えしぇ蔵日記

えしぇ蔵日記のブログ版です。

入院日記6

2009年01月21日 | Weblog
6日目。運命の日。オバマ就任の日に手術か。忘れられない日になるな。外は曇り。
 
車椅子で3Fの手術室へ向かう。姫もとことことついてくる。手術室に通じる大きな扉の前で「ここからご家族の方とお別れですので何かお話になることがあれば・・・」となんともせつないことを言われ、「生まれ変わってくるよ」と言ったらみんな笑ってた。
そしていざ、手術室へ。既にそこにベッドのようなものがあるから「あぁここでやるんだ」と思いきや、ノンノン、これはきっと緊急の患者の手術前の処置かなんかするとこだろうな、そこからずずずいと奥までご案内。ものものしく金属的な冷たい雰囲気の中を移動する。両側に手術室がずらりと並ぶ。一体いくつあると?ワシは19番だったからそれ以上はあるんだろうな。まるで007が潜入した敵の秘密基地のような感じ。人質を探せ!
19番の手術室へ入ると自分でベッドへ移動。みんなてきぱきと準備に入る。点滴の針が入らないのには閉口した。痛いっつうの。担当の人は入らないからあせってなお入らない。4回目でようやく成功。ワシにしてみればこれが一番の山だったな。
酸素マスクをつけられるが逆に息苦しい。外してくれとも言えんしな。点滴から薬が入り始める。少しぼぉーっとし始める。「意識がある間は返事して下さいね」と言われ「はい」と返事するが、意識が飛びそうな感じはない。ワシ麻酔効くとかいな?と考えていたら・・・「しんぐさん、終わりましたよ」と言われた。は?気付いたらいつものベッドで搬送されているところだった。おぉすごいね!全身麻酔はすごいね!華岡青洲はすごいね!
顔の手術だからさぞかし「ジョニーは戦場へ行った」みたいな感じで顔中包帯なんだろうなと思ったが、唇の内側にも外側にも何もなかった。不思議なもんだ。だから術後の結果がすぐわかる。姫が「おぉ!カンナさん大成功ですって感じよ」って言うからまぁいい感じなんだろう。まだ自分で繁々と眺める勇気はない。
部屋に戻ってからはしばらく点滴があったがすぐに身体は普通に動かせた。歩いてもふらつきはない。Everything is OK.
 
はぁやれやれだ。嶮しい峠は知らないまま越していた。あとは傷の回復を待つのみ。
 
ちなみに麻酔の間に見た夢。
昨日、アルフレッド・ヒッチコックの「白い恐怖」を見た。その中で夢を分析するシーンがある。その夢の中の世界のデザインがサルバドール・ダリだった。幻想的なダリの世界が非常に印象に残った。その夢の中の世界がまさに麻酔中の夢だった。グレゴリー・ペックになった気分だった。
 
(御見舞い、応援、激励、アドバイス・・・本当に沢山の方に頂きました。ありがとうございました。おかげさまで無事に終了しました。心より御礼申上げます。)
 
「峠」
 
我四十
未だなかばの
旅なれど
いま越え過ぎし
憂いの峠
 
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