平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ヤマハB-3の修理

2012-04-06 19:30:04 | アンプ製作と修理
 ヤマハ最後のV-FET搭載アンプ、長岡氏が天才肌と評した YAMAHA B-3 を修理していますが、今までに経験したことのないトラブルで困っています。


魚の三枚おろしのように分解できる(右下のテープは、左上に取り外してあるリレー基板に接続するコードの順番を書いたもの)
測定の前にV-FETのゲートとソース間に抵抗を差し込む(今回は3ワット 1KΩ)


 修理の経験則から、トランジスタを全て取り出して計測し直すという方法が最善と分かりました。今回も行ったのですが、計測してみて分かったことは、メーカー品のトランジスタは意外に、ペア特性やコンプリメンタリ特性がアバウトという事です。ペアとは、2SA777などの、同じ石を組み合わせて使う事を言います。コンプリメンタリは、2SA1015/2SC1815などのように、特性の揃ったプラス側とマイナス側のセットを指します。


取り外して測定(櫛の歯が抜けたところは、古いトランジスタをそのまま使った所)
交換したトランジスタの型番と電流増幅率も書いておく


 高級品というのは、このペア組みやコンプリメンタリ組みのための選別に厳しく、電流増幅率hFEなどの測定誤差が5%以内とかになっているはずです。残りの中から誤差10%などが再選別され、中級・ローコスト品に流用されるのだと思います。ところが、実際に計測してみると、計る日の室温などで、計測値が大きく異なります。だから、絶対値ではなく、計った日限定の相対値でしかありません。

 自分で計測すると、この選別がより厳しくなります。1ポイントでも誤差が出ると気持ち悪く感じられるからです。それで、誤差0.5%以内という、まったく馬鹿げた数値で選別し、一人ホルホルすることになります(その裏で大量の無駄が出る orz)。別の日に計れば違う数値になるのは知っていながら…。だから、パーツのペア特性やコンプリメンタリ特性に限れば、自作のアンプは超高級品に匹敵するわけです。

 さて、今回の修理の問題点ですが、ヤマハのアンプに特有のアースの引き回しにありそうです。アースというのは、避雷針などに落ちた雷が流れて行く地面を指します。洗濯機やエアコンのアース端子は、水道管などを伝って地面に接続されるのです。電力会社から送電される交流は、アースから見てプラスマイナス100Vで、家庭用では100Vなので片方だけが使われます。両方使えば200Vです。

 韓国の電化製品は200Vなので、余りアースのことは考えられていないようです。地球の裏側氏が、韓国製を使って機材を燃やしてしまったことがあるそうです。アースとホット側が逆配線だったのでしょう。韓国製の家電が危険というのは本当なのです。冷蔵庫や洗濯機は特に注意が必要です。

 今回の修理で、パーツ交換しても所定の電圧が出ないことから、アースに対しての電圧を調べてみました。この場合のアースとは、プラスマイナスの二本のブロックコンデンサーをつないだ真ん中(中点)を指します。ここを0(ゼロ)ポイントと言います。電池を二本直列にした場合、つなぎ目が電圧ゼロで、ここからプラス側に+1.5V、マイナス側に-1.5Vとなるのです。

 アースの電位は、どこをとっても同じゼロでなくてはなりません。入力側のアース端子と、出力側のアース端子で電位差があると困るのです。「電位差=電流の流れ」だからです。アースに電流を流してはならない。この鉄則から、アース間は必ずゼロでなければならいのです。ところが、今回のB-3は、入力側アースに2Vもの電圧が計測されます。スピーカースイッチをオンにすると、それが7Vまで跳ね上がります。明らかな異常です。0ポイントとリアパネルのアース端子間の抵抗を調べたら、何と3.6KΩもあります。

 しかも、症状が出るのは、左右チャンネルを同時に動作させた時。片チャンネルだけの時は安定します。このアンプは、左右のアンプを組み合わせてモノラル一台として使う、ブリッジ接続という回路を持っています。ブリッジ接続だとパワーは四倍(理論値)にもなるのですが、片チャンネルを反転動作(+-の位相を逆にする)させたり、いろいろと回路が複雑になります。

 回路図が無いので余計に分からないのですが、基板のパターンを追いかけても、入力側に電圧が表れる理由が分かりません。これがヤマハ特有と言うのは、ノイズ対策として、入力側と出力側のアースを分ける回路になっているからです。僕の自作アンプでは、入力側と出力側のアースを分けていません。それでノイズが出たこともありません。

 入力側のアースを分けるというのは、入力側のアースはプリアンプ側になるということです。でも、プリアンプに接続してもダメなので、おそらくはアース回路の断線か、ブリッジ回路からアースに電流が流れているのです。ブリッジ回路を切って、ボリュームなどもパスして、入力ピンから最短でメイン基板に持ってくれば直りそうな気はします。でも、リレーがちゃんと働くかは不明。

 桜花賞ですが、ハナズゴールが回避したので、ジョワドヴィーヴルに勝ってもらわなくては話しになりません。久しぶりに晴れの週末。満開の桜吹雪の中で輝いて欲しいと思います。

      エフライム工房 平御幸
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