Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

北海道の温泉めぐり

2012年01月04日 | 身辺雑記
 いろいろあった2011年も終わり、新しい年が明けました。
 でも、本の頁をめくるように新しい年が始まるわけではなく、2011年はまだ続いているという気がします。決着がつかない、解決がつかない、なにも変わったわけではない、そういう状況はいつまで続くのか。

 さて大晦日に羽田空港を飛び立って、稚内に向かいました。機内で読んだ新聞に医師で作家の鎌田實さんの「さあこれからだ」という詩が載っていました。一読して驚き、何度も読み返すうちに、胸が熱くなりました。その一節を引用しようとして、さっきから考えているのですが、どこを引用したらよいか、判断がつきません。どの一節をとっても優しさに満ち、そっと寄り添ってくれる言葉だからです。

 稚内に着いて、列車で小一時間ほど南下したところにある豊富温泉に泊まりました。ここには40年ほど前に来たことがあります。まだ学生だったころ、北海道を旅したおりに泊まりました。泊まった民宿では「水道管がしばれた(凍った)ので共同浴場に行ってほしい」と言われました。雪道をとぼとぼ歩いて行った共同浴場は、脱衣場は男女別でしたが、なかは混浴でした。馴れないわたしは隅っこで小さくなっていました。

 それ以来の豊富温泉です。泉質は変わっていませんでした。石油のボーリング中に湧きだしたというその温泉は、かすかに油が浮いていますが、けっしてべたつきません。アトピーに効くという評判だそうで、息子さんを連れて埼玉県から来ているお母さんがいました。

 翌日は元旦。列車で旭川に出て、そこで乗り換えて上富良野に行きました。車窓は一面の雪原。その美しさに酔いしれましたが、地元のかたには珍しくもないのでしょう。みなさんおしゃべりをしたり、メールを見たりして過ごしていました。

 上富良野ではフロンティアフラヌイ温泉に泊まりました。インターネットで探した温泉です。どういう温泉かなと思っていたら、町の人々の溜まり場のようでした。元旦だからでしょう、昼に4組、夜に1組の宴会が入っていました。みんな近所の町内会の集まりです。温泉に入って宴会をして、楽しい気分で帰る、ということのようです。

 ここの温泉は炭酸泉で、31℃の源泉にじっとつかっていると、体中にサイダーのような気泡がつきます。41℃に加温している浴槽もありましたが、そちらではつきませんでした。

 夜のあいだにまた雪が降ったようです。翌朝は新雪で真っ白でした。家の前で雪かきをする人々。果てしのない労働にそっと頭を下げました。
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