欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

欠陥建築(欠陥住宅)は全部建築家(建築士)の責任なのか?

2013年09月19日 09時00分35秒 | 誰も言わない建築士の話




『建築家(建築士)というのは、オーケストラのマエストロの様なもの』



有名な建築家の安藤忠雄さんは、「私は外国で建築する時に、チームが組め

なければ、建築しない。」と、おしゃいます。


建築と言う行為は、「設計者」が居て、それを形にする「職人」が必要です。

そして、「設計者」の意図を「職人」が十分に汲み取っていないと、「建築」

は完成しません。


丁度、オーケストラの指揮者が、オーケストラの各パートの演奏者を完璧に

調整し、指揮棒一本で、指揮者の思い通りの「音」を演出するのに似ていま

す。


こんな事が可能なのも、指揮者自身、ある程度何かの楽器を演奏できる能力

も、持っているからです。


…建築家(建築士)も、このオーケストラの「指揮者」に似ています。

オーケストラの「スコア」(楽譜)にあたるものが、「設計図」で、各工事

箇所を作業する「職人」を自在に操り、「設計図」通りの建物を完成させる

のが、建築家(建築士)の役目です。


ところが、現場の「大工」達は、建築家(建築士)が現場に入ると、非常に

嫌がります。

そればかりか、その場から、逃げてしまう者までいます!


建築家(建築士)が、「職人」に指示を出すと「えらそうに!」等と、悪態

をつく事も珍しくありません。


これで良い「建築物」はつくれるでしょうか?


「建築」と言う行為は、「チームプレイ」なんです。

でも、実際は「職人のスタンドプレイ」が目立つ現場でもあるんです。


そして、たいがいの「欠陥建築」はこんな「不協和音」の現場から生み出さ

れる場合が多いです。


今の法律では、何かトラブルがあった時、建築家(建築士)の責任は、大変

重いです。ほとんどの責任を一人で背負うと言っても良いくらいです。


…私自身、建築士免許を持っているので、「建築士探偵」なのですが…


だから、建築家(建築士)を擁護する訳ではありませんが、欠陥建築の責任

を、建築家(建築士)が一人で負わせられる様な、今の法律は間違っていま

す。


役人は、もっと、現状を勉強するべきです!



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