E表現研究所の「Eから始まる」

E表現研究所所員の、E生活やE活動を自由に語り合うサロンです。

命をつなぐこと

2011-04-15 00:45:18 | 地震

夜回り先生で有名な〇谷先生の講演会に行ってきました。

話をうかがったのは2回目です。一度めは次女と、今回は長女と。

優しい声で語られる話は、そんなことがあるのかと信じられないことばかり・・・
先生は講演会のある土地でも、夜回りをするそうですが、久しぶりに訪れたここでの
夜回りの感想は、

「数年前よりひどい状態だった」

人口比からすると、薬物汚染が全国1位という話も。
日本最大の悪とされる薬物が、見えない夜の世界ではびこっているなんて・・・

先生は、全国からの悲しみの声を聞くために、メールや電話を受け付けています。そのためのスタッフも20名いるそうです。

その事務所でも、3月11日の東日本大震災の影響が出ていました。
それまでよく、リストカットやオーバードーズなど死にたいと言ってくるメールが多くきていました。
ところが地震で、多くの尊い命が奪われ、生きたくても生きられなかった方々を思うと返事ができないと、スタッフ一同が言ったのだそうです。死にたいなどというのは自分勝手すぎると。
それから4日間、閉鎖していたということでした。

そこへ1通のメールが届きました。よくリストカットを繰り返してメールをしてきた、被災地の子どもでした。
「地震と津波で家を失ったけれど、自分も家族もみんな助かった。今は、お年寄りを助けたりしていて、ありがとうと言われると、がんばろうという気持ちになれる。もう死にたいなんて思わない。」

そのような内容だったそうです。
〇谷先生がよく言われるアドバイスは、
「人のために何かをしてごらん。ありがとうと感謝されたら、それが生きる力になるから」
しっかりと心に刻まれていたのですね。
それから〇谷先生は、スタッフと活動を再開したのだそうです。

命はつながっていく。
戦争や災害など、多くの命の犠牲の上に生かされる命。
無念の命から託された命だからこそ大切にしてくださいと、穏やかな声を強くして言われました。

こんなこともおっしゃいました。
「子どもを産んで、優しさと愛で育て、産んでくれてありがとうと言われて初めて、母親になるのです」
優しさと愛が世の中に満ち溢れたら、どんなにいいかと〇谷先生は言われました。多くの子どもたちの苦しさを見てきたからこそ言えるのだと。

「優しさと愛」
本当にそうだなと思います。殺伐とした世の中だけど、子どもたちを優しさと愛で包んであげたいという気持ちは、ずっと持ち続けていたいと思いました。

            (M.H)