北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

改正建築基準法の説明会

2007年09月27日 | すまい
6月20日に施行になった改正建築基準法の説明会が札幌で開催されました。



12日に建築設計事務所協会と建築士会から案内があり、14日には350名の定員が一杯で締め切りとなたそうです。
6月の改正なのになかなか説明会もなく、建設業界は混乱しています。
道庁の説明では、1号から3号の物件で前年比300件の減、約50%程度、木造住宅の4号物件で前年比80%程度の確認申請状況だそうです。
単純に1件1億円と考えると300億円もの建築工事が減ったことになります。北海道だけですから、全国で考えると相当な経済の減速となったことになります。
これも、日本中を震撼させた姉歯などによる耐震偽装の対策として行われた建築基準法の改正による混乱です。
一定規模以上の建物や特別な構造計算を行った建築物の構造計算を適合判定機関で設計者が行った構造計算を再度審査する。それによって、審査期間も35日から70日まで延長され、役所に申請してから2ヶ月も掛かる場合もあるようです。また、設計の修正も建築基準に関することは原則禁止となり、再提出になるので、設計に掛かる時間も長くなっているようです。
説明してくれた国土交通省の課長補佐官は、改正のポイントから運用に関するQ&Aをよどみなく説明してくれましたが、6月以前より仕事量は増えています。
設計者を性悪説で捉えての法改正なので、信用するのは設計図。なので、今まで要求していなかったことまで設計に詰め込んで、設計図=完成建物にしなければならなくなっています。そんな訳で、設計図書に明示すべき事項が膨大に増えています。
この混乱は、まだまだ続きそうです。