「ただ、主に背いてはならない。その地の人々を恐れてはならない。彼らは私たちの餌食(えじき)となる。彼らの守りは、すでに彼らから取り去られている。主が私たちとともにおられるのだ。彼らを恐れてはならない。」(民数記14:9新改訳)
十二人の偵察隊員のうち、カレブとヨシュアだけは活ける信仰に立っていた。彼ら二人は原住民たちの立派な町々や堂々たる体格を見ても、少しもおびえず、「彼らは私たちの餌食になる」と確信に満ちて民を激励(げきれい)した。あの少年ダビデが巨漢(きょかん)ゴリアテを前にして、まったく恐れず、杖(つえ)と石投げだけで立ち向かったのとおなじである。▼それなのになんということか。平常心を失った全会衆は二人を石で打ち殺そうとまで言い出した。不信仰、恐怖は人をして冷静な判断を狂わせることがわかる。この結果、数百万のイスラエル人は四〇年間荒野をさ迷うことになった。それはあまりに大きな不信仰の代償(だいしょう)であった。決して犯してならないのは不信仰という罪だ。キリストのあがないを信じなければ永遠の滅亡(ほろび)しかない。▼イエスはユダヤ人たちに言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言います。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたがたのうちに、いのちはありません。」(ヨハネ6:53同)