欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

横浜『ホテルニューグランド』の鉄筋コンクリート!

2013年11月30日 09時15分06秒 | 建築のうんちく



『マッカーサーも宿泊した、横浜の老舗ホテルの建築構造!』



私は、古い、「歴史的建造物」が大好きです。

長い年月、その場所にあって、ランドマークとして、

多くの人に親しまれたからです。



その様な、歴史的建造物の中でも、特に好きなのが、

横浜の、山下公園前にある、『ホテルニューグランド』です!



…実は、関東大震災の時に、このホテルの前身「グランドホテル」が、

あったのです。

しかし、この「グランドホテル」は、地震で倒壊し、今の「ホテル

ニューグランド」に生まれ変わった訳です。



このホテルのマークは「鳳凰」です。

「鳳凰」は、不死鳥ですから、もう二度と地震で倒壊して欲しくない

と言う、強い願いがある様です。



この『耐震設計』された、「ホテルニューグランド」には、とにかく

柱が多いです。

もちろん、建物は、「鉄筋コンクリート造」です。




…かなり前に、この「本館」横に高層の「新館」を建築する工事が、

ありました。


この時に、「本館」の壁や、柱の一部のコンクリートを剥がして、

内部の鉄筋の状態を確認する機会がありました。


ちょうど、私も、その時に、見せて頂きました!




…現代の、「鉄筋コンクリート」と、違う点が二つありました。

一つは、「鉄筋そのもの」です。


とにかく、太いのです!

太さは、直径5センチ以上あったと思います。



更に、もう一つ、違う点は、「鉄筋の入れ方」です。

カタカナの「ハの字」型に、すこし、斜めに入って居ました。

現代の「鉄筋」ならば、真っすぐに直立させます。



きっと、地震の揺れに、「ぐっと、踏ん張る」目的で、この様な

「鉄筋プラン」を当時の建築家は、考えたのだと思います。



築年数を考えますと、既に、コンクリートは「中性化」している

はずなのですが、「鉄筋」は、全く錆びて居ませんでした。

(中性化しても、コンクリート強度は、低下しない。)



きっと、あと100年は、横浜のシンボルとして、「ホテルニュー

グランド」は、今の場所に残るでしょう。




…そうそう、横浜で生まれ育った、私の様な「ハマッコ」でも、

知らない人が多いのですが…

「ホテルニューグランド」の前の「山下公園」は、関東大震災で

出た建物の瓦礫を、海に捨てて出来た「公園」なんです。



今度、皆さんが、横浜に行かれましたら、是非、「ホテルニュー

グランド」を訪ねてみて下さい。

マッカーサーが宿泊した、スィートも、一般の人が、宿泊出来ます。



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