漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0693

2021-09-22 19:45:36 | 古今和歌集

きみこずは ねやへもいらじ こむらさき わがもとゆひに しもはおくとも

君来ずは 閨へも入らじ 濃紫 わが元結に 霜はおくとも

 

よみ人知らず

 

 あなたが来ない限りは、寝室にも入りますまい。私の濃紫色の髻(もとどり)に霜が降りようとも。

 「元結」は髻を結ぶ紐の意で、髻そのものを指す場合もあります。霜が降りるほどの寒空に、愛しい人の来訪を待ち続ける切なくも強い恋心ですね。