後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔579〕「日本を戦争する国にしていいのですか?」塚越敏雄さんのメッセージです。

2023年04月26日 | メール・便り・ミニコミ
  鎌倉の地で反戦反核運動を日々繰り広げている塚越敏雄さんのメッセージが届きました。彼の想いが凝縮されたパンフレットになっています。しっかり共有させていただきます。
 清瀬市議選で無所属市民派・布施由女さんが3選されました。いずれ詳しく報告します。ご支援ありがとうございました。





◆映画「妖怪の孫」
  安倍政治はそのまま岸田政権に引き継がれ、
  戦争する国へと一直線に向かっている

          前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 17日から公開中の映画「妖怪の孫」。安倍晋三とはいかなる人間だっ
たのか。祖父岸信介と父安倍晋太郎から何を受け継ぎ、何を受け継がな
かったのか。安倍政治とは何だったのか。なぜ長期政権が可能になった
のか。そうした疑間を解き明かそうとする労作だ。

 選挙に勝利するためのメディア戦略。森友事件、 加計問題、桜を見る
会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「
やってる感」 だけのアベノミクス。
 その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をす
 替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官
僚は「総理によるテロだ」と語る。

 合間のアニメに現れる妖怪は、心がなく、お尻の穴が小さい「ふかん
よう」、慈悲の気持ちがなく、能力主義から傲慢さが増幅される「慈虚(
じこ)責任」、恐怖から争いを引き寄せる力がある「セメ・テクール」。
 これらの妖怪が国民に取りついて安倍政治を可能にしたのだ。

 映画は「統一教会間悪」にも突っ込んでいるが、他のメディアが触れ
ようとしない下関の安倍邸への火炎瓶投げ込み事件の背景事情にも迫る。
 安倍政治は決して過去のものではない。それはそのまま岸田政権に引
き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている。映画の最後、自身の
娘の未来を憂える内山雄人監督の声が切実だ。
  (3月19日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」)

◆アンガージュマン(社会参加)
鎌田 慧(ルポライター)

 大江健三郎さんが亡くなった、との電話があった。厳密に言うと「
亡くなっていた」のだが、その日の「本音のコラム」は、袴田事件再審
開始について書くつもりでいたので、いくつかのコメントだけにしていた。
 一カ月近くたって、大江さんから頂いたファクスや手紙を読み返して
みた。もう10年以上前からの手紙は、驚くほどこまやかな心遣いにあふ
れ、改めて目をみはった。筆まめ、凡帳面な人だった.

 福島原発事故のあと「さようなら原発」運動の呼びかけ人になってい
ただいたのだが、記者会見や集会には必ず参加した。デモも最後までつ
き合った。「お互いに後期高齢者」といいながらジーンズの上着、
キャップの扮装(いでたち)の日もあった。

 2012年7月の代々木公園での17万人大集会のあと、送られてきたファ
クスには「明日から私はまた小説に戻りますが、あなたの運動の上で必
要なら声をかけて下さい」と書かれてあった。現実の大衆運動に参加し
ている喜びが感じられる。ある著書の扉の献辞に「けっして遅くなかっ
た同時代者の出会いに感謝して」とあった。

 最後の小説が、「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」。
 原発事故の経過とともに、反対集会や記者会見の様子が書き込まれて
いる。
 戦後文学の社会参加(アンガージュマン)と私小説、異化効果とカーニ
バルなど、大江文学らしい世界が広がっている。
(3月28日「東京新聞」朝刊25面「本音のコラム」より)

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