「あなたが建てているこの神殿のことであるが、もし、あなたがわたしの掟に歩み、わたしの定めを行い、わたしのすべての命令を守り、これによって歩むなら、わたしはあなたについてあなたの父ダビデに約束したことを成就しよう。わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。」(Ⅰ列王記6:12、13新改訳)
主は神殿を建設しているソロモンを励(はげ)ますために、冒頭(ぼうとう)の言葉を語られた。ここで私たちが心におぼえなければならないのは、どのように壮麗(そうれい)な神殿を建築しても、「建物自体に神は注目しておられない」ということである。▼主が目を注いでおられるのは、ソロモンをはじめ、イスラエル人が「神を心からおそれ敬(うやま)い、律法の精神に従って生きるかどうか」という点なのだ。しかし人間は外面に心がうばわれる。たとえば主イエス御在世当時、建築に四十六年もかかったヘロデ神殿に人々は夢中になり、それを礼拝の中心に置いた。だからその本体であられるナザレのイエスが来た時、完全に無視し、見下げたのであった。▼今も人間は表面だけを見、霊的本質を見ない傾向がある。