漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0695

2021-09-24 19:07:40 | 古今和歌集

あなこひし いまもみてしか やまがつの かきほにさける やまとなでしこ

あな恋し 今も見てしか 山がつの 垣ほに咲ける 大和なでしこ

 

よみ人知らず

 

 ああ恋しい。今すぐにでも逢いたいものだ。山に住む人の家の垣根に咲いている大和なでしこのようなあの人に。

 「山がつ」は「山賤」で、山里に住む身分の低い人、あるいはその家の意。「なでしこ」は植物の名であることに加えて「撫でし子」、つまり「愛しい人」の意も含んでいます。