後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔555〕日本の人権教育を鋭く問うハンセン病ドキュメンタリー映画「NAGASHIMA~“かくり”の証言~」(宮﨑賢監督)

2022年12月27日 | 映画鑑賞
 ハンセン病ドキュメンタリー映画「NAGASHIMA~“かくり”の証言~」を制作する運動に導いてくれたのは岡山の矢部顕さんでした。たびたびこのブログで紹介してきたので読んでくださったかも知れません。
 作品ができあがって9月3日(土)に近隣の東村山市で上映があることを知らせてくれたのも矢部さんでした。ところがあいにく翌日はドイツに出発する日で、残念ながら自重することにしました。
 再度矢部さんから12月4日(日)に国立市で上映されるという情報がもたらされました。
 東村山市の上映を見た国立市の職員が国立でもやろうということになったようです。

 万難を排して妻とくにたち市民芸術小ホールに馳せ参じました。
 作品については当日配布された宮﨑賢監督の作品解説を読んでください。



 矢部さんは以前から素晴らしい監督が地元で活躍しているということで、宮﨑監督出演のテレビ番組のDVDや新聞記事をいろいろ送ってくれていました。そんなことがあって今回のドキュメントは今までの監督の集大成として拝見しました。ハンセン病の差別の歴史のくだりなども私には目新しい感じはしませんでしたが、おそらく30年以上もかかって元患者たちが宮崎監督との関係のなかで重い口を開いたんだろうな、ということに心が熱くなりました。それぞれ一人ひとりの証言の場面をかみしめるように見ていて、目が離せませんでした。
 今回激しく心が動いたのは小学校の場面でした。かつて強制隔離された夫妻を招き入れた教師の存在に元小学校教師として心震えました。アイヌ民族を招いて学年集会をしたことなどが思い出されました。(拙著『ぎゃんぐえいじ-ドラマの教室』所収)
肩の力が抜けた教師と子どもたちの自然な振る舞いに好感を持ちました。力量を感じる教師です。心底嬉しそうに語るお二人、歌で歓迎され、一緒の給食に涙します。
 入所者と高校生の交流にも胸が熱くなりました。
 この映画は日本の人権教育をも鋭く問うものになっていることに今頃気づきました。



 最後に触れなければならないのは、国立市の人権月間のことです。12月4日(日)から1月14日(土)までなんと26件のイベントが展開されるのです。実は、「NAGASHIMA~“かくり”の証言~」上映はその初日で、アイヌ民族の宇梶静江さんの講演もあったのです。
 本当に国立市の人権月間は素晴らしい!

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