
このあたりも、秋にはスラムのように枯葉の吹きだまりになることを人は知らない・・・。

知ってるけど。

その枯葉がみんなお札だったらいいなあと俺が思っていることを人は知らない・・・。

そりゃ、私だっていいと思うわよ。億万長者になれるもん。

億万長者?俺の語彙にはないことばだな。

ミリオネアは?

ミリオネアなら知ってる。クイズ・ミリオネア。爆笑問題の太田が1000万円を獲得した。

そのときの問題は爆笑するほどのものでもなかったけどね。

「スラムドッグ$ミリオネア」も爆笑するほどの映画ではなかったな。

別にコメディじゃないけど。

じゃ、何?

純愛映画。

あ、そうだったの?

主人公の思いが一直線の純愛物語だったから、ヒネた青春を送った人間にはピンとこないのかもね。

だって、貧民街で育った若者が純愛からクイズに挑戦するというだけの映画じゃ、ひねりがなくておもしろくないじゃん。

ひねりは、インド。インドが舞台ってところがインドを知らない人には新鮮に映るのよ。

インドというエキゾチックな土地柄にアカデミー賞の会員は目くらましを食ったってことか?

経済的にもあれだけの人口をかかえるインドはいま、アメリカ人にとって興味深い土地なのよ。映画の出来も別に悪くないけど、時代も味方したんじゃない?

たしかに、インドといっても、サタジット・レイの「大地のうた」とかと違ってやはり西洋人からみたインドという感じはしたからな。

現地ロケで現地人を使って頑張ってはいるんだけどね。

しかし残念なことに、貧民街を描いても、どこかフォトジェニックで、本来スラムのはらむ猥雑な活力が思いのほか漂ってこない。

ブラジルのスラムを描いた「シティ・オブ・ゴッド」や南アフリカのスラムを描いた「
ツォツィ」の身も凍るような街の姿に比べるとまだまだ手ぬるいというか、緊迫感が足りない。

子どもの目をつぶすとか、ぞっとするシーンもあるんだけど、主人公をあくまで誠実な人物に据えたところに限界があるのかな。

ハリウッド流の限界?

でも、そのおかげでアカデミー賞を獲ることができた。

口当たりがよくなるからね。

でも、こういう中途半端にエキゾチックな映画が賞を獲る傾向ってどうなの?

「
おくりびと」は違うと思うけど。

ああ、あの映画を観ることで世界の人がもっと日本映画に関心を持ってくれるとうれしいな。

「スラムドッグ$ミリオネア」を観た世界の人がもっとインド映画に関心を持つようになれば、それはそれでいいいのかもね。

ああ、本物のインド映画のスター女優はもっともっとデブだぞ、とか、本物のインド映画の踊りはもっともっとはちゃめちゃにエネルギッシュだぞとかな。

なにしろ、あの八方破れの映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」でさえ、インド映画の範疇では洗練された映画に位置づけられるっていうんだからね。

それに比べれば、この映画のヒロインの華奢なこと。明らかに西洋人が好む東洋人だ。

まるで黒木メイサみたいでね。

黒木メイサ、いいねえ。彼女をちゃんと生かした映画が日本でもできていいのにな。

いっそ、あなたがお金を出してつくったら?

それならいっそ、クイズ・ミリオネアにでも出るか?

そうそう、クイズ・ミリオネアに出る理由はやっぱりお金じゃなきゃねえ。

純愛が理由でクイズ・ミリオネアに出るなんて逆に不純だよなあ。

クイズ・ミリオネアに失礼よ。

賞金を何に使ったのかも描かれてないし。

そう、そう。珍しく二人の意見が合ったわねえ。

そういう意味では、俺たち二人の愛を確認した映画ではあったな。

そこまでは、意見が合わないんだけどね。

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