後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔477〕西崎典子さんの「憲法審査会ウオッチング」、今回は参議院(5.18)合区問題です。

2022年05月23日 | メール・便り・ミニコミ
 西崎典子さん、いつも「憲法審査会ウオッチング」ありがとうございます。
 大事な憲法改正の話なのに、マスコミは詳細を伝えませんね。

◆傍聴を続ける西崎より
BCCで知り合いの皆様にお届けします。皆様からさらに広まりますよう。

■4.7院内集会、田中弁護士の呼びかけ
「大切なのは傍聴して、中継を見て、議事録を読んで、審査会の最前線を知ること。
学習会や署名をして、選挙に勝つこと。
市民・法の専門家・学者・研究者、皆で頑張りましょう」
■さらに
「審査会委員に、ファクス・電話・メールで激励・意見・疑問などを届けましょう」

◎以下がこの日の内容です。行が詰まっていて恐縮です。

2022.5.18 参院憲法審 

■議題 参議院議員の選挙区の合区問題(自民党の改憲案をベースとする)
■憲法審査会事務局長と法制局長からの説明.未定稿p1上段.1-6中段
■続いて委員の意見交換

 合区解消には自民と立憲が賛成。但し後者は改憲ではなく、法改正を主張。他の委員はすべて反対。投票価値の平等と地方の疲弊・人口減少の問題をどうバランスを取るかは、委員間で課題とされる。

主だった意見は次のとおり。

(自民党は改憲案を参院選に掲げると言っていますが、審査会で賛成がごくわずかだったこの合区の件については何を言っていくのか?合区対象地域にアピールするのでしょうか)。

●改憲による合区解消に賛成

・有村治子(自民)未定稿p.6下段~
 H27の公職選挙法改正で島根・鳥取、また徳島・高知の4県2合区が導入されたが、
 4県では不満が出て問題が多い。

・山谷えり子(自民)p.16下
 このままだとそのうち福井と石川、山梨と長野、佐賀と長崎も次々と合区になるのではないかとも言われている。全国知事会を始め地方6団体が早急な解消を求める決議を行っている。

・舞立昇治(自民) p.22中

 私の地元では76%が合区反対であり、全国でも多くの要望が出ている。国会議員の皆さんが全国民の代表の意識を持っているのであれば、なぜこの問題に誠実に向き合ってくれないのだろうか、というのが地元有権者の思いです。是非憲法改正の最初のテーマの一つとしてご議論いただきたい。

●合区解消に賛成。但し改憲でなく法改正による。

・小西洋之(立憲) p.15
 日本の構造問題、人口減また格差は地方においてきわめて深刻である。各自治体ではサービスの格差すら  生み出している。
 舞立先生の意見は共感をもって聞いている。私の出身は徳島で、合区になっている県です。p.27中
 毎回最高裁判決を受けているが、そこでは参議院が衆議院とは違う独自の役割をまず考えて、それを実現  するための国会法の改正などをやることを我々国会に求めているはず(p.8下)。

 憲法学者の宍戸教授との勉強会で「参議院が衆議院とは異なる機能として、
 地方問題をしっかりと全国比例の議員と一緒に都道府県の議員が議論をしていく、そうした機能を国会法を変えて持たせ…合区を廃止するなら、違憲判決は出ないのではないか」と質問しました。p.16中-下

(注、それに対し宍戸教授が「都道府県に一席ずつ割り振るのはあり得る選択肢だ」と、
 肯定的な答えをした旨を紹介したあと)
 合区廃止のために改憲をすることには反対で、一票の較差を改憲によって葬り去ることは許されない。

●その他の意見はすべて合区解消には反対。

 ・西田実(公明)p.9
 ・高木かおり(維新)p.11中~12上
 (共に)従来から全国を11のブロック単位とする個人名投票の大選挙区制を提唱している。
・渡辺善美(みんなの党)p.14上
 選挙制度の変え方には色々なやり方がある。改革から反するようなことを
 何で今この選挙前にやるのかは非常に解せない。

・福島みずほ(立憲・社民) p.25中
 自民党は2015年に反対がある中で合区を導入した。2018年になり、3年もたたないうちに合区解消のた めの憲法改正という議論が出てくることは全く理解できない。
 3年でころりと変わるのであれば、そのようなものを憲法に書いていいのだろうか。

 一極集中や過疎化、地域の疲弊の問題は理解するが、一極集中は新自由主義がもたらしたものだ。地方の声を国会は聞いているか。沖縄の基地の建設反対、県民投票の声を聴いているか。  p.26中

※この日は資料2種類が議員に配られ、特に参考人2名の説明のあいだに使われました。
傍聴席には配布されず、理解しずらい事柄もかなりありました。
それで当グループでは審査会のあと検査会事務局と法制局にそれぞれ資料を欲しいと言ってみたら、印刷して持ってきてくれました。頼んでみるものだな、と思いました。
ついでにこれからは前もって傍聴人用にも資料を準備してほしいと伝えました(衆議院では、ふつう資料があるときは傍聴席近くの机に置いてあります)。

下記は参考までにご覧ください。
自民党改憲案 「合区」の条文. 
https://www.sankei.com/article/20180325-4JNSZD6FAJLDLKCEN4652L4W7A/2/

只野雅人教授 「合区」解説  憲法ネット103のサイトに発表
https://kenponet103.com/archives/163

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