漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0672

2021-09-01 19:43:54 | 古今和歌集

いけにすむ なををしどりの みづをあさみ かくるとすれど あらはれにけり

池に住む 名ををし鳥の 水を浅み 隠るとすれど あらはれにけり

 

よみ人知らず

 

 名を惜しむという名前を持つおしどりが、池の水が浅いために隠れようとしても姿が現れてしまうように、私もあの人とのことが噂にならないよう、隠そうとしていたのだけれど、世間に知られてしまったことよ。

 おしどりはいつも雄雌が一緒にいることから、現代でも仲の良い夫婦に喩えられますね。ですが、ここでは隠そうとしていたということですから、秘めておきたい仲だったのでしょう。

 

 今日から9月。巻第十三「恋歌三」の歌ものこりあと四首です。