Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

ベルリン:プロイセンの宮廷音楽

2013年02月13日 | 音楽
 ベルリン国立歌劇場のコンサート・シリーズ「プロイセンの宮廷音楽」(全4回)の第2回コンサートがあった。バッハのブランデンブルグ協奏曲第6番とカンタータ「天より雨と雪の降るごとく」BWV18をメインにしたプログラム。どちらもヴァイオリンを欠いた特殊な編成だ。なかなか聴けそうで聴けないプログラム。

 1曲目はブランデンブルグ協奏曲第6番。ヴィオラ2本、ヴィオラ・ダ・ガンバ2本、チェロとコントラバス各1本、そしてチェンバロという編成。ヴァイオリンがなくても、こんなに充実した音になるのか――というのが実感だ。CDでは昔から聴いていたが、CDで聴いていると、沈んだような、くすんだ音色に聴こえる。だが、生で聴くと、洗練された、ひじょうに上質な音色に聴こえた。そのなかに音楽的な感興――実感に即していうと、若きバッハの情念――が渦巻いているようだった。

 演奏もよかった。とくにヴィオラ奏者2人は優秀だった。第1奏者はベテランの男性奏者、第2奏者は若い女性奏者。この女性奏者が、切れ味のいい、アグレッシヴな演奏を聴かせた。二人ともベルリン国立歌劇場のオーケストラ(シュターツカペレ・ベルリン)のメンバー表に載っていた。

 2曲目はテレマンの4本のヴィオラのためのコンチェルトニ長調TWV40:204。コンチェルトといっても、4本のヴィオラだけで演奏される曲。短めの軽い曲だ。

 3曲目はマラン・マレの2本のヴィオールのための組曲ト長調。2本のヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロで演奏される曲。リハーサル不足だったのか、2本のヴィオラ・ダ・ガンバの入りが合わないことがあった。ご愛嬌だ。

 4曲目はバッハのカンタータ「天より雨と雪の降るごとく」。第1曲のシンフォニアが始まると、ブランデンブルグ協奏曲第6番と同様、洗練された音の世界が広がった。若きバッハの実験精神――バッハの尖った個性――を受け止めるべき曲だと思った。通奏低音の補強のためにファゴットが1本入っていた。声楽(ソプラノ、アルト、テノール、バス各1人)は若い歌手たち。

 演奏面のリーダーはチェンバロ奏者のマティアス・ヴィルケMatthias Wilke。

 このコンサートはベルリン市庁舎(通称「赤の市庁舎」Rotes Rathaus)の大広間で開かれた。アレクサンダー広場に面した赤レンガ(これが通称の由来だ)の重厚な建物だった。
(2013.2.3.赤の市庁舎)

↓赤の市庁舎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Berlin_Rotes_Rathaus_2.jpg

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