後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔507〕安倍氏国葬に「賛成」30%、「反対」53%(毎日新聞世論調査)は国民の冷静で至極当然な判断でしょう。

2022年08月29日 | テレビ・ラジオ・新聞
 岸田首相は安倍晋三氏が凶弾に倒れて数日で「国葬」を宣言しました。花を手向ける人が多かったり、海外メディアの報道に多く取り上げられたりしたということもその理由のようです。確か「民主主義を守るため」などということばで国葬を正当化していたように記憶しています。
 しかしながら、冷静に考えてみると、国葬に関する法律がなかったり、憲法との関連の不備も指摘されるなど、どうやらその根拠もあやふやになってきました。戦後国葬は吉田茂氏だけです。
 安倍政権が8年8か月の長期にわたったことも国葬の理由にされているようですが、評価すべきは政権の長さではなく、日本国にとってどのような利益をもたらし、利点があったかではないでしょうか。
 長らく教育の現場にいて、最も関心があり、比較的一般には忘れられている安倍政権の問題点は、教育基本法の改悪です。さらに、集団的自衛権の一部行使容認、共謀罪、特定秘密保護法、そしてモリ・カケ・サクラ疑惑などどれをとっても問題だらけです。
 アベノミクスによって労働者の実質賃金は減り、大企業の法人税率を下げ、一人当たりのGDPは韓国を下回るようになりました。
 安倍氏はプーチン政権に寛容であり、北方2島だけの返還を試みたにもかかわらず、一顧だにされませんでした。最重要課題と位置づけたはずの拉致問題では拉致被害者は一人も帰国できませんでした。
 さらに、安倍3代にわたって旧統一教会とのズブズブの関係だったことが明るみに出されてきました。
 そんなことを考えていとき、毎日新聞のこんな記事を読みました。さもありなん、と至極納得しました。

◆安倍氏国葬に「賛成」30%、「反対」53% 毎日新聞世論調査 2022/8/21

 毎日新聞と社会調査研究センターが20、21両日に実施した全国世論調査では、銃撃されて死亡した安倍晋三元首相の国葬についても聞いた。国葬に「賛成」は30%で、「反対」の53%を下回った。「どちらとも言えない」は17%だった。支持政党別で見ると、自民党支持層では「賛成」が66%で、「反対」の17%を上回ったが、公明党や立憲民主党、共産党の支持層や「支持政党はない」と答えた無党派層ではいずれも「賛成」が「反対」を下回った。(以下略)

 本日、2022年8月29日(月)の朝日新聞の世論調査でも毎日新聞と似たような数字が並んでいました。

◆安倍氏の国葬「反対」50%「賛成」41%

 他の項目でも良識的な国民の考えが反映されていて納得させられました。簡潔に紹介します。(7月16,17日調査との比較)

*岸田内閣 支持する 57%→47%  支持しない 25→39
*政治家は旧統一教会との関係を断ち切るべきか。断ち切るべき82、その必要はない12
*政治家は旧統一教会を巡る問題について、岸田首相の対応 評価21,評価しない67
*新型コロナウイルスを巡る政府の対応 評価57→45、評価しない34→49
*原発の新設、増設 賛成34、反対58

 同じ朝日新聞の「週刊ポスト」の宣伝広告には「安倍国葬に血税33億円、最大130億円超の試算も」とあります。「政府の『葬儀予算は2・5億円』に騙されるな!」とも。

 ◆いやな感じ
  「国葬」を受け入れられないのは理不尽を痛覚するからだ

                  鎌田 慧(ルポライター)

 岸田内閣の支持率は36%と急落、不支持率は54%と急増。(毎日新聞
と社会調査研究センター、8月20、21日の調査結果)。
 新型コロナの新規感染者は1日当たり20万人を超え、医療崩壊が進む。
 その一方、仕切り直しの内閣改造で、旧統一教会との汚染大臣を外し
たはずなのに出るわ出るわ、反社会的宗教への依存の実態。

 これらの報道に対し、旧統一教会本拠地のソウルで18日、「宗教
弾圧」反対集会が開かれ、安倍氏に黙祷が捧げられた。
 祖父の代からの「広告塔」としての安倍氏を悼んでいるのだが、いま
反対運動が急速に拡大しているにもかかわらず、岸田内閣が「国葬」を
強行するのは旧統一教会の追悼とどこが違うのだろうか。

 わたしが「国葬」を受け入れられないのは、やや大袈裟になるが、
魂をわしづかみにされて引きずり回されるような、理不尽を痛覚する
からだ。
 「いやな感じ」なのだ。
 汚染された内閣や党幹部を不問にして国民を統合する宗教的行事を
実行する。
 人間を無視する暴政。
 国葬実行で人気を取ろうとしても、さらに不支持率を急増させる
だけだ。

 27日(土)午後5時。新宿駅地上西口で、二度目の「国葬」反対市民
集会を開催します。発言者は田中優子(前法政大学総長)、松元
ヒロ(芸人)、古今亭菊千代(落語家)、落合恵子(作家)、佐高信
(評論家)、鎌田など。
    (8月23日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)


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