漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0700

2021-09-29 19:43:41 | 古今和歌集

かくこひむ ものとはわれも おもひにき こころのうらぞ まさしかりける

かく恋ひむ ものとはわれも 思ひにき 心のうらぞ まさしかりける

 

よみ人知らず

 

 このように恋してしまうだろうと、自分でも思っていた。心の占いは正しかったのだ。

 「うら」は「占」で占い、「まさし」は「正し」で正しい意。この「占い」は自ら施したのか、それとも他者に占ってもらったのか、どちらの解釈も成り立ちそうですが、上三句の「自分もそう思っていた」ということとのつながりで考えると、「占ってもらったらそう出ていたが、これほど恋しくなることは自分でもわかっていたよ」と解釈する方が自然な気がします。

 

 さて、これで 700 首と、また区切りを迎えることができました。ご来訪くださる皆さまに心より感謝しつつ、明日からもひとつひとつ続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。