酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

はたしてDT125Rは生き返るのか?【その2 サンポール攻撃】

2008-05-04 22:17:49 | 技術系
「クサイ!どうにかして!」
朝、嫁さんの苦情で起こされた。
「何で馬鹿でかいバイクとかもらってきたの!」
どうせお決まりのお小言だから無視無視^^;
さて、今日はタンクのサビ取りに挑戦だ。
昨日色々考えた挙句、塩酸処理しかないと決定した。
タンクのサビ取り剤はバイク部品専門店にはあるらしい。
しかし、5千円するのと、効果がわからないのでパス。
基本的に趣味専用のケミカルは本来の価格の10倍はする。
車用品や熱帯魚用品、釣り用品などがその典型である。
効果についても誇大広告がまかりとおるのは「気のせい」を信じる人が多いからだろう。

塩酸は職場では簡単に手に入るが、GW中は一般用品から流用するしかない。
そこで、【サンポール】の登場である。
このところ硫化水素事件で悪評高いサンポール、果たして売ってくれるのか?
近くのドラッグストアには〔お一人2本まで〕で特売中だった。
おまけに特大1Lのを2本抱えてレジに行ったが何も言われなかった。
(サンポールを買う不審者には注意するよう通達されているのに^^;)

さて、無事サンポールも手に入り、サビ落としだ。
昨日の「JOY」を捨て、洗剤が残らないよう水でタンク内を洗う。
とんでもない量のサビ片(両手で掬ったくらい)を出し切った後、サンポールだ。
アルミ部品は溶けるから、燃料コック部分を外す。
中から出てきたのは、サビまみれのストレーナだった。〔これじゃ流れない訳だ〕
コックを分解すると2本の経路はベトベトのガムで塞がっていた。
『梗塞状態だなこりゃ、木の枝でも取れやしない』
キャブクリーナ(塩化メチレン)で溶かし落とし、コック部分は再開通した。

サンポール原液2Lをタンクに流し込むことに。
その前に、コック部品を外した穴をゴム板(100均)でふさぐ。
庭に落ちていた板切れにドリルでネジ穴をあけ、ゴム押さえ部品の完成。
サンポールを入れ、シェイク。すごい泡が発生している。(火気厳禁だな)
あまり強い酸だとタンクに穴が開きそうなので、水で満杯にし放置した。
時々覗くとタンク内に銀色の部分が見えてきている。
ただ、歯ブラシでこすってもガサガサの茶色いサビ部分はビクともしない。
ついでにサンポール2倍希釈にタンクキャップの部品を漬けておいた。
こちらはさすがに強力、サビは綺麗に溶けてしまった。
サンポール処理後は、酸が残って乾燥中に急激に錆びるらしい。
そこは廃液後に中和すれば問題ないだろう。
ドメストはNaOHが1%入っているので、これを使う。
ただし、次亜も入っているので【まぜるな危険】である。
それと、最後の乾燥中のサビを防ぐため、マリン用CRC6-66を準備した。
これは多少の水滴があってもOKの防錆剤なのである。

さてさて次はキャブだ。
DTのキャブは外すのにとても手間取った。
アクセルワイヤーに直接ニードルが固定されてキャブボディを外すにはニードルをはずす必要がある。
さらに、ラジエターからの循環水がキャブにも通っているのだ。
接続されたホース類は多数、スロットル部とフロート室もホースで繋がっている。
スロットルボディとフロート、メインジェットあたりはどろどろのベトベト。
これまた100均の麦茶用タッパーにキャブごと灯油漬けとなった。
混合気の経路は意外と綺麗だったので、リードバルブは取り外さなくてもよさそうだ。

さて、GW後半3日目は雨らしい。
しかしタンクが溶けて穴が開くのが怖いので明日も作業は続く。


はたしてDT125Rは生き返るのか?【その1 油汚れにJOY】

2008-05-04 21:09:55 | 技術系
GW1日目にバイクをもらってきた。
正確には「永久貸与。手放す時には自分に返却して」とのこと。
「まぁ、その時にはイラネというかも知れんが」
外見はそれなりだが、タイヤがひび割れており、アクセルが回らない。
が20年前のバイクだ、まぁそんなものだろう。

【YAMAHA DT125R '91年式 2st 125cc 20ps】
およそ20年前、レースで2stパワー戦争の時代があった。
GPのレースで排気デバイスYPVSを実用化し、王者SUZUKIから天下を奪い取り、その後ケニー.ロバーツにより3連覇を成し遂げた頃である。
このDTは一足早くYPVSを搭載し王者に君臨したモトクロッサーYZの血統を受け継いでいる。
ほとんど上位DT200の骨格を持ち、125にはオーバースペックな足回りを持つ。

さて、手始めにアクセルワイヤーを見てみよう。
グリップは回せどビクとも動かない。
手元をばらし、固まった古いグリスの除去とグリスアップ。
無理に引くと少し動くが、戻らない。
『こりゃワイヤー外してクネクネ揉んでみるか』
DTのアクセルワイヤーはキャブ方向とデバイス方向に分岐している。
分岐ボックスを分解し〔お、グリスは固まっているが錆びてない^^〕
それぞれのワイヤーを無理やり数回引く〔うーん、動きが渋い〕
やはりキャブのニードルが固着しているようだ。

仕方ない。キャブを外そう。
もちろんキャブの清掃は想定内の作業である。〔面倒くさいが^^;〕
残ったガソリンが漏れないようにコックから抜く・・・アリ?出てこない。
『カラ?』・・・違っていた。
ガソリンキャップが回らず、ハンマーで叩きながら回す。
『どぇーーー!カビカビみたいにサビている!』
タンクキャップもタンク内もケバケバ真っ茶色。
あと少しでボロボロに崩れそうな錆びた空き缶状態である。
『駄目だ、タンクを外して上から抜こう』
タンクには約2Lのシンナーみたいな茶色のどろどろが出てきた。
もはやガソリンとは呼ばない揮発成分の抜けたスラッジである。
逆さまにすると、10円玉大のサビのカケラがガシャガシャ落ちてくる。

『タンクもキャブも完全分解だな、こりゃ』
こんなんで、エンジンがかかるまで復帰できるのか?
吐きそうな匂いのタンクに「油汚れにジョイ」を1本突っ込みシェイク。
ガシャガシャ音は大量のサビである。〔とりあえずサビは明日考えよう〕
油溶かしのため、タンク満杯に水を追加し、一晩置く。

【この時点でGW2日目はタンクのサビ取りに決定した】

丁度ここでN山さんが釣りの待ち合わせに到着した。
「ガソリンじゃないですねぇ。エステル臭がする」
確かに酢酸エチルに酸っぱい匂いを加えて鼻に突くような感じだ。
水分と鉄サビで炭化水素鎖が酸化分解、エステル化しそうな気もする。