
「キュートで可愛い声」とか、「コケティッシュなヴォーカル」とか、性中枢をくすぐる声に喩えて「ビ・バップのベティ・ブープ」とか、最上級の「ウィスパー・ヴォイスの妖精」と評される一方、「わざとああいう声を出すカマトト」とか、「アニメの女の子みたいで気持ち悪い」とか、一言「ゲテモノ」、挙句の果ては「毎晩聴いている奴はロリコンじゃないの、ベッドでも・・・」オッと、これ以上は放送禁止用語なのでやめておこう。
これほど大きく好みが分かれるのも珍しい。ブロッサム・ディアリーである。苦手な方に少しでも興味を持っていただけるよう経歴をピックアップしよう。ウディ・ハーマン楽団のコーラス・グループやクラブで歌ったあと、50年代初めにパリに渡り、そこで知り合ったアニー・ロスやミシェル・ルグランの実姉であるクリスチャン・ルグランと「ブルー・スターズ」を結成する。「バードランドの子守唄」のヒットで知られるグループだ。パリのクラブで歌ったり、ピアノを弾いているうちノーマン・グランツから声がかかりアメリカに戻る。私生活では「Kelly Blue」のブルージーなフルート・ソロで有名なボビー・ジャスパーと結婚するも数年後に離婚している。
僅か数行でも自由奔放でジャズシンガーらしいではないか。数あるアルバムから彼女の魅力が詰まっているヴァーヴ第1作「Blossom Dearie」を選んだ。名前ズバリのタイトルで本格的に売り出そうというグランツの戦略が見えるし、音楽学校の先生のようなジャケットは声とのギャップの面白さを狙った節もあるが、彼女らしさをアピールするにもってこいだ。得意の弾き語りで、ハーブ・エリスにレイ・ブラウン、ジョー・ジョーンズというヴァーヴ・リズムセクションがサポートしている。フランス語で歌うアンニュイな「It Might as Well Be Spring」や、短いスキャットのイントロから入る「I Hear Music」がジャズ・フィーリング豊かでその世界に引き込まれること間違いない。
さて、これで苦手な方も聴いてくれるだろうか。もう一つ付け加えておこう。ヴァーヴ第3作に「Once Upon a Summertime」がある。頬杖をついた可愛らしいジャケットだ。タイトル曲はマイルスがギル・エヴァンスと組んだ「Quiet Nights」でお馴染だが、ブロッサムを聴いたマイルスが刺激を受けて取り上げたという。マイルスをも虜にした小悪魔ときけば聴かずにいられないだろう。今宵は苦手な貴方のリスニングルームから「I Hear Blossom Dearie」かも知れない。
これほど大きく好みが分かれるのも珍しい。ブロッサム・ディアリーである。苦手な方に少しでも興味を持っていただけるよう経歴をピックアップしよう。ウディ・ハーマン楽団のコーラス・グループやクラブで歌ったあと、50年代初めにパリに渡り、そこで知り合ったアニー・ロスやミシェル・ルグランの実姉であるクリスチャン・ルグランと「ブルー・スターズ」を結成する。「バードランドの子守唄」のヒットで知られるグループだ。パリのクラブで歌ったり、ピアノを弾いているうちノーマン・グランツから声がかかりアメリカに戻る。私生活では「Kelly Blue」のブルージーなフルート・ソロで有名なボビー・ジャスパーと結婚するも数年後に離婚している。
僅か数行でも自由奔放でジャズシンガーらしいではないか。数あるアルバムから彼女の魅力が詰まっているヴァーヴ第1作「Blossom Dearie」を選んだ。名前ズバリのタイトルで本格的に売り出そうというグランツの戦略が見えるし、音楽学校の先生のようなジャケットは声とのギャップの面白さを狙った節もあるが、彼女らしさをアピールするにもってこいだ。得意の弾き語りで、ハーブ・エリスにレイ・ブラウン、ジョー・ジョーンズというヴァーヴ・リズムセクションがサポートしている。フランス語で歌うアンニュイな「It Might as Well Be Spring」や、短いスキャットのイントロから入る「I Hear Music」がジャズ・フィーリング豊かでその世界に引き込まれること間違いない。
さて、これで苦手な方も聴いてくれるだろうか。もう一つ付け加えておこう。ヴァーヴ第3作に「Once Upon a Summertime」がある。頬杖をついた可愛らしいジャケットだ。タイトル曲はマイルスがギル・エヴァンスと組んだ「Quiet Nights」でお馴染だが、ブロッサムを聴いたマイルスが刺激を受けて取り上げたという。マイルスをも虜にした小悪魔ときけば聴かずにいられないだろう。今宵は苦手な貴方のリスニングルームから「I Hear Blossom Dearie」かも知れない。
「アイ・ヒア・ミュージック」は、1940年の映画「Dancing on a Dime」の主題歌としてフランク・レッサーとバートン・レインが書いた曲です。今週はこの曲のお気に入りをヴォーカルでお寄せください。インストは機を改めて話題にします。
管理人 I Hear Music Vocal Best 3
Chris Connor / Chris (Bethlehem)
Dakota Staton / In the Night (Capitol)
Chaka Khan / Echoes of an Era (Elektra)
他にもビリー・ホリデイをはじめエラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレイ、ペギー・リー等々、多くの名唱があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Carmen McRae I Hear Music
https://www.youtube.com/watch?v=J8WXA9B2m9I
このピアノ誰?鍵盤に伏せたらビル・エヴァンスに見えます。
この歌は、詞、曲ともに明るいので、そんな感じが出ているものがいいなと思い、手持ちのものを聴いてみました。
Anita O'Day / Trav'lin' Light (Verve)
Chris Connor / Chris (Bethlehem)
Jennie Smith / Jennie (RCA)
アニタ・オデイのビリー・ホリデイ愛唱歌集(トリビュート)ですが、アニタらしい歌唱が続きます。この曲は早いテンポの編曲ですが歌は余裕があって素晴らしいと思うのでトップに。クリス・コナーは、明るさが出ていて、ゆったりとしていてトップでもいいくらいです。3つめは好みで、ジェニー・スミスのデビュー作を。初々しさがあり、フェイクも入れていて、結構ジャジーなのには驚きます。
他にも、キャロル・スローン、ヴィヴィアン・ロード、ペギー・リー、ダコタ・ステイトンなどもありましたが、上記3つで。ブロッサム・ディアリーは、2~3枚持っていますが、たまに聴くとこれはこれで個性的だと思います。
バートン・レインは大好きな作曲家で、楽譜集を持っています。
その中には彼の写真や、彼の曲が使われた映画などの写真、絵も載っているので、
ファンとしては嬉しい限りですね。
手持ちのCDの中で迷わず挙げられる物をひとつだけ選出します。
他のCDは見ていません…
Michael Feinstein / The Burton Lane Songbook , Vol.Ⅱ with Burton Lane , piano (Elektra)
マイケル・ファインスタインはバートン・レインのソングブックを2枚出しており、
いずれもバートン・レインのピアノ伴奏で歌っています。
おそらく原曲の雰囲気を尊重した歌い方かと思います。
何よりピアノ演奏が作曲した本人なので最強のアルバムだと思います。
アニタ・オデイがトップにきましたか。ジョニー・マンデルのグイグイ引っ張るアレンジはアニタの魅力を十分に引き出しております。ビリーとの解釈の違いがこのアルバムの面白いところでしょう。
クリス・コナーは私が迷わず挙げたトップです。クールというのか、粋というのか、凛としたクリスは素敵です。
ジェニー・スミスがありましたね。10代の録音だったと思いますが上手いですね。
キャロル・スローンにヴィヴィアン・ロード、ペギー・リー、何を歌っても個性が出ます。
ダコタ・ステイトンは好きな1枚です。一度、生を聴いておりますので特に愛着があります。
ブロッサム・ディアリーは時々聴きたくなります。さすがにアルバム丸ごとは飽きますので片面ですが、これで十分納得する不思議なシンガーです。
ジャズファンの間でバートン・レインの有名な曲といえばデヴィルムーンとハウアバウチュー(話題にしたい曲です)、クリアデイですが、お持ちの楽譜集には渋い曲が並んでいるのでしょう。この3曲はそれぞれロリンズ、ゲッツ、エヴァンスとインストの名演がありますので、アドリブの材料になる優れた曲を書いたことがわかります。
出ました、マイケル・ファインスタインですね。バートン・レインのピアノ伴奏でしたら最高のパフォーマンスを出していることと思われます。何年の録音なのか知りませんが、バートンさんはかなりの高齢でしょう。枯淡の味わいですね。
I Hear Music Vocal Best 3
Chris Connor / Chris (Bethlehem)
Anita O'Day / Trav'lin' Light (Verve)
Michael Feinstein / The Burton Lane Songbook , Vol.Ⅱ with Burton Lane , piano (Elektra)
定番のクリスとアニタが人気です。マイケル・ファインスタインは作者バートン・レインがピアノを弾いている貴重盤です。他にもダコタ・ステイトン、チャカ・カーン、ジェニー・スミスが挙がりました。個性際立つ歌唱が楽しめます。今宵はお気に入りの「アイ・ヒア・ミュージック」をお楽しみください。