えしぇ蔵日記

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豊穣の海

2010年06月08日 | Weblog
三島由紀夫の「豊穣の海」を読み終わった。なんともすごいものを残してくれたもんだ。しかもこれが最後だからな。三島由紀夫はこの作品の最後の回の原稿を編集者に渡した同じ日にクーデターを起こすために「盾の会」の4名を率いて陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へと向う。そして自衛隊員に決起を促す演説をした後、切腹する。なんと凄まじい最後!日本文学が生んだ最後の天才は国を憂いつつ彼岸へ渡った。遺作を読むのに特別な感慨が湧かないわけがない。その瞬間に日本文学の栄光の時代も終焉を迎えたのだろうと思う。

命をかけてまでなにかを訴えたいというのは、もはや現代のワシらには想像すら追いつかない崇高な心理状態だ。

「血潮」

孫六の 流せる血潮は 文学と
憂国の士の 終(つい)のことのは
 
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