漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0677

2021-09-06 19:28:33 | 古今和歌集

みちのくの あさかのぬまの はなかつみ かつみるひとに こひやわたらむ

陸奥の 安積の沼の 花かつみ かつ見る人に 恋ひやわたらむ

 

よみ人知らず

 

 ちょっと逢っただけのあの人を、私は恋慕い続けるのだろうか。

 第三句までが、次の「かつ(見る)」を導く序詞になっていて、従って実質的な歌意は下二句だけで表現されています。こういう歌を現代語に訳するのは難しいですね。今回は思い切って解釈文から上三句は、はしょってみました。(汗) 「花かつみ」は植物の名称とされますが、古来、具体的にどの植物のことなのかは不明。菖蒲、あやま、薦(こも)などの説があります。

 今日から巻第十四「恋歌四」。実際に逢瀬が叶ってからの恋が描かれます。