ではいったい何が幸いなことなのであろう。換言すれば「謙遜」ということである。なぜなら人はおおよそ他者の誰かを目下(めした)に見た時、嘲る者の座に着いたことになるからである。それが被造物のひとりに過ぎなかった天使長が、自分を創造された神を目下に置こうとしたときに始まった「罪」の本質にほかならない。そしてすべての人がこの嘲りという悪魔の性質を宿して世に生まれて来る。▼しかしたった一人、嘲る者の座に着かず、嘲られる者の座に着かれた御方がいる。ナザレのイエス、別名「全き謙遜者」。だから詩篇全篇を流れる「幸いなことよ」という感嘆の川は、本流となってキリストに流れ込む。今も天地に、そして私たちの心に轟き渡るのは、謙遜の子羊に栄光あれ!という賛美の大合唱である。