ここが、アメ横にある台湾料理の店だ。
なんだかディープなところにあるのね。迷路みたいなところじゃない。
台湾の映画監督ホウ・シャオシエンもここのところ迷路に迷いこんだ感じだったけどな。「珈琲時光」なんて、小津安二郎生誕百年記念とか言ってたけど、どこが百年記念だったのか、全然わからなかったもんなあ。
こちらの百年はどう?最新作の「百年恋歌」。
1966年、1911年、2005年と、時代が違う三話のオムニバスになっているんだけど、俺は最初の1966年篇が一番良かった。とうとう、ホウ・シャオシエンも迷路を抜け出したかと思ったよ。
というより、1966年篇て、昔のホウ・シャオシエンぽくない?「恋恋風塵」とかの頃の。
そりゃ誉めすぎだろ
なに、赤くなってるのよ。
いや、ここだけの話だが、「恋恋風塵」て、俺が一番好きな恋愛映画なんだ。
ははーん。そういうこと・・・。
やっぱり、彼はあの頃の時代を描くと素晴らしいな。屋外から差しこむ光の中、屋内にたたずむ若い男女の姿を見ているだけで涙が出るほど感動するよ。
白っぽい屋外と暗い室内の対比ね。
たいしてドラマチックなことが起こっているわけでもないのに、ドキドキしちゃうんだよな。ホウ・シャオシエン復活かと思ったよ。
じゃあ、他の二話は?
それが問題なんだ。1911年篇はまずまずとしても、2005年篇となるとわけがわからなくなる。むだに時間を過ごしている気分になってくるんだ。
まあ、時代がそういう時代なんじゃないの?
というより、今の時代をとらえるには、彼もちょっと年をとっちゃったんじゃないの、残酷な言い方をすれば。
いつまでも、1960年代とか70年代を撮っていろということ?
だって、1966年篇はあんなに素晴らしいんだぜ。あの路線でまだまだ行けるよ。
そんな昔の栄光に頼ってちゃだめよ。バレーボールの台湾チームなんて昔を捨てて戦ったおかげで日本に勝っちゃったんじゃない。
て、なんか、話が脱線してない?
そうそう、この台湾料理のお店に入るんだった。
ホウ・シャオシエンが迷路を抜け出して、「恋恋風塵」のような映画をまた撮ることを祈ってな。
ふたりが乗ったのは、都バス<学01系統>
東大構内⇒東大病院前⇒竜岡門⇒上野広小路⇒御徒町⇒上野駅前
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ホウシャオシエンはほんと時代の空気を撮れる稀有な監督だと思います。
『珈琲時光』は背中のシーンが多かったですね。
墓参りの後、親子3人でカウンターに座って食事をするシーンがありました。
どうということのないショットですが印象的で、いいなあと思います。
これからもよろしくどうぞ。
対談形式って、いいですね~。
とても読みやすいです。
私も1話目が一番素直に心に入ってきました。
また時々お邪魔させていただきます。
最初から完成されたスタイルではないのでしょうが、初期作品もぜひ観てみたいですね。
■きぐるまんさんへ
どうということのないシーンが素晴らしいんですよね、この監督は。
■わかばさんへ
DVDが出たら一話目だけ何度も観るような気がします。
まさしく、1話よかったですよね。
あれだけで1つの映画にしてほしいくらいです。
私は2話の意味が全く解りませんでした。
3話は内容がわかるけど、ちょっと・・・・
でも、1話だけで「良し!」としました。
おっしゃるとおり、一話をもっと長く観ていたかったですね。
ジョーさまのレビュー記事大好きです。『恋恋風塵』近々必ず観るつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。ではでは。
「恋恋風塵」傑作ですからぜひご覧になって感想を聞かせてください。