漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0674

2021-09-03 19:02:51 | 古今和歌集

むらどりの たちにしわがな いまさらに ことなしぶとも しるしあらめや

群鳥の 立ちにしわが名 いまさらに ことなしぶとも しるしあらめや

 

よみ人知らず

 

 群がった鳥が飛び立つように立ってしまった私の噂は、いまさら何もなかったようにふるまったところで、何の効果もないであろうよ。

 「ことなしぶ」の「ぶ」は、名詞や形容詞の語幹に付いて、「そのような状態になる」「そのように振る舞う」の意の動詞を作る接尾語。「しるし」は漢字で書けばここでは「徴」「験」で、「ご利益」や「効果」といった意ですね。