欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

クロスが黄色くなる責任は誰にあるのか?

2019年09月27日 13時31分17秒 | 建物調査

欠陥建築バスターズは、新たに、クロスが黄色する事例を見てきました。

 

明らかに、7年ほど前(2012年)に、確認した黄色の事例とは異なる様相を示していました。

 

その理由は、発泡ウレタンメーカーにおいて、触媒等の添加物を変えてきたからだと思われます。

 

しかし、発泡ウレタンは、化学反応を利用した製品であるので、クロスの黄色を完全に防ぐことは不可能であろうと思われます。

 

このようなことを論じると、一般の方たちは、発泡ウレタンが欠陥であると考えがちですが、欠陥建築バスターズは、欠陥であるとは考えていません。

 

これは、発泡ウレタンという化学物質の特性を知らない大工や設計士が、何も考えず、施工したことが原因と考えられます。

 

発泡ウレタンという材料は、工場の断熱や、倉庫の断熱においては、向いていると考えられます。

価格が安い上に、抜群に性能が良いからです。

 

だからといって、住宅においては、このような断熱材を使用することは適当と言えるでしょうか?

 

実際、大手住宅メーカーでは、グラスウール断熱材、セルロースファイバー断熱材を使用する会社が多いです。

欠陥建築バスターズの知る限り、これらで発泡ウレタン断熱材を住宅に使用するケースはありません。

 

この理由については、グラスウール断熱材、及び、セルロースファイバー断熱材が、シロアリに強く、火災の延焼予防効果が高いからと考えられます。

 

ところが、一般の街の工務店、大工においては、今でも、発泡ウレタン断熱材を使用しているところが多いのです。

 

その理由、それは、発泡ウレタン断熱材はコストが安く、施工が簡単なところにあります。

 

結局、「家の建築の値段を安くしたい」ということで、このような断熱材を選んでいるのです。

 

 

この断熱材の選択に関することは、ガンを治療するための抗がん剤の選択に似ています。

 

副作用が強くても安い抗がん剤を使うか、あるいは、副作用が比較的少ないが、高額な抗がん剤を使うか、という選択に似ています。

 

抗がん剤の場合、副作用があるからといって、これを欠陥医薬品とは言わないはずです。

 

欠陥建築バスターズは、大手住宅メーカーが、グラスウール断熱材やセルロースファイバー断熱材を使用している理由を、街の工務店や大工に説明しているのですが、工務店側としては、グラスウール断熱材やセルロースファイバー断熱材を使用したがりません。

 

その理由は、面倒臭いのが嫌で、施工が簡単な方が良いからなのです。

 

欠陥建築バスターズとしては、セルロースファイバー断熱材が、一般住宅の断熱材いて最適と考えています。

 

しかしながら、このセルロースファイバー断熱材を使いこなすためには、相当の勉強をしなければならず、大工は、この勉強を嫌がります。

 

その結果、大工は、発泡ウレタン断熱材を使い続けています。

 

また、欠陥建築バスターズは、発泡ウレタン断熱材を使用する場合、薄手の白いビニールクロスを使用してはいけないと、散々、大工に注意しています。

 

しかし、大工は、このようなビニールクロスが安いために使い続け、いまだに、ビニールクロスが黄色する現象に悩まされてす。

 

欠陥建築バスターズ指導としては、白いビニールクロス使用をやめ、ベージュ、グレーなど、色の付いたビニールクロスの使用を勧めていますが、大工は、言うことを聞きません。

 

このことは、さきほどでも触れましたが、抗がん剤において、用法・用量を無視した使用で、副作用を増大させることに似ています。

 

欠陥建築バスターズが指導するように、色の付いた厚手のビニールクロスを使用することにより、実際には、黄色が起きているとは思いますが、肉眼的には、全く黄色を確認できなくなると思われます。

 

このように、発泡ウレタン断熱材においても、応用方法を誤らなければ、施主が、ビニールクロスの黄色で悩むことはなくなると思われます。

 

 

建築材料というのは、薬の選択と同じで、よく勉強しなければ、トラブルを起こす要素を持っています。

 

大工や設計士のなかにも、自分たちの勉強不足を棚に上げ、発泡ウレタン断熱材の欠陥を主張する者がいます。

 

しかし、これは間違いです。

 

実際の黄色事件での裁判では、工務店(施工業者側)の責任を追及するものがほとんどとなっています。

 

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