【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「アバター」:荒川一丁目バス停付近の会話

2009-12-23 | ★草63系統(池袋駅~浅草雷門)

あら、こんなところに、取り残されたように一軒の家が・・・。三方から攻められたら逃げ場がないわね。
おいおい、そんな物騒なこと、言うなよ。
でも、平和に暮らしてたって、いつ襲われるかわからないっていうのは、宇宙的な真実よ。
それはそうだな。我々地球人だって、高価な鉱物資源があるからっていう理由だけで、平和な星の住人を迫害するんだから。まったくひどい話だ。
ジェームズ・キャメロン監督の新作「アバター」の話ね。
誰だって、アメリカ・インディアンの悲劇を思い出す。
私は、ベトナム戦争を思い出したけどね。
大国による小国の蹂躙。悩める兵士。そして、密林の中の戦いといえば、「プラトーン」をはじめとするベトナム戦争映画に度々登場しているからな。
しかも、ジェームズ・キャメロンだから戦闘シーンの迫力はハンパじゃないんだ、これが。
ジェームズ・キャメロンをご本尊とする「ターミネーター」の四本目が他の監督で今年封切られて、これも結構迫力あったんだったんだけど、キャメロン返り咲きの戦闘シーンを目のあたりにすると、まだまだ彼にはかなわないなあ、と思ってしまう。
その「ターミネーター4」で主役のクリスチャン・ベイルを食ってしまうという信じられない快挙を成し遂げたサム・ワーシントンが今回の主役。そして、「エイリアン2」のシガニー・ウィーバーが堂々凱旋。
海兵隊も出てくるし、女戦士も出てくるし、懐かしや、モービル・スーツまで現われて、キャメロン印満載だ。
キャラメルみたいになめつくせるキャメロン映画。
お、うまいこと言うね。お前の冗談も、きょうは珍しく快調だな。
でも、最後の戦闘シーンに至るまでの経緯は、宮崎駿のアニメーションを思い出すんじゃないかしら。
ああ、、基本は木を守る戦い、自然を守る戦いだからな。不思議な生物たちが現われて森を守る展開は、「もののけ姫」そのものだ。
そして、怪鳥に乗り、空を飛ぶ壮大な滑空シーン。
怪鳥がまた、ほんものみたいな質感で我々を驚かす。「ジュラシック・パーク」どころの騒ぎじゃない。
快調な怪鳥ね。
そのダジャレは不調だけどな。
とにかく、最近はすっかりご無沙汰になってしまったけど、心躍る滑空シーンといえば、かつては宮崎駿のトレードマークみたいなものだった。その爽快な滑空シーンにこんなところで遭遇できるとは思わなかったわ。
優雅で、力強く、そして美しく。スクリーンでまみえると、CMで垣間見える以上の出来映えだ。
しかも、3Dだから、文字通り、目を見張る臨場感。
うっとりするほど鮮やかな蛍光色に彩られた3D映画。水中シーンがあるわけではないけど、何か、夜の水族館に紛れ込んだこんだみたいな感覚にも襲われしまう。
ラストの再生シーンは、はるか「風の谷のナウシカ」に目配せしているとしか思えない。
って、どういう意味だ?
それを言っちゃあ、おしまいよ。ここから先は劇場へ急ぐべし。
混んでたけどな。
コンドルけど飛んでいく。
ぜ、絶不調・・・。





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ふたりが乗ったのは、都バス<草63系統>
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