明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



鈴木邦男さんは『強い日本、強い憲法を作ろう、軍備を増強しろという男性は、自分たちのテリトリーに踏み込まれるのが怖い。女性に対してもそうです。企業でも政治の世界でも女性がどんどん強くなって、活躍するのを恐れている。昔は親父がしっかりしていて、お母さんはおおらかに支えて、子どもはお父さんの言うことをよく聞いた、それこそが日本の家庭だと言う。復活せよと訴える。女性天皇反対も同じ構図でしょう。右傾化って、要は男性化なんです。』とおっしゃっている。男性化社会に迷惑しているのは何も女性に限ったことではない。小学生以来、私のような人間の生きにくい感じは、根元はそこにあると思っている。せめて陸上競技あたりで女が男の記録を抜いて「ざまあみろ」といってみたいと常々。 昔、白人女性が黒人になりすまし、白人家庭にメイドとなって潜入する、という本を読んだことがある。昔の事なので記憶は曖昧だが、ほとんどの白人主人は黒人メイドである彼女にのしかかってきた。白人男性は、黒人男性に我が白人女性が寝取られてしまう、という妄想に苛まれており、それが差別の根本にある、というような内容だったような気がする。もちろん、それがすべてではないだろうが、女性が活躍するのを恐れている、というのと似たようなものであろう。私などは女性が強い方が男は楽じゃないの?と思ってしまうのだが。どうせたいした内容ではないし。いや男が、ということではなく私がということである。

※8月31日まで谷中『全生庵』円朝旧蔵の幽霊画を公開中。それに伴い三遊亭円朝像を出品。
みそろぎ人形展9月13日(水)〜19日(火)丸善丸の内本店4Fギャラリー
※深川江戸資料館11月まで九代目市川團十郎像を展示。

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刺青  


三島由紀夫『昭和残侠伝』はほぼ完成し、返す刀で泉鏡花の撮影に入るつもりであったが、なんとも三島から去り難く、未練がましくいじいじしていたら眠くなって寝てしまった。今回の三島は、女刺青師、彫Sが描いてくれた唐獅子牡丹によるところが大きい。数年前から構想はあったが、刺青をどうしようか、打開策がなかったのが、本職に直接描いてもらう、ということで昨年ようやく実現した。私は三島の背中のどこかに彫Sの名前を入れたら、といったが私の作品だから、と遠慮して足の裏に。 刺青師には医療の資格が必要、などと、妙な裁判の最中。刺青業界も微妙時期であるし、業界自体も保守的であり、私の個人的な印象だが、あまり目立つことはしたくないようである。昨年の深川江戸資料館の個展『深川の人形作家 石塚公昭の世界』には担当者の判断で無事出品できた。もっとも人形に絵が描いてあるだけだから問題があるはずもない。まして粋と鯔背の本場深川だし。しかし今時は何にでもクレームが来る。せっかく作って出品出来ず、だけは避けたくて一応確認した。来月13日からの丸善の人形展にはプリントを出品する。丸善も念のため確認済みである。 数年前に三島が様々な状態で死んでいる『男の死』の個展をやるさい、妙な連中を恐れて画廊2カ所に断られている。そんな訳がないだろう。もちろんそんなクレーマーは一人も現れず、それどころか鈴木邦男さんに来ていただいてしまったくらいである。

※8月31日まで谷中『全生庵』円朝旧蔵の幽霊画を公開中。それに伴い三遊亭円朝像を出品。
みそろぎ人形展9月13日(水)〜19日(火)丸善丸の内本店4Fギャラリー
※深川江戸資料館11月まで九代目市川團十郎像を展示。

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